8月19日(木)、舞台「フォーティンブラス」の取材会が行われ、A.B.C-Zの戸塚祥太、能條愛未、矢島舞美、内博貴、演出の中屋敷法仁が登壇した。
主人公・フォーティンブラス役に戸塚、そして対立するハムレット役を内が演じ、これまでに「半神」、「サクラパパオー」、「露出狂」、「奇子」、「黒子のバスケ」、「文豪ストレイドッグス」シリーズなど、話題作の演出を数々手掛けてきた中屋敷が演出を務める。
公演初日を迎え、引き締まった表情で戸塚は「僕が演じる役は、脇役とはいえ舞台やお芝居への愛情をしっかり持っていて、それ故に歪(ゆが)んだ部分もあるという複雑な役どころ。こういった時期にみんなで稽古を乗り越えて、小さな奇跡の連続で今日、初日を迎えられたので、何かを信じて観にきてくださるお客さんに元気、勇気、笑顔を届けられるように、チームで最後まで小さい奇跡を重ねていきたいと思っています」と挨拶。
能條は「バラエティタレントということで、最初はみんなに比べてお芝居に対しての熱量は少ないんですけど、周りのみんなのひたむきな姿に感化されて、段々女優に目覚めていく役です」、矢島は「私は劇場に住みついた主というか、おばさんなんですけど(笑)。亡霊の和春さん(吉田智則)を待ち続けていて。次に会ったらこの世から退場させようと心に決めて待っているいう、難しいけど、とてもやりがいの役で、いつも楽しいです」と役どころを紹介した。
ラストの内は「僕の役はむちゃくちゃです。こういう役を僕なりに振り切って、やらせていただいております。とっつー(戸塚)も言っていましたけど、来てくださったお客さんには、(マスクの下で)思い切り『ギャハハ』と笑っていただけたら良いなと思います」と括った。
戸塚と内は、同い年でプライベートでも「気心知れた仲」
同い年で、ジャニーズ以外の舞台での共演は初めてだという戸塚と内。「気心知れた仲」だという2人、共演について内は「昔、ご飯とかにもよく行っていて、プライベートでも『いつか外部(ジャニーズ以外)の舞台がやれたら良いね』という話はしてたんです」と明かすと、戸塚は「それはよく話していて。でもなかなかそういう機会ってないじゃないですか。『一回あればラッキーだな』くらいに思ってたら、まさにこのお話をいただいたので」と喜んだ。
続けて、「しかもスイッチが入る内を一番の特等席で観られるっていう。客席で内を観る機会はたくさんあったんですけど、今回は同じ板の上なので。やっぱ内って圧倒的主役感があるんですよね」と絶賛。即座に、内が「やめろやめろ、ハードル上がる」と止めようとするも、「圧倒的主役感で、ハムレットにしか見えない」と戸塚はいじり続け、内は「やめろ!やめてくれ。終わってからにしてくれ」とタジタジになっていた。
戸塚は「内ってボヤいたりするんですけど、ちゃんとやるんですよね。だから俺すごく好きなんですよね」と気持ちを伝え、「今回も“内の感じ”で、僕も楽しかったです。これからもその日々が重ねられるので、より楽しみです」と笑顔を見せていた。
内博貴「とっつーを観てると、錦(織)さんに見えてきたり…」
一方、内は「僕もとっつーの作品はよく観ていたので、こうやって一緒にやれると思ってなかったです。稽古場からお芝居を間近で見て、ずっと笑ってました。なんですかね、錦さん(錦織一清)のイズムを継いでいるなと感じながら、とっつーを観てると錦さんに見えてきたりとかというのは多々ありました(笑)」と告白。
また、内が錦織から贈られた楽屋のれんを使っていることが明かされると、「『錦織一清より』とは書かれているんですけど、僕の名前は書かれていないんです。錦さんらしいでしょ?」と会場の笑いを誘った。戸塚が楽屋のれんについて聞かれると「僕はシアターコクーンさんからお借りしました。(演じる)武年は、脇役なので楽屋のれんとか持ってない」と微笑んだ。
<ストーリー>
名作「ハムレット」が華やかに上演されている、とある古ぼけた劇場。その楽屋で、売れない役者・羽沢武年(戸塚)が、上演中だというのにヒマしている。彼の役は、ノルウェーの若き王子、フォーティンブラス。役名は勇ましいが、最初の出番は、芝居が始まって約2時間15分後。それもただ舞台を通り過ぎるだけ。二番目の出番は全ての物語が決着を見た後。のこのこ登場し、最後のまとめをするだけの、いわば「刺身のツマ」。
その上ハムレット役の大スター(内)は、横暴で、陰険で、勝手に芝居を変えるわ、若い女優に手を出そうとするわとタチの悪いことこの上ない。武年ばかりでなく、オズリック役で恵子の恋人である岸川和馬(納屋健)や、オフィーリアに抜擢されたバラエティタレント刈谷ひろみ(能條愛未)さえも、そんな大スターに嫌気が差し、楽屋には一触即発の不穏な空気が流れている。
そんなある夜、芝居のはねた劇場に、突然不気味な亡霊(吉田智則)が姿を現す。亡霊は、自らを「フォーティンブラスの父」だと名乗り、そして武年に向かって言った。「我が息子フォーティンブラスよ。さあ、今こそその汚れ亡き高潔な血を熱くたぎらせ剣を抜け。そしてその剣に、ハムレットへの復讐を誓うのだ」。その言葉にとまどいながらも武年は、亡霊にハムレットへの、そして大スターへの復讐を誓うのだった。
最新情報は、舞台「フォーティンブラス」公式サイトまで。