8月5日(木)より東京・帝国劇場で上演されているミュージカル「王家の紋章」公開稽古が8月4日(水)と8月6日(金)に同劇場で行われ、実力派キャストが熱演を披露した。
本作は45年間にわたり、連載されている少女漫画の金字塔的作品が原作。古代エジプトにタイムスリップした少女と、古代エジプト王との時空を超えた愛をドラマチックに描いたもので、世界初のミュージカル化となった2016年の初演チケットは即日完売。半年後には異例のスピードで再演され、大きな話題を集めたミュージカルだ。
メインとなる役柄は実力派俳優がWキャストで演じており、エジプトの若き王・メンフィスを浦井健治と海宝直人、現代のアメリカ人少女・キャロルを神田沙也加と木下晴香、ヒッタイトの王子・イズミルを平方元基と大貫勇輔、メンフィスの姉・アイシスを朝夏まなとと新妻聖子が演じている。
さらに、イズミルの部下・ルカを前山剛久と岡宮来夢、キャロルの警護役・ウナスを大隅勇太と前山剛久が演じるほか、エジプトの宰相・イムホテップには日本ミュージカル界の重鎮・山口祐一郎がシングルキャストで扮している。
物語は、エジプトで大好きな考古学を学んでいる16歳のキャロルが、とあるピラミッドの発掘に参加。そこは、古代エジプトの少年王・メンフィスの墓で、突如、アイシスという謎の美女が現れる。
実はアイシスは古代エジプトの神殿祭司で、メンフィスの異母姉。メンフィスの墓を暴いた者への祟りを起こすため、現代に蘇ったのだ。彼女の呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップ。
エジプト人にはありえない金髪碧眼に白い肌、そして、考古学の知識と現代の知恵をもつキャロルを、古代エジプトの人たちは“ナイルの娘”と呼び、崇めるようになっていく。
そんなキャロルにメンフィスは想いを寄せ、強引にアプローチ。メンフィスに反発しながらもキャロルは若く美しい王に惹かれる。しかし、2人の前にキャロルを奪おうとする隣国の王子・イズミルが現れ、妨害を企てる。
フジテレビュー‼は6日(金)に行われた海宝、木下、大貫、朝夏らの公開稽古に参加した。
まず、目を惹いたのはメンフィスに扮した海宝の存在。その佇まいは絢爛な衣装に負けることなく、自信と気品に満ちあふれ、他者を寄せ付けない強い輝きを放っている。
そして、現代から古代エジプトへタイムスリップし、メンフィスと恋に落ちるキャロル役の木下。大作ミュージカルのヒロインとして、異例のスピードでステップアップしている彼女は、その華奢なルックスからは想像できない情熱的な演技を披露した。
そんな海宝&木下が歌唱するナンバーはときにせつなく、ときに壮大で、観る者を瞬時に古代エジプトの世界へいざなう。
さらに、朝夏は本作におけるヴィラン的存在ながら、立ち振る舞いの美しさと圧倒的存在感でアイシスを魅力的に演じ、大貫は包容力ある芝居で、イズミルの野望、孤独を巧みに表現した。
人気コミックやゲームを原作とした作品を生身の人間が演じ、“2.5次元作品”としてブームになり数年――「王家の紋章」は2.5次元を超えた歴史大作として、原作同様に長く愛され続けるミュージカルとなることだろう。
最新情報は、ミュージカル「王家の紋章」公式サイトまで。
4日に行われた浦井、神田、新妻らの公開稽古の様子はフォトギャラリーで。