市川猿之助が立ち上げた、新たな演劇プロジェクト「猿之助と愉快な仲間たち」。その第1弾公演として、9月6日(月)より京都芸術劇場 春秋座で「朗読劇 天切り松 闇がたり ~闇の花道~」が行われる。

本作は、累計150万部を突破する浅田次郎氏の人気シリーズ「天切り松 闇がたり」が原作。総勢13名のキャストが、小気味の良い江戸ことばで語る朗読劇だ。朗読劇の後には、観客が参加できるアフターイベント「猿之助と愉快な仲間たちと語りまショー」の開催も予定されている。

メインキャストの市川、尾上右近、石橋正次のコメントが届いた。

<市川猿之助 コメント>

今回、猿之助と愉快な仲間たちと題して、朗読劇を行う運びとなりました。

残念ながら、コロナ禍がもはや日常となっている今では、ただただ立ち止まるのではなく、さまざまな制約の中で、できる限りのことを模索し、やっていくしかありません。

ということで、第1回の公演として、朗読劇を上演いたします。題材は、浅田次郎先生の大人気シリーズ「天切り松」です。あの独特な文章のリズム、描かれる時代の雰囲気は、<闇がたり>とあるように、まさに言葉で紡ぎ出す音の世界にぴったりな作品であると思います。

尾上右近さん、石橋正次さんをはじめ、スーパー歌舞伎ⅡI「ワンピース」「オグリ」で共演した素敵な仲間たちと送る、浅田次郎先生の描かれた、心温まる人情の物語。現実をしばし忘れ、せめて劇場にいるひと時、妖しくもまた、不思議な世界にお遊びいただければ、幸いでございます。

<尾上右近 コメント>

以前、猿之助のお兄さんがまだ10代だった私に向かって「俺の真似をするな。孤独になるぞ」とおっしゃったことがありました。闘う男は敵を作ってでも闘わねばならないというような意味だったと受け止めています。そのときのお兄さんの姿と「天切り松」が、私の中ではどことなく重なる気がしております。

また、この作品に出てくる盗っ人たちは、悪の中にも秩序や美学があって、野暮なことはせずに生きようとする真っ直ぐな人間たちという印象です。もっとも「目細の安吉」が盗人になったのも、「さよ」が遊郭の世界に入ったのも、そうやって生きていくしかないという時代だったわけですが。だからこそ、美学を持って生きる人たちには影や哀愁があり、この作品には、とても魅力的なキャラクターが多く登場します。

今回はその中でいくつかのお役をつとめさせていただくことになりました。いずれのお役も筋の通った人間として大切につとめたいと思います。

<石橋正次 コメント>

登場人物が織りなす、見事なまでに粋な男の心情美しく悲しい作品です。純な男の心意気が消えて行く現代に光あれ。きっと最年長の私、老骨ながら粋に演じてみたいです。猿之助さん、スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」にて大変お世話になりました。又この度、愉快な仲間たちに入れていただき有りがたき幸せ。

最新情報は、「朗読劇 天切り松 闇がたり ~闇の花道~」公式サイトまで。