今、中高生から絶大な人気を得ている“スーパーJK”ひかりんちょ。小学生から動画投稿を始め、今ではTikTok、Instagram、Twitterの総フォロワー数が150万人を超えるインフルエンサーだ。TikTokではコミカルなダンスなどで魅せる一方、Twitterでは自分の思いをストレートに発信し、それが同世代の心をとらえている。
<ひかりんちょ公式Twitter>
<ひかりんちょ公式TikTok>
さらに、10代がターゲットの体験型フェス「超十代」の応援大使や「TGC teen 2019 Summer」への参加、自身初の楽曲「デジタルポジティブ」のリリース、ABEMAオリジナル連続ドラマ『17.3 about a sex』への出演など、多方面で活躍している。
そして、10月7日(水)に2冊目の著書となるエッセイ「17歳 自分のことを愛せないと誰のことも愛せない」を上梓。親、恋愛、友達、性、SNSなどに関する同世代から寄せられた相談に対し、ひかりんちょが一つひとつ丁寧に答えており、自分らしく生きるためのヒントが詰まった1冊となっている。
フジテレビュー!!では、ますます目が離せないひかりんちょに、単独インタビュー。悩みに答える中で感じたことや自身が悩んだときの乗り越え方、今後やりたいことについて語ってもらった。
<ひかりんちょ インタビュー>
――7月に自身初の楽曲「デジタルポジティブ」を発売されて、反響はいかがでしたか?
私のことを全然知らない方からも「今の時代は、こういう曲を作る人が若者の先頭に立っていくんだろうね」などというコメントをいただけて、すごくうれしかったです。
“みんなを元気づけたい”とか“考え方を変えてみてほしい”という思いで作った曲ですが、実際に「元気づけられたよ」というメッセージも多く、みんなに響いているようで良かったなと思っています。
その後、初めてドラマ撮影に参加するなど、新しい経験をすることも本当に増えました。
――今回、2冊目のエッセイを出したきっかけは何かありましたか?
もともと、ファンの皆さんからSNSでお悩み相談を受けることが多かったのですが、どうしてもすべての相談には答えきれなくて。でも、みんな似たような悩みを抱えているなと気づいたので、この本を通して、みんなの悩みがちょっとでも解決できたらいいなと思ったことがきっかけです。
前作「ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい」は、“ガツガツ行こう!”みたいな、ちょっと強気で勇気づける内容だったのですが、今回は悩み一つひとつに寄り添って丁寧に答えていきました。
「学校へ行っておけばよかった」後悔も
――本を作るにあたって、900件もの相談が寄せられたそうですね。多くの悩みを通して気づいたことはありますか?
悩みの大きさは人それぞれ違いますけど、今の若い子たちは、“ガラスのハート”な子が多いなと感じました。脆(もろ)いというか。
私の想像ですが、私のお母さん世代が10代の頃は、きっと今の子よりパワフルだったのではないかなと思います。もちろん悩むけれど、今みたいに「病む」とか「メンヘラ」というワードがなかったから、そういうワードに引っ張られてしまうこともなかったでしょうし。「悲しい」とか「苦しい」という言葉で共有して、助け合えていたのかなと思います。
今はSNSがあるからこそ、知らない人からのいい言葉も、心無い言葉もたくさん届きますし、それに傷つく人も多いのかなと感じますね。
――相談者は繊細な方が多いのかなと思いますが、悩みに答える上で心掛けたことはありますか?
否定しすぎないことですね。私にとっては「そんなことで悩む?」と思うことも、相談してくれた人にとっては、めちゃくちゃ深刻な悩みかもしれない。でも深刻具合は、その人にしか分からない。だから、否定は絶対しないように答えました。
――本の中で「先生がウザい」という相談に対して「先生だって仕事をしているわけだから」と大人の意見も代弁していますが、いつからそう考えるようになったのでしょうか?
私は中学2年生の頃から不登校だったのですが、学校へ行っていたときはやっぱり「先生ウザい」と思っていました。でも、中学を卒業して高校生になった時に、「先生も仕事だし、仕方ないよな」と、ある時ふと思ったんですよね。
大人に反発することは悪くないし、それはそれで学生の仕事だとも思いますし、「先生がウザい」と感じるのもある意味青春かもしれないですから、いいと思うんです。
ただ、それだけを理由に学校へ行かなくなることは、もったいないというか。私自身、「もっと学校に行っておけばよかったな」と後悔している部分がちょっとあるんです。
──後悔の理由を聞いてもいいですか?
もっと給食を食べておけば良かったなって(笑)。自分は給食がすごく好きだったんだって、中学校を卒業してから気づいたんですよね。だって給食ってすごいですよね。毎日ちゃんと主食からデザートまで出ててくるんですよ!
――ひかりんちょさんに悩みを相談したい10代の方は、すごく多いと思いますが、今後もSNSや本を通しての相談を考えていますか?
悩みを抱えている人って、今はSNSに集まると思うんです。きっと、自分の居場所がない人が多いんですよね。家にも学校にもなくて、友達もあまりいない…という。だから、SNSではなく、リアルで集まれる場所があったほうがいいなと考えていて。
「ここにきたらあなたの居場所があるんだよ」っていう居場所を、私が作れたらすごくいいなと想像しています。習い事みたいな感覚で、月に数回集まれるような。
私はよく海外ドラマを見るんですけど、海外だと例えば薬物依存で悩んでいる人たちが集まれる場所があるんですよね。同じ境遇の人同士なら、お互いを否定しないで居られると思いますし…そういう場所を作りたいです。
悩んだときは「どん底まで落ちて、泣いて、おいしい物を食べる」
――最近、ひかりんちょさん自身が悩んでいることはありますか?
そもそも私がSNSを始めたきっかけは、リアルが充実していなかったからなんです。だからSNSに居場所を作ってきました。今は、リアルも充実してきて楽しくやっていますが、責任あるお仕事が増えてリアルとSNSの両立が難しいなと感じていた時期もあったんです。
でも、今回の本もそうですが「いろいろな方法で悩んでいる人の力になりたい」という思いが強く、両立に対する悩みは、気づいたら解決していました。
――悩んでどうしようもないときの、抜け出し方はありますか?
実は私、自分の悩みはあまり人に言わないんです。みんなの悩みは客観的に答えられるんですけど、自分を客観的に見ることができないんです。だからそういうときは、どん底まで落ちて、泣いて、おいしい物を食べてという“ゴールテンタイム”を過ごしますね。
落ちるところまで落ちたら、それ以上悩む必要がなくなっちゃうので、勝手に這い上がります。急に「なんでこんなことで悩んでるんだろう」「どうにかなるか」って思っちゃうんですよね。
前回出したエッセイでは、「友達がいなくても1人でいいっしょ!」みたいに強気でしたが、今回は「でも、友達いないと寂しいよね」と言っていたり、結構書いていることが違うんですよ(笑)。
今思うと、前回は私自身に言いたいことも混ざっていたのかもしれません。だから悩んだときには、前作を読み返します。「このときの自分、こんなこと言ってるんだ!」と新たな発見がありますね。
――最近、うれしかったことはありますか?
本当にちょっとしたことでも、うれしく思っちゃうんですよね。最近で言うと、今回の本を出版した日に、家族でお祝いにすき焼きを食べたことがすごくうれしくて。すき焼き好きなんです(笑)。
――今後、どんな活動に力を入れていきたいですか?
“人に伝えること”ってすごく大切だなと思っていて。伝える方法として、音楽なら比較的すぐに出せると思うので、今後は音楽でメッセージを伝えられたらいいなと思っています。
アドバイスとか勇気を伝えられるのは前回のようなポジティブな曲ですけど、みんなが共感しやすいのはネガティブな部分だと思うので、また違う感じの曲になるかもしれません。
でも私、実は言葉をまとめるのがめっちゃ苦手で…(笑)。頑張って作って届けたいですね。