8月7日(土)より、伊野尾慧主演、そのバディを神宮寺勇太が務めるフジテレビ系オトナの土ドラ『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』が放送される。

本作は、東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ・第三弾。Season1を、東海テレビで放送後(全8話)、Season2を、WOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで10月10日(日)23時~放送・配信予定。

『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』の記事はこちら!

本作は、完全記憶力という“異能”を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾)と、人の嘘がわかるようになってしまったが故に“孤独”を抱える大学生・深町尚哉(神宮寺)が、さまざまな怪異事件の謎解きを通じて、人とつながることの大切さを描いたヒューマンミステリー。

すでに、追加キャストとして、高槻研究室に所属する大学院生・生方瑠衣子役に岡田結実、尚哉の同級生・難波要一役に須賀健太、高槻の幼馴染で刑事・佐々倉健司役に吉沢悠ほかが発表されている。

今回は、クランクインの様子や、現場で見せる伊野尾・神宮寺・岡田の“ある一面”をレポートする。

撮影の合い間もセリフの暗唱…細かく役柄を固めていく伊野尾

本作のクランクインは、5月、都内の書店で行われた。紺色の3ピーススーツを着て、英国紳士のような気品を放ちながら現れた伊野尾。対照的に、どこにでもいる大学生のような地味な服装と雰囲気で、猫背気味に歩いてきた神宮寺。

スタッフ全員に拍手で迎えられた伊野尾と神宮寺は、マスクをしたまま静かにリハーサルを始めた。ファーストシーンは、高槻(伊野尾)の幼馴染・佐々倉の実家「佐々倉古書店」の2階で、高槻と尚哉(神宮寺)が“コックリさん”をするという場面。

机の上に広げた“コックリさんの紙”の上に十円玉を置き、向かい合って座る。それぞれが十円玉に人差し指を置いて、監督が理想とする十円玉の軌道を気にしつつ、セリフを言うだけでも難しいのに、そこに伊野尾は、民俗学の専門家として“コックリさんの解説をする”という要素が加わる。

准教授らしく、専門用語を含むセリフをよどみなく言うために、伊野尾は撮影の合い間も、すでに頭の中に入っているセリフの暗唱を繰り返していた。

印象的だったのが、細かなニュアンスの芝居のあと、モニターまで歩み寄りチェックをしながら監督と話す伊野尾の姿。自らの芝居が映像で“どう見えるのか”確認しながら、疑問に思う部分はその都度、監督に質問をして、細かく役柄を固めていく。“紳士”なだけじゃない、“真摯”な伊野尾を見た瞬間だった。

神宮寺の呼び名は「じんさん」→「じんじん」で定着

一方、この場面で尚哉を演じる神宮寺は、高槻の問いに対する「はい」「いえ…」などの短いセリフ、もしくは無言のリアクションがほとんど。セリフの量こそ違いはあるが、こちらの演技も相当難しい。

もともと尚哉は、人と距離を置きたいタイプ。加えて、高槻と尚哉は出会って間もない、そこまで親しくない関係。そんな2人がひとつの十円玉に手を置いて“コックリさん”をするという、ある種の戸惑いや緊張感を、神宮寺は目の動きや顔の表情で絶妙に表現していく。その繊細な演技は、かなり引き込まれるものがあった。

ドラマの現場では、俳優陣を現場に呼び込む場合、その俳優の名前ではなく役の名前で呼ぶことが多い。例えば「伊野尾さん」ではなく「(高槻)先生」のように。しかし、本作での神宮寺は「じんじん」と呼ばれている。

もともとは「じんさん」と呼ばれていたが、誰かが「じんじん」と呼んだときに「『じんじん』って呼ばれたことがないから、その呼び名がいい」と、神宮寺が喜んだため定着したという。

愛称で呼ばれるほど現場のみんなに愛されている神宮寺。その理由は、演技以外で見せる“天然っぷり”にあるようで…それらの証言は、今後リリースされるレギュラー陣や各話ゲストによるインタビュー内で明かされる。

撮影現場での伊野尾は、ドラマ出演が3年ぶりとなる神宮寺を気にかけ、何度も話しかけていた。神宮寺は、膨大なセリフ量と初座長という大役に、真摯な態度で向き合う伊野尾に尊敬の眼差しを送っているように見えた。対照的な2人だからこそできあがる特別なバディ感が、今から楽しみだ。

岡田が配る“飴ちゃん”に和む伊野尾&神宮寺

岡田は、埼玉県内のスタジオに作られた、高槻の研究室でクランクイン。第1話で、尚哉が初めて研究室を訪ねてきて、瑠衣子と“衝撃の初対面”というシーンからのスタートとなった。岡田演じる瑠衣子は、高槻研究室に所属する大学院生で、研究一筋のため普段はボサボサ頭にダボっとした服だが、塾バイトの時だけキレイめに変身するというギャップ萌え女子。

この日の瑠衣子は、研究室仕様に加え“ある場所”に寝ているという設定のため、寝癖までついた姿で現場に登場。伊野尾や神宮寺、スタッフの前で挨拶をし、拍手を持って迎えられた。

リハーサルで、実年齢より4つ上の瑠衣子という役を、大人の雰囲気で演じてみせた岡田。ところが、監督からは「瑠衣子は、寝起きでもパッと動ける元気キャラ」と逆の要望が。急遽、演技プランの方向修正を求められたものの、勘のいい岡田は、監督の意図を瞬時に理解。そこから、岡田演じる瑠衣子の表情がよりイキイキと輝きだした。

撮影後、初日の感想を岡田に聞くと「現場に入ってから役の方向性を変えたのは、今回が初めてでした。今までは準備していたキャラクター像でクランクインのあと、すぐに役を固められたんですが、今日は現場で全部1回崩して、改めて積み木みたいに積み上げるという作業をしたので、結構ハラハラしたし、ずっと緊張していましたね。でも、もっと奔放にハジケていいんだと課題が見つかったので今後が楽しみです!」と声を弾ませた。

撮影現場での岡田は、瑠衣子同様元気キャラ。共演者はもちろんスタッフとも気軽に笑顔で話し、現場を明るくしてくれる。しかし、岡田が周囲に配っていたのは、元気や笑顔、楽しい話題だけではなかった。あるロケ先での岡田は、撮影の合い間に自分が持参していたのど飴を「食べます?」と伊野尾や神宮寺らにも声をかけ、配っていたのだ。大阪出身の岡田らしく、“飴ちゃん”というツールを使って、みんなの喉の調子にも心を配る、気配り上手な一面を見た気がした。

<第1話あらすじ>

過去の怪異体験から人の嘘が歪んで聞こえるようになってしまった大学生・深町尚哉(神宮寺勇太)が、何となく受講した民俗学の講義で出会ったのは、完全記憶力を持ち、怪異現象にしか興味のない准教授・高槻彰良(伊野尾慧)。

変わり者だが言葉に嘘がない高槻に、尚哉は興味を持つ。そんな中、近所の小学校のとあるクラスで「コックリさん」を巡る怪異事件が起きる。

担任の平原まりか(志田未来)と副校長の真鍋和夫(温水洋一)が困り果てる中、尚哉はなぜか高槻と助手の生方瑠衣子(岡田結実)と共にその謎を追うことに…。