井ノ原快彦と道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)が親子を演じることで話題の映画「461個のおべんとう」が11月6日(金)より、公開される。

本作は、ヒップホップバンド「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美のエッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」を原作に実写映画化されたもの。シングルファーザーの主人公・一樹(井ノ原)が15歳の息子・虹輝(道枝)のために高校3年間、休まずお弁当を作ることで絆を強めていく物語だ。

親子の絆だけでなく、一樹がバンド「Ten 4 The Suns」に所属しているため、音楽あり、虹輝を中心とした学園ドラマもあり、さまざまな心温まる人間ドラマが詰まった作品になっている。

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フジテレビュー!!では、「Ten 4 The Suns」のMC・古市栄太役を演じたKREVAと、DJ・河上利也役を演じたやついいちろうにインタビュー。前編・後編でお届けする。

前編では、撮影時のエピソードや劇中で長年ともに活動するメンバーを演じた井ノ原の印象などを聞いた。

<KREVA・やついいちろう インタビュー>

完成披露試写会の直前に行われた今回の取材。衣装は、好きなおかずをモチーフで、やついは白身魚のフライが胸ポケットに、KREVAは全身でピーマンを表現している

──今回、劇中では主演の井ノ原さんを含め、3人で「Ten 4 The Suns」というバンドを組んでいました。3人でのお芝居はいかがでしたか?

KREVA:めちゃくちゃ楽しかった。もう、ずっとしゃべっていて。

やつい:本当ですよね。

KREVA:しゃべり倒して、温まった状態で(ライブシーンを撮影する)ステージに出ていって、ステージでもしゃべって。集まってくれていたエキストラの皆さんは、僕らのことも曲も、初めて見て、聴いたはずなのに、本当のライブのような雰囲気でとても盛り上がったんです。ステージからはけた時に、「俺ら、人気あるな~」って言いましたからね(笑)。

やつい:20年活動しているバンドなので、本当だったら、もうちょっと仲が悪いんじゃないかなとも思うけど(笑)。でも、1回活動休止をしていて…。

KREVA:裏設定?

やつい:僕の勝手な想像なんだけど(笑)。休止していて、再始動したっていう時の、そのテンションがあって。「俺ら、やっぱり仲いいよね」っていう感じは出てたじゃないですか。

KREVA:分かる!

──井ノ原さんも、原作者の渡辺俊美さんから、「仲良すぎ」と言われたそうです。

やつい:休止してたバンドがまた集まって、「楽しいことばっかりだよね」っていう時期なので、あの仲の良さ、間違ってないと思います(笑)。俊美さんが所属する「TOKYO No.1 SOUL SET」も活動休止期間ありましたから!

KREVA:確かに(笑)。

やつい:勝手にSOUL SETの歴史を考えて、「今、これぐらい仲いいんじゃないか」って役作りをしていたというね(笑)。

──皆さんは、それぞれがV6、KICK THE CAN CREW、エレキコミックと長くグループやコンビの活動をされていますが、役柄に生かせたものはありますか?

やつい:構成的には、KICK THE CAN CREWはピッタリですよね。

KREVA:そうですね。3人だし、活動を休止したこともありましたから。再開後の楽しい感じっていうのも、すごく分かります。ただ、自分の経験が生かせたとか、そういうことではなく…とにかく2人がずっとしゃべっていてくれるので、俺もしゃべって。その雰囲気が、Ten 4 The Sunsのライブシーンもそうですが、インタビュー取材を受けるシーンに出ているんですよ。

やつい:楽屋トークの延長っていう感じだったよね(笑)。

──取材を受けているシーンは、本当に自然でした。

KREVA:試写を見た時に、「俺たち良かったな」っていう話になりましたから(笑)。

やつい:あれだけ自然なのに、ちゃんとセリフを言ってるんだよね。そこが偉くないですか(笑)?

一同:(爆笑)

やつい:アドリブじゃないっていう。

──素晴らしいです!

KREVA・やつい:ありがとうございます(笑)。

KREVA:俺、一番思い出に残ってるシーン…やっつんが首を痛めてしまったまま、現場に来た日があって。

やつい:そうそう!前の仕事で、甲冑だかなんだったか、めちゃくちゃ重いものを身に付ける機会に恵まれまして(笑)。

KREVA:ライブ会場に車で到着して、機材を運び入れるシーンの撮影日だったのですが、やっつんが演じる河上が「首が痛いから重いものが運べない」っていう設定になったんです!

──あのシーンは、河上のおふざけかと思っていましたが、リアルだったんですね。

KREVA:そうなんですよ!兼重淳監督がね、「それ使いましょう」と言って設定に反映されて。そのおおらかな感じがすごく印象的でした。

やつい:台本では、僕も運ぶ予定だったんです。あのシーン、やりとりがめちゃくちゃ長かったですよね。

KREVA:長かった(笑)。

やつい:あれこそ、楽屋での会話の延長みたいな感じで。

──マネージャー・徳永役の野間口徹さんを含めて、4人の会話のテンポがすごくよかったです。

やつい:徳永さんもずっと一緒にいる人ですからね。その感じを出すために、撮影の合間はずっと、イノッチと3人で、野間口さんをいじってました(笑)。

KREVA:いじってましたね(笑)。

やつい:僕が、野間口さんのWikipediaを読み上げていくっていう。

KREVA:そうそう!

やつい:そういう楽屋の遊びが流行ったんですよ。

KREVA:「どこのドッグランに行ってるんですか?」とか聞いたりね(笑)。

やつい:「(Wikipediaに書かれている)このエピソードは本当ですか?」とか。そんなことやっていたから、野間口さんが「こんなにいじられる現場は久しぶりだな」と言ってました(笑)。

KREVA:やっつんがすごくいじるから、俺は横から「そうだ!そうだ!」って加勢して。

やつい:僕、野間口さんとは昔から知り合いなんです。一緒にコントをやったりしていましたから。だから、僕の中ではお笑いの人っていうイメージがちょっとあって。

KREVA:仲間っていう感じなんですね。

やつい:そう。今はもう、名バイプレイヤーですけど。いやぁ、野間口さんは全然“お笑いの人”ではなく、役者さんでしたね(笑)。

──本当にすごく楽しそうな現場ですね。

KREVA:楽しかった~。

やつい:KREVAさんって、常に話題を持ってますよね。「最近どうですか?」っていうアイドリングトークがないというか。

KREVA:最初からトークの本題に入りますよね。たしか、あの時は…「台風って、1個1個名前あるの知ってます?」みたいな(笑)。

やつい:そうそう!普通、「暑いですね」とか、「最近暇ですよね」とか、なんとなくの会話から始めるじゃないですか。でも、KREVAさんは最初からテーマトークなんですよ。

KREVA:ノーアイドリングだよ(笑)。

やつい:スパッと話題を1個提示してくれるんで、話しやすかったですね。

KREVA:提示すると、皆さん引き出しが多いから、次から次に話題が膨らんでいくんですよ。もうそうなると話が止まらなくなっちゃって。

やつい:KREVAさんは、放送作家的なところがあるんだなと思いましたよ。さすが!リリックを書いているからね!

KREVA:あざっす(笑)。

やつい:こうやって、キック(KICK THE CAN CREW)の曲も作ってたのかなと思いましたよ(笑)。

KREVA:遠くないですね(笑)。この作品の現場は、スタッフさんがみんなですごくいい雰囲気にしてくれて、怒号が飛ぶっていうことがまったくなくて、しつこいけど、本当に楽しかったな。

やつい:兼重監督も友達みたいな感じで。映画を観ていただけると全体に流れている優しい雰囲気を感じてもらえるかと思うのですが、あれは兼重監督が持っている雰囲気によるものだなと思います。

KREVA:本当そう。そこに、イノッチのあの人の良さですから。すごく優しい映画になってしますよね。いやぁ、イノッチは、本当にすごい人だなと思いますよ。

やつい:急にどうしたんですか(笑)。

KREVA:いや、イノッチって本当にテレビで見るあのまんまなんです。でも、やっていることを考えると…『NHK紅白歌合戦』(NHK)に出て、いろんな番組で司会をやって、CMを何社も引き受けて。

やつい:何よりも、僕の憧れの番組『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)の司会をやっていることが大きいですよ(笑)。

KREVA:何を差し置いてもね(笑)。それでも、自然体でいられるって、すごいなと思うんです。

やつい:初めて会った日に、「家、泊めてもいいな」と思いました。

KREVA:それ!いい例えしますね!

やつい:なかなか言えなくないですか?どんなに話が盛り上がっても、さすがに家に泊めるのは嫌じゃないですか。でも、イノッチだったら、泊めてもいいかなと思う。気づいたら懐のギリギリに入り込まれている感じなんですよね。スーッと。

KREVA:上手だな、表現(感心)。俺も、泊めちゃうもん。(井ノ原が)「泊っていく」って言ったら。「子どもいるけどいい?」と言って。

やつい:それくらい自然体で、素敵な人ですね。

インタビュー後編では、劇中で組んでいたバンド「Ten 4 The Suns」のライブシーンのエピソードや、2人のお弁当にまつわる思い出を語ってもらった。

映画「461個のおべんとう」は、11月6日(金)全国公開。

最新情報は、映画「461個のおべんとう」公式サイトまで。

撮影:今井裕治
ヘアメイク:結城藍(KREVA)、大沢香織(やついいちろう)
スタイリスト:藤本大輔(tas/KREVA)、久保薗郁美(やついいちろう※スーツ:Nobuyuki Matsui/帽子、靴:スタイリスト私物)