8月24日(火)、大阪松竹座 十月花形歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」の制作発表が行われ、片岡愛之助、今井翼が登壇した。
この作品は、伝説の大盗賊として知られ、歌舞伎にもたびたび登場する石川五右衛門が、“実は赤毛でスペインの宣教師の血を引いていた”という奇抜な設定とスタイリッシュな演出が展開する舞台。2011年に徳島県の大塚国際美術館「システィーナ歌舞伎」で行われた初演から10年、大阪松竹座では7年ぶりの上演が決定。
愛之助が初演から引き続き石川五右衛門役を演じ、五右衛門の父・神父カルデロンと五右衛門の修行仲間であった霧隠才蔵の2役を、今井が演じる。
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愛之助は「最近見守られている感覚」について「父が他界しましたから…。毎日仏壇に手を合わせているときに、写真が何か語りかけてくれているような気分にはなります。そのときによって写真の顔が変わっているような気がして、いつもお話はさせていただきます。朝に『行ってきます』と言ったりと、今見守られている感はすごくあります」としみじみと語った。
今井は先日亡くなった、藤島メリー泰子(メリー喜多川)さんについて「ジャニーさんにはもちろん感謝していますし、メリーさんは厳しくも温かく、深い愛情を幼いころからくださった方です。僕もメリーさんの1人の息子だと自覚しています。メリーさんは幼いころから、なかなかお会いできないような方との機会をくださったり、目上の人との関わり方や礼儀作法を教えてくださいました」とコメント。
続けて、「歌舞伎とのご縁も、メリーさんは歌舞伎にも精通されていた方だったので、高校生のころに歌舞伎座に連れて行ってくださいまして、『あなたが歌舞伎を知らないことは当然だけど、歌舞伎役者の重心の持ち方だけでもいいから、ちゃんと見ていなさい』と。エンターテインメントだけでなく伝統というのを直に見せてくださったこととか。息子としては常に怒っていてほしいんですけど、僕が何かあったときは強く抱きしめてくださったこととか。僕自身が新たな活動を再開するときは、何度も『がんばりなさいよ』と見送ってくださったことなどを、僕が忘れることはないです。今回いただくお仕事もそうですし、一生懸命務めて、少しでもいいご報告が出来るようにしたいです」と明かした。
今井翼が歌舞伎の客に緊張「おっかねえな」
今井は歌舞伎の舞台に立つことについて「前回初めて歌舞伎のお芝居をさせていただきましたが、本当に怖くて…。でも、大好きな愛之助さんとお芝居ができている、日本人としてのよろこびはものすごくあります。それで、怖かったなと思ったのが、役者の方だけでなく裏方の方も歌舞伎の関係者の方々で、前を向けば当然歌舞伎のお客様がいらっしゃって。最前列に座っているお客さまが、僕が言う歌舞伎のセリフを七五調に合わせて、拍子を打っているんです。それを見たときは、皆さま目と耳が肥えていますから、『おっかねえな』と感じたのが印象深いです」と話し、会場を笑わせた。
また、「ありがたいことに、僕を応援してくださっているファンの方も歌舞伎のお客様と並んでみるということは、新しい時間をいただいています。普段から歌舞伎を見ていらっしゃるファンの方に、しっかりと応えられると言ったら、そこまでの余裕はないですが一生懸命準備をしたいと思っています」と呼びかけた。
<あらすじ>
豊臣秀吉による天下統一がなされたころ。キリスト教布教のため日本に訪れていたイスパニアの神父・カルデロンは、明智光秀の家臣の娘である石田局と運命的な出会いを果たす。2人は子宝に恵まれ、友市と名付け親子3人で幸に暮らしていていた。
しかし、秀吉が切支丹禁止令を打ち出したため、カルデロンは国外へ追放されてしまう。その後、石田局も命を落とし、天涯孤独の身となった友市。
時は流れ、友市は天下にとどろく大盗賊・石川五右衛門となっていた。
最新情報は、大阪松竹座 十月花形歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」の公式サイトまで。