毎週火曜21時~フジテレビ系で放送中の中島健人と小芝風花がW主演を務めるドラマ『彼女はキレイだった』。さえない太っちょの少年からイケメンの“最恐毒舌”エリートになった長谷部宗介(中島)と、優等生の美少女から残念女子になった佐藤愛(小芝)という真逆の成長を遂げた2人の“すれ違う初恋”の行方を描くラブ・ストーリー。

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そんな2人を軸に、四角関係の恋が動き始める。愛の身代わりとして宗介に会っているうちに彼を好きになってしまった愛の親友・桐山梨沙(佐久間由衣)と、愛に惹かれていく「ザ・モスト」編集部員・樋口拓也。

樋口は、編集部のムードメーカーで、愛に“ジャクソン”というあだ名をつけてイジったり、失敗ばかりしている愛を助けたりする頼もしい存在。また、宗介と愛、梨沙の関係を知るキーパーソンでもある。

そんな樋口を演じるのは、昨年放送された主演ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』でブレークした赤楚衛二だ。

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「役作りには下地を作っておくのが大事」だという赤楚は、樋口の役柄をつかむために「日頃からおもしろいものを探して、日常を色鮮やかにする」ことを心がけているとか。そんな赤楚に、役柄について、中島や小芝との共演、自身の初恋やモテ期の恋愛などを聞いた。

<赤楚衛二 インタビュー>

原作ドラマを見て“おちゃらけキャラ”に役作りを変更

──ここまで樋口拓也を演じてみていかがですか?

演じてみて思うのは、樋口は、日常を色鮮やかにするために、日頃からおもしろいもの、楽しいことを見つけて、それを楽しんでいる人ということ。そして、人の気持ちに寄り添うことができる人ということです。端から見たらちょっと変わっているように見えるかもしれないけれど、僕としてはピュアで誠実な男だと思います。

ただ、自然体というよりは、おちゃらけている方が多いですね。ジャクソンの佐藤愛ちゃんに対してちょっかいを出したり、編集部のメンバーにも、こういういたずらを仕掛けたらどんな反応をしてくれるんだろうなどと、ワクワクしながらやっているので、道化に近い役柄かなと思っています。

──樋口を演じる際に、原作の韓国ドラマから刺激を受けたことはありますか?

最初は、原作ドラマを見ない方がいいと思っていたのですが、監督と僕の解釈が違うと良くないと思いまして、やっぱり見た方がいいと思い直しました。見たら、やっぱり原作のキャラクターからすごいヒントを得ることができました。

僕自身、1、2話の台本を読んだ時点では、樋口が日常をおもしろがっている人だということがあまり見えてこなかったんです。どちらかというと、ひょうひょうとした印象で。でも、本読みの段階で、求められているものと違うな、と。

僕がイメージしていたのは、落ち着いた樋口という方向でしたが、いざフタを開けてみたら、めちゃくちゃ元気な人で。それで、ギアを入れ直しました。普段からベラベラしゃべるようにもなりました(笑)。

普段から樋口モード。その理由は…

──普段から常に樋口でいるのですか?

普段から体に馴染ませておかないと、お芝居でスイッチがパンっと入るほど器用ではないので。だから、普段から元気でいます。

それと、日常で楽しむことを心がけています。帰り道はいつもと違う道を通って帰ってみようとか、お風呂の入り方や歯磨きの仕方を変えてみるとか。そうすることによってアイデアがすごく増えて、その下地作りが現場に立った時に出てくるものだと思うんです。

生もうと思って生まれてくるものではないので、いかに下地を作っておくかが大事ですから、そういう準備はしっかりするようにしています。

──それは、だれかに教えてもらったのですか?

僕自身、私生活を削って役のことを考えないと追いつかないというスタンスでやってきました。そこからの発見なのかもしれません。

ハートが熱く、泥臭さもある中島健人は「男が惚れる男」

──樋口は、愛がすごく頼りにしているキャラクターです。小芝さんとの共演は3回目ですが、今作での小芝さんとのやりとりはいかがですか?

ご本人は、ラブコメディをやられたことがないとおっしゃっていましたが、めちゃめちゃラブコメがお似合いだなと感じています。コメディエンヌとしてはもちろん、すごく繊細なお芝居をされているので、愛というキャラクターがより魅力的ですよね。

僕自身も役としても、一緒に楽しくお芝居をさせていただいています。

──赤楚さんから見て、佐藤愛という女性はチャーミングですか?

とてもチャーミングです。就職活動で50社も落ちているという悲しみを知っているから何でも前向きですし、何よりも一生懸命がんばっている姿は素敵ですね。

それに、「こういうことをやったら引かれるだろうな」ということも、受け入れてくれるので(笑)、そこも魅力だと思います。樋口が愛を好きになってしまう気持ちは、とてもよくわかります。

──中島健人さんとは初共演ですが、いかがですか?

もう最高ですね。最近、“けんちゃん”と呼べるようになったんですけど、そうなってからの距離がすごく縮まって、本当に仲良くさせていただいています。共通点も多くて、ピアノをやっていたとか、ZARDが好きとか、同じカードゲームにハマっているとか。同い年で誕生日も約2週間違い。もしかしたら、運命の相手かもしれないって思うくらいです。

人としても、挫折や苦悩を経験しているからこそのストイックさや輝きは、男が惚れる男だなと思います。見た目はキレイでセクシーですが、ハートは泥臭くて、本当に熱い人なんだと思います。

僕も、20歳で上京してきたものの、1年間事務所には入れず、オーディションに落ちるのが続いて、先の見えない真っ暗な状態の時もありました。そういう部分で共感しますね。

だから、今こうしてお仕事をさせていただけることがすごく幸せだなと思います。『かのきれ』も、素敵なキャストやスタッフのみなさん、素晴らしい脚本なので、こんなに幸せでいいのか、いつか大きな不幸が来るんじゃないかという不安を感じています(笑)。

モテ期は中3から高校生時代

──ところで、『かのきれ』は初恋がテーマですが、赤楚さんの初恋を教えてください。

小学校5年生の時にクラスに転校してきた子で、ちょっと気になるけどなかなか仲良くなれないという感じだったんです。そんなある雪の日に一緒の帰り道で、僕が5mくらい先を歩いていたら、後ろから雪を投げられて。振り向いたらいたずらっぽく笑っていたんです。それが、最初のフォーリンラブです(笑)。

その後、ちょっと仲良くなりつつも、6年生でクラスが変わって、そんなにしゃべらなくなってそのままです。そして、僕が中学校で転校したので会うこともなく…。

──宗介は、初恋の思い出を心の支えにして、イケメンエリートになりましたが、男性にとって初恋はそのくらいの力があるのですか?

宗介の気持ちはすごくよくわかりますね。それこそ僕は、好きという気持ちもわからないまま、好きだったと気づいたのは後からだったんです。だから、「なんだ、このもどかしさは」という気持ちを感じながら過ごしていて。

気づいた時には遅かったので、それからはもう絶対に後悔しないように、ちゃんと好きな人には好きと伝えようと決めました。

──成功率は?

多くはないのですが、学生の頃、告白して振られたことはなくて、付き合っていて振られたことは1回ありました、高校生のころ。中学3年生から高校生時代は、ずっとモテ期でした(笑)。中学3年生で引っ越したのですが、学年中の女の子が「あの転校生、だれ?」って休み時間に見に来てくれていました。チョコレートもいっぱいもらいましたね。

ただ、中3のころは恋愛にそこまで興味がなくて、男友達とバカやってる方が楽しい時期だったので、そこで距離の置き方を覚えたり…。

感覚で生きる子だったが、力では負けて泣き虫だった子供時代

──宗介は、太っちょで冴えない子供でしたが、赤楚さんはどういう子供でしたか?

小学生の頃は、動物的な子でした。たぶん感覚で生きていたんだろうなっていうくらい。考えたり、自分と向き合ったりすることもなく、ただ感情、感覚のまま生きているような子でした(笑)。

小学生だからケンカしたり、ぶつかったりもするんですけど、しょっちゅう泣いていた、泣き虫でした。僕は、3月生まれなんですけど、子供の頃は1年違うと体格も全然違うんですよね。当時はそれに気づかなかったから、力では毎回負けていましたね。

──最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

3、4、5話くらいから、物語の展開が一気に速くなります。宗介と愛の2人だけでなく、樋口や梨沙もギュッと濃く絡んでくるので、ここからの人間模様というのは、楽しかったり苦しかったり、恋愛ならではのおもしろい要素がたくさんあるので、ぜひ見ていただきたいですね。

樋口も後半戦に向けて“ジャクソンLOVE”という気持ちはどんどん芽生えていくので、どうやって宗介と対峙するのか、愛にどうアプローチするのか、かつ梨沙と宗介の関係も知っているので、どう立ち回るのかなど、楽しみにいていただけるとうれしいです。