「三度の飯より肉が好き♡」

そんな肉への熱い思いを抱える“肉食系女子”のみなさんに送る【肉loverの感覚レシピ】。キャンプで塊肉を焼くのが一番のストレス解消法という、自身も大の“肉lover”の料理家・今井真実さんが、“だいたいの感覚”で作れる肉レシピを綴る。

【肉loverの感覚レシピ】過去のレシピはこちら!

第13回は、スペアリブと昆布を使い、“蒸し煮”感覚でできるスパイシーカレーをご紹介。スペアリブと昆布の旨味、たっぷりのにんにく、粒マスタードがスパイスとなる、まろやかかつ濃厚なカレーだ。定番に飽きたら、ぜひ挑戦してみては?

<スペアリブと昆布のカレー作り方>

子供のころ、家でカレーといえば、飴(あめ)色玉ねぎを作り、コトコトと具材を煮込み、仕上げに固形のルーを溶かすという作り方でした。

最近では、カレー文化には多様性があることが知られ、さまざまな国の独創的なレシピも入手可能。ご家庭でスパイスを上手に使う方もたくさんいらっしゃいますね。

今回、ご紹介するのは、最近よく作っているカレーです。スペアリブのお出汁と昆布でちょっと面白いんですよ。

最初は、カレーをこんな作り方をしていたら怒られるのでは、とビクビクしていたのですが、今やこんなカレーがあってもいいだろう、と自由な気持ちで作っています。

材料(4皿分)…スペアリブ300g、サラダ油大さじ1/2、玉ねぎ大1個薄切り、塩小さじ1と1/4、トマト大1個串切り、にんにく5かけすりおろし(約15g〜20g)、生姜すりおろし(10g)、昆布5cm角1枚(2cm角の一口大に切っておく)、粒マスタード大さじ1/2、赤ワイン大さじ1と1/2、カレー粉大さじ1、パプリカパウダー大さじ1/2、ココナッツミルク80ml(余ったココナッツミルクは、冷凍で1ヵ月保存可能)、水150ml、はちみつか砂糖小さじ1/2

今回、お肉はスペアリブを使います。骨からいい出汁(旨味)が出るからです。まず、お肉を骨から切り離し、ひと口大に切ります。

火の通りをよくし、食べやすくするためひと口大にカット

カレー鍋に、切ったお肉と骨、被(かぶ)るほどの水を入れます。強火で沸騰させ、ぶくぶくとアクが出たらお湯を捨て、スペアリブをぬるま湯で洗います。冷水は、脂やアクを固めてしまうので、40℃程度のぬるま湯で。

お鍋にアクが付いていたら、きれいに洗いましょう。このひと手間でお肉の臭みが戻ることなく、上品な風味に仕上がります。

水気を拭いたお鍋に、油大さじ1/2を入れます。油は、スパイスの香りを邪魔しないサラダ油、米油など無味無臭なものを使います。

玉ねぎの薄切り、塩小さじ1を入れたら火を付け、しんなりするまで中火で炒めます。飴色にならずとも、焦げ目がつく程度でいいので、ときどき混ぜ返せば大丈夫です。

にんにくと生姜のすりおろしを入れ、トマト、スペアリブ、粒マスタード大さじ1/2、カレー粉大さじ1、パプリカパウダー大さじ1/2を入れ、トマトが煮崩れ、全体に水気がなくなるまで混ぜながら炒めます。

煮崩れた玉ねぎがとろみの元になるので、つぶすようにヘラで押しつけましょう。

赤ワインを加え沸騰したら、ココナッツミルク、お水、ハサミで切った昆布を入れます。さらに沸騰したら、ひと混ぜし蓋をして、弱火で1時間煮ます。

1時間後、味見をして薄いようであれば、塩小さじ1/4を足してください。最後に、お砂糖やはちみつを小さじ1/2ほど入れて混ぜると、まろやかで角が取れた味になります。

1時間後の鍋の様子。まろやかかつスパイシーな香りが立ち上がる

蒸し煮のようでありながら、スパイスが効いたこのカレー。特徴は、香ばしさを引き出すたっぷりのにんにくと、ほのかな酸味を加える粒マスタード、そして唐辛子のような風味を付けるパプリカパウダー。全体を引き締める仕事をしてくれます。

パプリカパウダーに辛さはなく、このカレーの辛みは、カレー粉のみ。我が家の13歳は普通に、6歳はルーは少なめならおいしく食べられるようです。より辛めがお好みなら、最後にチリパウダーやカイエンペッパーを振るといいでしょう。

今井真実(いまい・まみ)
料理家。神戸市生まれ。三度の飯より肉が好き。雑誌、web媒体、広告などでのレシピ作成、スタイリングも担当。東京都世田谷区でソーセージなどの料理教室を不定期で開催。noteで発表したカルボナーラのレシピも大きな話題に。キャンプで塊肉を焼くのが一番のストレス解消法。Twitter:@imaimamigohan

写真/今井裕治