8月12日(木)、DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」の初日開幕直前取材会が行われ、黒木華、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、堤真一が登壇した。
本作は、イギリス・スコットランドの作家、ジェームス・マシュー・バリーが20世紀初頭に書いた世界的名作「ピーターパン」。今回は、その小説版をロンドンで注目の若手作家であり演出家でもあるエラ・ヒクソンが新たにウェンディの視点から翻案。
2013年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの新作公演として上演。セリフに加えダンスやフライング、小道具、美術、映像などを駆使し“フィジカルシアター”のスタイルと、スペクタクルとマジカル満載の美しい舞台が話題となり、2015年にはウエストエンドでの再演も果たした。
日本では初演となる本作で、ウェンディ役を黒木、ピーターパン役を中島が演じ、堤はフック船長とミスター・ダーリングの二役に挑戦する。
フォトセッションが始まると、記者の人数はいるものの、今回はオフィシャルカメラマンだけの撮影ということで、堤は「(カメラ)1台だけ?」と驚いたリアクション。ムービーの撮影では、3人で手を振るだけでなく、体を揺らすなど仲の良い雰囲気を見せていた。
初日を明日に控え、黒木は「やっと皆さんに見ていただけるんだなと、感慨深く思います」、中島は「全然実感が湧かなかったんですけど、こうやってことが進んでいくと、いよいよ明日が初日なんだなと。個人的にはカンパニーの皆さんに、8月10日の誕生日を祝っていただけたのがうれしかったです」、堤は「本当にコロナ禍で大変な中で、それでもなんとか漕ぎ着けて。まだまだ心配な部分はあるんですけど、今の時点で素晴らしい作品ができているので、より多くの方に観ていただきたいと思います」とそれぞれに挨拶した。
稽古中のエピソードを尋ねられると、黒木は「みんな、年齢が近いこともあって和気あいあいとしてましたね」と明かすも、堤に「何かありましたかね?」と答えを委ねる。すると、最年長の堤は「僕は端っこにいました」とぼやいた。そんな堤に、中島は「そんなわけないじゃないですか、いつも話題の中心ですよ!」と即座にツッコむなど、息の合った掛け合いをみせた。
続けて、堤は「本作は、ジョナサンというイギリス人の演出家のもと、稽古場では自由にやりたいことをやっていい環境だったので、役者さんたちのコミュニケーションがよく取れていたと思います」と答えた。
本作が初共演となる黒木と中島。お互いの印象について中島は「黒木さんが持っている要素が、まさにウェンディだなと思いました。セリフにもある『かわいくて静かな顔』っていうのもそのままだし、どこか勇敢でたくましいところやちょっぴりお茶目でユーモアがあるところがぴったしでした」と語った。
一方、黒木は「どんどんとっつきやすくなるというか、だんだん仲良くなれていけているなと感じます。身体能力がすごく高くて、ピーターパンの身軽さやヤンチャさを兼ね備えているので、私も役に合ってるなと思います」とコメントした。
また、配役が決まった時の心境について、中島は「ビックリしました。まさか誰もが知っている、ピーターパンの役をやらせてもらえるなんて、思ってもみなかったので。Hey! Say! JUMPの中にいると、割と子ども扱いされるので(笑)。そういった部分は、合っているかなと思いますけど」と笑顔。
続けて、「28歳にもなって、ピーターパンを無邪気に演じられるかなという不安もありました。稽古をしていく中で、いろいろな人とコミュニケーションをとって、よく見たり、話を聞いたりする中で、自分の感情が動いた部分をピーターパンに生かせたら」と思いを伝えた。
黒木は「私はジョナサンと、また仕事ができることがすごくうれしくて、ずっと楽しみにしてました。稽古場が本当に楽しくて、すごくクリエイティブなので。私は31歳なんですけど、いろいろな人から出てくる、子どもの無邪気さや想像力、成長していく姿をひとつひとつ逃さないように感じるということを心掛けていましたね」と明かした。
劇中で披露される、フライングについて、中島は「飛びます。また違った景色で、歴史ある劇場でフライング出来るということと、アイドル活動より『長く飛んでいるな』って感じがします。グループ活動では、1曲のなかでちょっと飛んだりしますけど、ずっと飛んでますね」と微笑んだ。
同じくフライングに挑む黒木は「飛んでますよ。本当に技術さんがすごくて、スタッフさんがやってくださってます。私は吊られるだけなので」と恐縮した。
<ストーリー>
1908年のロンドン。ダーリング家の子ども部屋では、ウェンディ(黒木)、ジョン(平埜生成)、マイケル(前原滉)、そして体の弱いトム(下川恭平)は、戦争ごっこをしながら飛び回っていた。そこへ両親のミスター&ミセス・ダーリン(堤、石田ひかり)が入ってくる。家族が揃った姿は幸せそのもの。
その晩、熱を出したトムを医者に診てもらうも、診立てあまりよくない。やがて、みんなが寝静まった遅い時間に、子ども部屋の窓からピーターパン(中島)がやってきて、トムを連れ去っていく…。
舞台写真 撮影:細野晋司
取材会写真 撮影:引地信彦
DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」は、8月13日(金)から9月5日(日)まで東京・Bunkamura オーチャードホールで上演。
最新情報は、DISCOVER WORLD THEATRE vol.11「ウェンディ&ピーターパン」の公式サイトまで。