「霧のむこうのふしぎな町」や「地下室からのふしぎな旅」など、長年にわたり愛され続けるベストセラー群を世に送り出した柏葉幸子作・小説「岬のマヨイガ」(講談社刊)のアニメ映画化&2021年公開が決定した。

本作は「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」(※)の一環として制作される。

※フジテレビがパートナー各社(アニプレックス、イオンエンターテイメントなど)と共に取り組むアニメプロジェクトの名称。 東日本大震災から10年の節目となる2021年に、岩手県、宮城県、福島県をそれぞれ舞台とするアニメ作品を届けることで、多くの方にその舞台となる地を訪れてもらい、創生の息吹、自然の美しさ、文化の深さ、食の豊かさなどの地域の魅力に触れてもらうきっかけになるように、との願いを込めて、立ち上げた。

監督は、「のんのんびより」「サクラダリセット」の川面真也、脚本は、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「若おかみは小学生!」の吉田玲子、制作は、『ジョジョの奇妙な冒険』『はたらく細胞』のdavid production、ナレーションは、物語の舞台となる岩手県出身の久慈暁子(フジテレビアナウンサー)が担当する。

居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、“訪れた人をもてなす家”という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。

血のつながりがない新しい家族たちとの、不思議だけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ”でいま始まる――。

また、ティザービジュアル、ティザーPVも解禁となった。

<ティザービジュアル>

<ティザーPV>

<柏葉幸子(原作)コメント>

東日本大震災から十年がたとうとしています。あの恐ろしさ、悲しさ、辛さを、被災されたみなさんには、はやく忘れて欲しいと願い、忘れてはいけないと自分に言い聞かせるという日々だったと思います。

被災地といえば三陸でしたのに、この十年の間に、日本中に被災地と呼ばれる地があり、今はコロナ禍です。心の中に明るい思いが欲しいです。

遠野物語のマヨイガは、山で道に迷った人をマヨイガが幸せにするというお話です。本家のマヨイガのように、『岬のマヨイガ』も、出会った人を幸せにしてくれるはずです。

明るい幸せな思いで心が満たされる。そんな素敵なアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。狐崎のマヨイガに会いに行ってください。

<川面真也(監督)コメント>

おいしいごはんと、隣にいる人の笑顔。いい香りのお茶と、楽しい会話。家族という言葉に縛られない、あたたかなつながり。

「岬のマヨイガ」はその心地よさを必要とする人たちが出会う家です。疲弊した心に弾力をつけて、自立へと踏み出す場所です。

ぜひ劇場で柔らかな風景と音楽に包まれて、彼女たちと一緒にマヨイガへと足を踏み入れてみてください。

<吉田玲子(脚本)コメント>

今に迷い、未来に迷い、過去にも迷いを残しながら、人は生きているのかもしれません。原作を拝読し、そんなことを考えました。

迷いながらも、ここから始めたい…ここに戻ってきたいと思える、家のような作品になればと思っております。

<久慈暁子 コメント>

鮮やかな緑の中の大きな茅葺き屋根の家。土間に靴を脱ぎ捨て、畳の上で寝そべる少女に、岩手出身である自分の姿を重ねました。まるで草の香りや川のせせらぎまで聞こえてくるようです。

様々な伝説が生活の中に溶け込み、私たちをやさしく包み込んでくれる岩手の自然を舞台にした作品のPVナレーションを担当させていただき、とてもうれしく思っています。