<コラム>『推しの王子様』第8話
…みなさん…。息…、できてます???
全国「推しの王子様」視聴者、約4割5分(前回より上昇)を占めている(もちろん僕調べ)、おディーンのフジオカさまが演じる、ミッチー(光井倫久)サイドのみなさん…。息、できてます???
いや、だって、だってさ。泉美(比嘉愛未)の「航くん(渡邊圭祐)に言われたの。泉美さんが好きだって…」という、知りたくもない情報。からの「わたし…、航くんのことが、好きなんだと思う…」という、聞きたくなかった事実。からの「ミッチーはすごいね…。隠し事できない…(ヘヘッ)」という、地獄のトドメ!!!(「ヘヘッ」ってのがまたダメージでかい)の時点で、もうこっち側、ミッチーサイド、息できてない。ミッチーのことを思うがあまり、息できたもんじゃない…だったもの。うん、そらね、泉美の気持ちもね、そりゃあもう十分にわかるし、ミッチーにしか相談できない、すべてをさらけ出して楽になりたい…って気持ち、痛いほどよくわかるんだけどさ、わかるが故、そんな泉美のことをすべてわかってるミッチーだからこそさ、ミッチーサイド代表(勝手に代表名乗って申し訳ございません)で、もうミッチーと同化しちゃってるんじゃ?とすら思う僕はさ、泉美の、地獄三連発に、苦しい…苦しすぎる!!息できない!!やめてーーー!!!だったわけですよ。…が、…しかし、泉美が最後に何気なく放った、“隠し事できない…”ってのをきっかけに…。
ミッチー「いや…。俺も嘘ついてた…」…え?ミッチー?急にどうした??(こっからミッチーとの同化が解除され、“客観”になります。)「正直にならないとな…」…って、おいおいおい!ミッチー!!今、言う?今、それ、言っちゃうの?!今だっけ?それ、言うの、今?だっけーーーー???…「俺は…」…(唾を飲む)…「泉美ちゃんが好きなんだ…」……。ぅわぁぁぁあぁあぁぁぁぁ、言うてもーたぁぁぁぁーーーーーー!!!って、せつないんだか興奮してんだかわけわからん、“客観”、になってた一方…。「泉美ちゃんが好きなんだ…」という極上ワードを、言われた側、泉美サイド、になって噛みしめると…。
「泉美ちゃんが好きなんだ…」
…、…、(噛みしめてる)…。
ミッチーーーーーーーーーーー!!!(=男前すぎるやろーーーーーーーーーーー!!)
つまり、あっちもこっちもの、視点が入り乱れすぎて、混乱して、興奮して、動揺して、整理できなくって、結局、息の仕方、忘れる…。そんな感じで、もうこっち、息絶え絶えだってのに、そっから、さらに、覆いかぶせてくる、トドメのトドメ…。
「今までずっと…。そして、これからも…。俺は一緒に生きていきたいと思ってる…」
・・・・・!!!!!!!!!
うん、無理!!!!!!(つまり、言語化不可能)
もう、なんだか、いつも以上に何言ってんのか(言ってない部分すらあるけど)意味不明になってますが。あの、ラスト、約8分間の、私(泉美)の好きと、あいつ(航…をあいつ言うな)の好きと、俺(ミッチー)の好きが、入り乱れる、息詰まる、あの、密室劇…。みなさん、正常に、視聴出来てました?ってことなんですよッ!!!(逆ギレ)
もうさ、今回もいい感じで流れ出した、Uruさんの切ない旋律の主題歌「Love Song」もさ、ミッチーの極上ワード「俺は、泉美ちゃんが好きなんだ」ってとこで、正常に再生できなくなって、バグっちゃって、突然、止まっちゃったもんね(違う)。いくら本来意志を持たないBGMだっつったって、おディーンのフジオカさまによる、ミッチーの、あんな告白されたらさ、聞いちゃったらさ、正常に再生なんて、できないよね?できるはずがないよね?だけど、「今までずっと…。そして、これからも…。俺は一緒に生きていきたいと思ってる」ってとこで、我に返り、「♪あなたと出逢い~かけがえない~」って息吹き返すBGMさん。あそこはさすがのプロ、プロの仕事だったわ(演出です)。こちとら、ホントに、あの場面、緊張感とてつもなくって、息詰まり過ぎちゃって、体感15分くらい、息してない気分、クラクラだったからね…。
で、今回、待ちに待った、言わばおディーンのフジオカさま、見せ場回。だったわけだけど、まさか、まさか、こんなにも苦しすぎる、切なすぎる回になるだなんてね…。思ってもみなかったわ…。
今期、ラブストーリーにおける当て馬大賞(主人公カップルの引き立て役)で、前半、全体を見渡した感じだと、おディーンのフジオカさまが圧勝だわ…。なーんて、思ってたのに、徐々にそういうポジショニングだったことを忘れ、ただただおディーンのフジオカさまの、崇高なお姿を拝見する…それだけで満足しはじめ、で、そんなこんな、火曜の9時からやってる『彼女はキレイだった』の樋口くん(赤楚衛二)が(急に別ドラマ)、ものすごい勢いで猛追してきたもんだから(こっちのドラマもとんでもないよ!)、さすがのおディーンのフジオカさまも、あの若さ故のパッションには勝てないか…。手強すぎる!!樋口くん、手強すぎる!!!そして赤楚くん!次クール木曜劇場『SUPER RICH』も頼んだ!!(急に番宣)ミッチーの立場、危うし!!とか…、勝手に、なってた…ん…だけど、そんなの、杞憂だったわ…。だって今回の、あの、おディーンのフジオカさま、尋常じゃなかったもの…。ミッチーの中での葛藤とか、逡巡とか、いろんなものがあって、それがこっちにも伝わりつつ、だけどすべてを受け止めてる、“大人”…でありながら、ちゃんと、自分の思いはしっかりと、全力で、真摯に伝える、“男”…でもある…。なんちゅう冷静と情熱!!やっぱ、あの辺、樋口くんには出せない、味、だよね…。って作品またいで妄想しすぎ。
いやー、まー、なことより(散々ここまで字数使っときながら)。『推しの王子様』っていう、タイトルから想像してた、推してる王子様が目の前に現れてキャピキャピ!ラブラブ!!ダイコーフン!!!(どんな想像やねん)が、どうして、こんなにも、深いお話になる??誰が想像した??って話ですよ。
泉美が立派に育てた王子(=航)とハッピーエンディング!で、いいでしょ普通。なのに、厄介なのが、泉美が航を育てる中で芽生えてしまった、母性的な部分。好きっていう感情はもちろんあるんだけど、それとは別に、“子離れ”…自分から巣立たなければ、彼の成長はない…。それは自分が好きになった航のためになるのだろうか…。って、この部分よ。厄介だわー。複雑だわー。ま、こんな考察が合ってんのか、間違ってんのか…、その辺はわかんないんだけどさ。確実に言えるのは、このままストレートに、2人が結ばれる…って話には絶対ならない!!ってこと。マジでこれ、まさかのミッチー路線もあるよね!?ね?!ね!!??(誰に)…うぅん、だけど、この、もどかしさこそ、THEラブストーリー!!!!
で、で、でよ。そんなこんな、主人公が葛藤している中、ここしかない!!って時、すっかり忘れかけてたのに、ここしかない!!って時に登場する船越英一郎さん演じる水嶋社長よな。急な引き抜きとか、ああいう展開、普通だったら、ドラマ終盤におけるフック要因で、強引…。としか思えないんだけど、プライベートと仕事って、どうしてもリンクしちゃうとこあってさ、どっちも迷ってる…って時に限って、ああいう岐路、訪れるもんだよね!!っていう納得感をもたらすこのドラマの理路整然。もうそんなに辛いんなら、ランタンホールディングス行っちゃえよ!!泉美!!!楽になっちゃえよ!!!とか、思っちゃう…。それで何が解決されるのか…、不明ではあるんだけど。いやー、その辺もどうなるか目が離せない!
あ、最後に、かなり長くなりすぎちゃったけど、しつこいけど、どうしても、ここに記しておきたいミッチー関連、2つ。
序盤に登場した、ミッチーのことを“ミツ”と馴れ馴れしく呼ぶ“友人”が放った「お前がペガサス・インクにいる意味ってなんだよ!」という、急にお前誰だよ!!って腹が立ちつつも、あまりにも的を射てた、凄まじいほどの図星感…。
バーで二人っきりになっていきなり「誘いたかっただけだ!」からの、夜のオフィスにて「なんかノッてきたから、全部やっちゃうわ!」からの「また飲みに行こうぜ!」というこれら一連の、“ミッチー殺し文句”に、冷静でいられる…ってだけじゃなく、さらにその上を行き、アドバイスまでしちゃう、アリス(瀬戸利樹)のでかすぎる人間力。この2点、どうしてもここに書き留めておきたかった。
特に2つ目、俺だったら、バーのセリフの時点で腰砕けて、椅子から転げ落ちてる。アリス、強すぎる。
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)