現在、FODで配信中の三浦翔平主演のドラマ『時をかけるバンド』。三浦演じる自称“未来から来たプロデューサー”亮が、3人組のガールズバンド・ちゃあはん(白石聖、長井短、大原優乃)をデビューさせるために奔走する、というストーリーだ。
奇想天外にも思えて、ちゃあはんの3人の、ガールズトークもさく裂する青春ストーリーを軸に、音楽×ラブコメ×SFといった要素を盛り込み、テンポよくスタイリッシュに見せる本作。原案は韓国、制作は中国と日本の共同という、ワールドワイドな作品でもある。
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先日、放送・配信され大きな話題となった『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日)に続き、プロデューサー役を演じる三浦に、役柄のこと、撮影時のエピソードから、最近パパとなり子育てを楽しんでいるという、プライベートについても聞いた。
<三浦翔平 インタビュー>
――『M 愛すべき人がいて』に続いてのプロデューサー役ですね。オファーを受けてどんなことを感じましたか?
世の中に先に出たのは『M』ですが、お話をいただいたのは、こちらが先なんですよ。なので、亮の役をいただいた時点では「今まで演じたことがない、新しい役だな」と思いました。
――同じく女性アーティストをプロデュースする役、という部分ではいかがですか?
偶然にもそこは同じですよね。でも、『M』は原作があるし、モデルとなる人物もいるという、リアルな部分がある題材だったので、そこに沿う形で演じたのですが、今回は、ガールズバンドのプロデューサーとはいえ、コメディやSFっぽい要素も入っているので、あまり共通点は感じなかったです。
――青春、ラブコメ、SFとさまざまな要素が混ざったドラマですが、台本を読んだ感想は?
ちゃあはんの3人をメジャーデビューさせる、させない、というところから始まって、そこに未来からやってきた亮が「自分がデビューさせてあげる」と言って、プロデューサーを買って出るんです。
亮が彼女たちをデビューさせたいのは、彼女たちの才能を買っているのはもちろん、自分と(ちゃあはんのメンバーの)有希(白石聖)の未来を変えることも目的で。序盤だけ読むと、わかりにくいのですが、物語が進むにつれ、徐々に謎が解けていくという、ミステリーではないですけど、全部がつながったときに一層面白いと感じる話だなと思いました。
――自称「未来から来た」という亮は、どんな人物に映りましたか?
序盤は、あえて謎めかしい部分を多く出して、本心を悟られないようにしているんです。でも、物語が進むにつれて自分の核心を突かれたときに、本音がポロリと出てしまうところもあって。そういうところは、ピュアでかわいいなと思いました。
前半から怪しい視線や、謎めいたカットがあるんですけど、それにもちゃんと意味があるんです。そういうところにも注目してもらえたら、亮の秘密についても楽しめるんじゃないかなと思います。
――秘密を抱えた亮ですが、ちゃあはんの3人とのシーンは楽しいですね。
3人との掛け合いはテンポもいいし、台本上も結構激しい会話のやりとりになっているので、コミカルに見えると思います。あと、最初は亮が彼女たちをデビューさせたい理由を隠していて、本来の自分がバレないように、わざと明るく振る舞っている部分があるので、そういう(ぎこちない)部分でも楽しく見えるのかな、と思います。
――女子3人の演技を見ていていかがでしたか?
なんといっても、長井短さんが面白すぎて(笑)。「そう来るか!?」ってことの連続でした。そうやって現場が盛り上がることで、いい相乗効果にもなっていましたね。僕としても、前半の亮は結構弾けているので、いい空気感は最初に作れたかなと思っています。
――青春ストーリーを見ていて、自身の青春を思い出すこともありましたか?
まさか30歳を過ぎて制服を着るのか、っていうのはありました。制服を着た4話は、一番キラキラした回なんですけど、なんだか懐かしくて、恥ずかしくて、切ない気持ちになりました。制服は、ちゃあはんのPVを撮るために着て、その格好で有希と自転車の二人乗りをするという。さらに、壁ドンをしたり、されたりもして、相当恥ずかしかったです(笑)。
――女性陣とのコミュニケーションはどのように取りましたか?
やっぱり若い女子3人の中に30歳を超えた自分が入っていたので、難しい部分はありましたけど、そこは一生懸命差し入れを入れたり、いろいろコミュニケーションを取ることを考えたりして。お菓子を与えて、お菓子で釣っていました(笑)。
――この作品は、原案が韓国、制作は中国と共同制作というものです。中国でも配信されていますが、ワールドワイドな作品として意識することはありましたか?
これを撮っているときは、こんな状況(新型コロナウイルスによる影響)になるなんて思ってもいなかったので、撮影を終えたあとに、中国に行ってみなさんの感想を聞いたり、交流ができたらいいね、ってみんなで話していたんです。こういう状況になってしまいましたが、これから、中国での配信の反響とかを聞きながら、つながっていけたらいいなと思っています。
――完成した作品をご覧になった感想は?
楽しかったですよ。ちゃあはんをデビューさせてるために、はたからみると、バカなことをやったり、必死でもがいたり。あとは、一人ひとりが抱えているものをどう消化していくか…葛藤もありますし。そこで、突然ヘンなことを思いついてやるのがクスッと笑えるのかな、と思いますし、そういうところを見て「ちょっと元気をもらえる」とか「頑張ろう」と思っていただけたらいいな、と思います。
――特に好きだったシーンは?
亮が3人から「あなたは何者なんですか?」と問い詰められるシーンがあるんですけど、たまたま撮影場所に呼び鈴があって、現場で「これ使っちゃおうよ」という感じで始まって。ちょっとふざけ合っているようなシーンになったのは楽しかったですね。あとは、1話でも出てくる有希(白石聖)との橋のシーンは、結構いいシーンになったかな、と思います。
――ちなみに、三浦さんが何かをプロデュースするならどんなものしてみたいですか?
チャンスがあれば、何でもやってみたいです。僕らの仕事でいえば、ドラマや映画の制作で、役者が企画から入るのもいいと思います。今は、あまりそうはなっていなくて、役者はオファーを受けて出来上がった台本をもらって現場に入る、ということが多い。でも、『M』のときにも感じましたが、台本が上がるときからプロデューサーや監督も交えて話すことが大事なんですよね。プロデュースも演じるのも、“物作り”というところでは一緒なので、企画から入ってプロデュースをするのもいいなとは思います。
――また、最近お子さんが生まれてパパになりましたが、暮らしにはどんな変化がありましたか?
やっぱり子どもが中心の生活になりますし、それがうれしいですよね。子どもはもうめっちゃかわいいし、子育ても楽しいです。いつもだとこの時間(17時)には、お風呂に入れているんですけど、今日は入れられなかったなぁ…(苦笑)。今後、大きくなっていろいろ一緒にできるようになるのが楽しみです。
あと、暮らしの変化といえば、キャンプ用品がめちゃくちゃ増えましたね。キャンプと行っても出かけるのではなく、ベランダですけど(笑)。人工芝を敷いて、ランタンを灯して、キャンプ用の椅子とテーブルを置けばそれだけでちょっとしたキャンプ気分が味わえます。
――では、秋に楽しみたいことといえば?
それこそ、バイクでツーリングに行ってリアルキャンプをしたいですね。あとは、やっぱりおいしいご飯でしょう。秋は僕が好きな和食の食材が一番おいしい時期なので、楽しみです。
――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
僕はあまり気分が沈まない人間なんですが、こういった状況で気持ちが沈みがちになるという方も多いと思います。そんなときはFODで、ぜひこの『時をかけるバンド』を見て盛り上がっていただけたら、と思います。
撮影:今井裕治