今、SNSで話題になっている新聞少年の投稿をご存知だろうか?
<配達してたら手紙貰った。もう朝から感動した>
投稿には、“頑張れ、新聞少年!!”と書かれた手紙が添えられており、約50万もの「いいね」がついている。実はこれは、宮城県の小さな町で新聞配達をする高校生に寄せた、配達先の91歳のおばあちゃんからの手紙である。
10月21日(水)、フジテレビ『ノンストップ!』にてふたりをインタビューした模様が放送された。
宮城県の北部に位置する栗原市。ここで新聞配達のアルバイトをしている高校2年生の太陽(たいよう)くん。毎日5時起きで6種類の新聞を70軒ほどに配達している。
そんな中、一軒のお宅でいつもとは違う光景が。「いつも通り新聞配達をしていて、新聞を届けようと思ったらポストに手紙が貼ってあって。横にいたおばあちゃんから『家に帰ったら読んでね』と言われて」(太陽くん)
その手紙には、こう書かれていた。
【早朝の新聞配達 ご苦労様です。実は今朝、朝日新聞ではなく河北新報が配達されました。50年以上、朝日を愛読していますが、他紙を読むのもいいかなと思い店には連絡しませんでした。(中略)他紙を読み、朝日では読めないローカルニュース…親近感がありました。あなたは高校何年生かな?(中略)私は91歳の老女。あなたが届けて下さる新聞を読むのが日課のひとつです。僅かですが図書券を同封しましたので役立てください。ご両親様をお大事に】
太陽くんは、帰宅してからこの手紙を読み「間違えたのに優しく対応してくれて…」と感動してツイッターに投稿したという。すると「思いのほか伸びてしまって」と語った。
手紙を送ったのは、配達先の三浦美智子さん(91歳)。「少年を傷つけたくないんです。店に言ったら誤配だからね、なにかある(怒られる)かなとは思ったんです」と振り返った。
翌日、太陽くんは謝罪とお礼の手紙を書き、近所で買ったハンカチを同封して新聞と一緒に三浦さん宅のポストへ。
【おはようございます。この度、新聞を誤配してしまい大変申し訳ございませんでした。(中略)新聞配達を始めた時は辛くて辞めたいと思ったことが何度もありました。ですが貴方のような人達がいるからこそ、私は新聞配達を続けられるんだと思いました。これからもよろしくお願いいたします。新聞少年 太陽より】
三浦さんはインタビューで「まさかこの少年からね、手紙をもらうとは思わなかったです。今時こういう風に手書きで書いてよこすなんてね。丸文字のかわいい字でね、感動しました。91になってこんな嬉しいことはないね」と語り、同封されていたハンカチを見せて「グリーン系…この色好きなんです。もったいなくて汚れた手は拭けませんね」とほほ笑んだ。
さらに翌日、三浦さんは太陽くんに手紙を送った。
【太陽君…すばらしいお名前ですね。宇宙にひとつしかない太陽 そしてお日様(中略)今日は老婆の私に光りをそそいで下さってありがとうございます(中略)(私は)栗駒山の雄姿、町の中央を流れる迫川、四季折々の風景を眺めながら“七転び八起き”の人生を過ごし終着駅も間近です。年の差は大きいですが、今日も楽しく過ごしましょう】
そして、そこには“温めて食べて下さい”と肉まんとあんまんが添えられていたという。
太陽くんは「泣きましたね。感動して」と振り返った。アルバイト先の新聞販売店の店主もSNSの広がりで誤配に気付いていたものの、とがめることはしなかったという。
三浦さんは太陽くんについて「ちゃんと挨拶もしてくれるし、なんていうかな…私から見れば、めんこいひ孫ですね」と目を細め、太陽くんも「今回の件で他にも頑張れって言ってくれる人もいたので、それが励みになって頑張れるという感じです。(高校)卒業まで頑張っていこうかなって思ってます」と語った。
『ノンストップ!』の放送後はSNS上でも「朝から泣いた」「朝からいい話を聞いた」「私も人を大切にできる人間でありたい」「新聞少年がんばれ」など、熱いコメントが続々と投稿された。