8月12日(木)、映画「ドライブ・マイ・カー」のプレミア上映イベントが行われ、西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか、濱口竜介監督が登壇した。
本作は、村上春樹の同名短編小説を映像化したもので、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて日本映画として初となる脚本賞を受賞。また、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も受賞し、4冠受賞という偉業を達成した。
さらには、第46回トロント国際映画祭、第69回サン・セバスチャン国際映画祭、第59回ニューヨーク映画祭への正式出品も決定するなど、日本公開を前に世界から大きな注目を集めている。
本イベントでは、カンヌ国際映画祭後初のキャスト陣と監督が集結し、受賞についての喜び、これから映画が公開されることへの期待を語った。
カンヌで見事4冠を獲得した一報を日本で受けたときの感想を聞かれると、岡田は「うれしかったですよ!本当にうれしくて、初めて西島さんにメールを送りました!」と西島と二人で喜びを分かち合っていたと明かし、会場が和やかな笑いに包まれた。
西島は、「濱口監督は本当にすごい監督だと思っていましたが、世界でも認められて、これからもっともっと名作を作っていくすごい監督になるのだと思っています」と監督に称賛の言葉を送った。
脚本賞を受賞した感想を聞かれた濱口監督は、「脚本というものは当然映画には映っていないものなので、役者さんの演技を通じて感じていただけるもの。役者さんの演技が素晴らしいものでなければいただけなかったと思っています。作品を観ていただいた方には同意いただけると思います」と、役者陣のすばらしさを称えた。
「今の時代にこそ観ていただきたい作品」西島秀俊
また、カンヌに参加した三浦は「初めて大きいスクリーンで見ることができてよかった」とコメント。霧島は「海外のみなさまの反応を見てきました。これから日本のみなさまにも早く観ていただきたい」とカンヌでのエピソードを語り、みんなで喜びを分かち合った。
村上春樹の短編小説を映画化するにあたり、キャスティングのポイントについて聞かれた濱口監督は「村上春樹さんの原作を映画化するというチャレンジングなことで、中でもキャスティングが特に重要だと感じていました。映画の中で膨らんだキャラクターもいますが、村上春樹さんの物語から与えてもらった一番大きなものはキャラクターだった。登場人物たちと精神的な類似がある方をずっと探していて、今回本当に素晴らしいキャスティングができました」と、役者陣の内面をみてキャスティングしたと語った。
一方、主人公・家福を演じる上で意識していた事を聞かれた西島は、「本の中では主人公は心の中の言葉を語っていて、それが読者にも本当のこととして伝わっていますが、映画では同じようには心の中は語れない。でも主人公は感情を豊かに持っているので、濱口監督や共演者のみなさんと何度も脚本を読んだり、いろいろな作業を行うことでたくさんの感情を中に詰めて本番に臨めました」と役作りのエピソードを披露した。
最後に、濱口監督は「本当に観る価値のあるものが映っている作品なのでそれを観にぜひ劇場に足を運んでいただきたい」と本作をアピール。
西島は「今の時代にこそ観ていただきたい作品です。身近な人とコミュニケーションを取るきっかけになる作品になれたらうれしい」とこれから本作を観る人へのメッセージを送り、大勢の拍手に包まれイベントは幕を閉じた。
<イベントの様子は動画でも!>
<「ドライブ・マイ・カー」あらすじ>
物語の主人公は、俳優であり演出家の家福(西島秀俊)。愛する妻(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく――。
映画「ドライブ・マイ・カー」は8月20日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
©2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
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