<コラム>『推しの王子様』第7話
月(ルナ)の設定…、重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!!!!!!
ペガサス・インクで現在開発中の、新作乙女ゲーム「恋する森の中へ」に登場する、メインキャラ三兄弟のピンチを助ける…という、“新キャラ”…。
航(渡邊圭祐)が生み出した、“月”と書いて“ルナ”と読ます、その、月というキャラ…。三兄弟の“従弟”で、いつも身近にいて、いざというとき頼りになる男…。って、そこまでは、何ていうか、普通…?…おいおい、航、それで大丈夫?って感じだったのにさ…。
「この従弟の月は、三兄弟とは、まるで本物の兄弟のように過ごしてきました…」
って…、なんだかイヤな予感しかしない。この枕詞につながる、月の設定よ!!
「月の両親はすでに亡くなっており、月はひとりぼっちです。家族はいません…。昔は、何をするにも自信がなく、人と比べてばかりでした…。夢を見ることさえ、諦めていました…。」
って、重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!!!!!!
なんだかとってつけたような感じで、え?なんで!?だった、三兄弟の“従弟”っていう前提が、“まるで本物の兄弟のように過ごした…”によって不穏を増幅させ、しかもそれは、“両親はすでに亡くなっており”、“ひとりぼっちで”、“家族はいない”から…。って、重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!たったのそのセンテンスだけで、いかにこのキャラが物語を背負ってるか、想像をいくらでも掻き立てられちゃう、なんちゅう深みキャラ!乙女ゲームのキャラで、こんな深み満載のキャラいます?あんな憂い王子系のキャラデザだってのに?(って乙女ゲームやったことないんですけど…)
うん…、そう…だけど…。その月という男…。実は、それは、航、自身…。航自身を月に投影していたのです…。…って、どっちにしろ重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!なんだけど、それを、泉美(比嘉愛未)と視聴者だけは気付いている…って、演出。ずるいわー! !あんなん見せられて、心揺さぶられないわけ、ないっつの。
しかもそんな感情移入しまくりの泉美と、今回が初対面だったはずの(だよね?)ランタンホールディングスから、わざわざ来社してくださった、小島と野島両部長(第3話“島ディストピア”参照)のコントラストよな。小島、野島両部長は、絶対、心の中で、「重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!」って叫んでたよね!?急に、あんな深みキャラぶち込まれて、衝撃だったろうね。航のこれまでの過去を知ってる僕ですら、重ぇぇぇぇぇぇーーーー!!ってなってたんだからさ…。うん、まあ、だけど、だけど、本題はそっからなのよ。
月は、生まれ変わって、自分が自分のことを、好きになったのです…!!
オロロロロロロロロローーーーーーーー(嗚咽)
もう卑怯!!プレゼンの常とう手段。下げて上げる!の手法だってのはわかっちゃいるけど、卑怯!!…航ぅぅぅ…全ての過去を、やっと、糧に、変えられたな!!!(涙)そら、あんだけ“重い”つっても、なんだか妙に仕上がってる設定だし、過去と今の“航自身”を、そのまんま、自分にしか伝えられない、ありのままの言葉、感情で伝えられたらさ、いくら初プレゼンだっつっても、みんなの心に響きまくっちゃうよね…。そら泉美も、社長とかそういうの吹っ飛んで、感情抑えられないよね…(でも、ちゃんと、ギリギリのところで堪える、社長・泉美の逞しさと美しさよね!)。だもんだから、あんだけ難癖つけて、注文しかしてこなかった、かつての小島、野島両部長だって、今回ばかりは、うんともすんとも言わない…よね…。その描写すら…、なかったよね…。(ちょっと寂しい…)
とは言え、だけどですよ。そこで、生まれちゃった…僕の、心配…。航…、そのキャラクター造形と、そのプレゼン力は、今回こそ、自分の辛かった過去を、全て糧にして、クリエイティブな部分に昇華できたけれど、君の真価が問われるのは、次の作品…、なんだぜ…。
なーんて、なんだか偉そうに、わかってる風に、余裕ぶっこいて、上から目線で航を心配した、次のシーン…。
「あなた(航)は私(泉美)から卒業しないと…。私にこだわってたら、あなたはそこで止まっちゃう。私の器の中で止まっちゃう…。」
って、泉美、全部、わかってるぅぅぅーーーーーーーーーーー!!! (再びの嗚咽)
もうさ、泉美と航ってさ、恋人同士っていうよりも、母と子みたいだったものね。泉美が航に向けてのアドバイスも、航が泉美に必死に応えようとする姿も、大好きな恋人に認めてもらいたいっていうそれとは違くて、大好きな母親に認めてもらいたい…そんな感じだったものね…。それを表すかのような、航の過去描写…。かつて、航は、母親に捨てられたけれど、今度こそは母=泉美に笑顔になって欲しい…。自分のことを認めてほしい…。…それを知った上…での泉美だったもんだから、“刷り込まれてる”なんだよね…。泉美は航の育ての親で、母親になっちゃって、だから航は親離れする時期がきた…。ってことなわけでしょ?あぁ辛い…。これ、ラブコメだっつーのに、ちょっとその辺、深すぎません?こんな、悲しくって切ない“すれ違い”ありませんよね?で、根本の“愛”みたいなところはきっと一緒なはずなのに、恋人同士の“愛”、には、現状なってない…。っていう、この辺!!いつも興奮を文字化することしかできない僕には言語化無理!!なんちゅうドラマ!!このもどかしさ!!ねぇ「好き」って何かね!?ねぇ!「好き」って、一体、何かね!!??(壊れた)
ふぅー。ちょっと一息、今週のおディーンのフジオカ様を思い出して、勝手に癒されるわ…。
ねぇ、みなさん!!今週の、前半の、おディーンのフジオカさま、見ました!?!?杏奈ちゃん(白石聖)は今日お休み…だってんで…「“泉美さん”にも伝えました」って、いちいち、ミッチー=おディーンのフジオカさまに向けて航が、“泉美さん”とか報告するもんだから、ミッチー、再び、嫉妬の…炎!!??戦慄のワンショット…不敵な笑み??…かと思いきや、その直後。泉美のいる社長室に、丁寧に、慎重に、扉の側面を、右手で優しく添えるように、そろーっと入ってきた、あの時のミッチー!!!あの時の、ミッチーの顔!!!!見ました!?これまで、神だの、アダムとイブだの、ダビデ像だの、ギリシャ神話時代のお生まれだの、散々言ってきたけどさ、今回のあれは、まさしく、ハムスターとかそういう類いの、小動物でしたよね!?しかも、「こんなキュートな一面も見せる俺」ってな感じのイヤミは一切なく、おディーンのフジオカさまによる、ナチュラルボーン小動物感!!!(意味わからん)神、アダムとイブ、ダビデ像、ギリシャ神話…、からの小動物!!!『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』でも『シャーロック』でも、決して見ることのできなかった、おディーンのフジオカさまの、小動物なお姿!!この!!振れ幅ーーーーーッ!!!!(興奮しすぎ)あれさ、ただの男…つまり、僕レベルの庶民がやったらさ、ただただ気持ち悪く、ねっとり扉開けるイラっとする庶民…。だよね…。それが、あぁ神様…どうして、こんなに不平等なの…?って、え?おディーンのフジオカさまが、神なわけだからさ……。もう混乱!!
っということで、一旦、おディーンのフジオカさまという名の清涼剤を挟んだところで、泉美と航の関係ですよ(こんなんで取り戻せてる?)
泉美と航の、母と子のような関係性…。これってちゃんと恋人同士になれるのだろうか?って、すこぶる心配になっちゃった今回だけど、次週予告見て、俄然興奮!!航が、独立?!?!?!社長っぽくなってる?!?!?!?え!?!?!それは、つまり、『お金がない!』(94年の織田裕二主演の名作/フジテレビ)で言うところの(世代考えて!)、“お金がある!”ターンってこと!?(どういうターン)そういうこと?!?!(絶対違う)気になるじゃーーーん!!!
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)