8月6日(金)の『NONSTOP!』では、フジテレビの「東京五輪 情報スペシャルキャスター」の小倉智昭と共に、残りわずかとなった東京オリンピックの注目ポイントを紹介した。
8月7日(土)と8日(日)に実施される主な競技は下記の通り。大会前から「野球」に注目していた千秋は、7日に行われる野球の決勝戦で「金メダルを見たい!」と期待を寄せた。
小倉が紹介したのは、8日に行われる男子マラソンの大迫傑選手だ。小倉曰く「佐久長聖高校(長野)から早稲田へ進み、エリート街道まっしぐら」だった大迫選手は、トラック種目の3000mと5000mの日本記録保持者。7月29日にTwitterで、「8月8日のマラソンを現役選手としてのラストレースにします」と発表した。
番組では、大迫選手の著書「決戦前のランニングノート」の出版のためのインタビュー映像を入手、彼のラストレースまでの軌跡を振り返った。
2020年3月の東京マラソンで日本記録を更新(2時間5分29秒)し、東京オリンピックのマラソン日本代表に決定した大迫選手。今年1月には“マラソンの聖地”と言われるケニアのイテンに練習の拠点を移し、高地トレーニングに挑んだ。
1日に30km以上走ることも多かったというが、その根本には「疲れたから距離を減らす、ではない。(そこで距離を減らしていたら、本番でも)記録が狙えそうなのに、状態が悪いからやめるの?ということになる」というストイックな考え方がある。
ケニアに練習の拠点を移した理由は「ノイズキャンセリング」の意味もあったそうだ。「日本では情報をもらわないように心がけていても絶対もらってしまう」という状況だったが、必要最低限の情報しか入ってこないケニアでは、余計なことを考える必要がなく、練習に集中できるようになったという。
オリンピックの開催が危ぶまれる中でも、「東京に向けて、この7年間全力で走り続けてきた過去の記憶と成長は消えない」とオリンピック直前までケニアで過ごすつもりだった大迫選手だが、新型コロナウイルスの影響でナイロビがロックダウンされ、家族のいるアメリカに帰ることを決意。その移動中も、練習は欠かさなかった。
そして、家族の待つポートランドでは、2人の娘にサプライズを仕掛けて久々の再会を演出。しかし、すぐにアリゾナのフラッグスタッフで練習を再開することに。
家族と離れての暮らしを「寂しい気持ちしかないでしょ」と言いきりつつ、「陸上だけを考えて」高地トレーニングを続けた大迫選手。「オリンピックを最高の舞台にするために、100%を注ぎ込んできた」と、これまでの日々を振り返る。
引退を表明した理由を「次があるという言い訳を強制的になくしたくて」と語る大迫選手は、そのお陰で「(この大会で)自分の持てる全ての力が出しきれる」と感じているという。
「マラソンを始めてまだ5年。もうちょっと頑張ってほしい」と言っていた小倉は、大迫選手の言葉を受けて「退路を絶って(レースに)臨む気持ちは、ほかの人と違う。期待をしていいんじゃないか?」と笑顔に。
番組に出演した馬淵優佳も「コロナの影響で選手のプランは大きく変わった。その中で活躍しているのは、素晴らしいと思う」とエールを送った。