視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。

7月20日(火)の放送回では、障害馬術選手の広田思乃に密着した。

東京五輪正式種目の1つでもある「障害馬術」は、コース内の障害物をとび越えながらゴールを目指し、タイムと倒した障害物の数によって勝敗が決まる。五輪競技では唯一、男女が一緒に競う「馬術」競技。

2018年に彼女は、34歳で全日本選手権を制覇すると、翌年には、アジア人女性で初めて、ワールドカップ決勝に進出する快挙も達成した。

ともに出場したのは、競技馬では珍しいマダラ模様の馬・ブチ君。彼女の夫、龍馬さんは馬術でシドニー五輪にも出場した現役のトップ選手。夫婦揃っての東京五輪出場を目指し、予選に出場するため馬をドイツに預けていたが、コロナで開催が延期。その維持費が年間1000万円もかかるため、馬を日本に戻し、予選を断念した。

五輪選手の夫と愛馬とともにコロナに翻弄された1年から再スタートを切る、障害馬術選手・広田思乃の7つのルールとは?

ルール①:練習は1頭30分まで

広田が日々練習を行っているのは、栃木県にある「那須トレーニングファーム」。初心者向けの乗馬体験も行っている乗馬クラブで、広田夫婦が運営している。国内トップ選手の彼女だが、午前中は、厩舎にいる約40頭の世話に追われる。

午後1時過ぎに低いバーを跳ぶ練習が始まるも、わずか30分で終了。そこには、馬に負担をかけないように、短時間の練習で集中させるという理由があった。

夫の龍馬さんは「馬の集中力も子どもと同じでそんなに長く続きませんから、ダラダラやると嫌気がさしちゃう」と、馬の気持ちをくんだ。

ルール②:馬に新しい名前をつける

この日、那須トレーニングファームにまた1頭、家族が増えた。この、ハイペリオンKGは、昨年ジュニア障害馬術大会で日本一になった息子・大和君のための馬であり、大和君が名付け親。

彼女はファームに馬を受け入れる際に、新しく名前をつける。馬の世界ではオーナーが変わっても、名前が変わることは滅多にない。馬車を引いたり、乗馬学校の練習場など海外で様々な経験をしてきたある馬には、「今まで以上に幸せな人生を送れるように」と、ライフ・イズ・ビューティフル(ブチ君)と名付けた。

するとともに出場した2019年のワールドカップで、アジア人女性初の決勝進出に導くなど、ブチ君は彼女の人生をも輝かせた。

ルール③:週に3回は馬の授業をする

彼女は競技者とは別に、週に3日、地元の小学生たちに馬の授業をしている。思い通りにはいかない動物と触れ合うことでコミュニケーション能力を養うのが目的で、彼女が那須塩原市に提案し、プログラムに採用された。

高校時代に馬と出会った彼女は、その癒やし効果を学ぼうと福祉大学に進学し、社会福祉士の資格も取った。「子どもたちは悩んでたり、大変なこともいっぱいある。私では解決できないようなことも、馬なら何かできるんじゃないかなと思って」と馬が持つ力を信じている。

ルール④:息子の部屋は厩舎の2階

もともと乗馬の師匠であり、現在は「夫であり、師匠でもある」7歳年上のオリンピアンの夫。そしてジュニア日本一の息子というアスリート一家である広田家。大和君は中学生になって、馬たちが生活する厩舎の2階に自分の部屋をもらった。

そこには「学校から帰ってきて夜でも馬と関われるように」という母の思いがあり、大和君は「一緒にいればいるほど仲良くなりますし、いられるならずっと馬と一緒にいたいですね」と答えた。

スタジオでは師弟での結婚の話になり、「旦那様やりましたね。尊敬と愛が成就して」(YOU)、「やりましたよね、思乃さんかわいいもん」(本谷有希子)とコメント。本谷が「長濱ねるに近づいてくる男が多そう」と振ると、長濱は「ちょっと喋ったり優しくされると『ハッ』ってときめいたりしてしまいます」と素直に明かした。

ピュアな長濱に、青木が「人を判断する機能はないの?」と質問すると、YOUが「たぶんぶっ壊れてますね。今、遅れて大人になっている最中なので、もう少々お待ちください」と長濱に代わって答え、笑わせた。

ルール⑤:大事な大会の前には青いネイルをする

ワールドカップの予選前、最後の休日に彼女が向かったのは、ネイルサロン。国体や全日本選手権の前には、青いネイルにしているという。

青については「馬術の競技って1位から6位まで馬がリボンもらえるんですけど、その1位のリボンの色が青なので、なるべくその青に近づきたいので」と、願掛けの思いが込められていた。

ルール⑥:馬に「1・2・3!ハイ‼」の掛け声をかける

6月に、那須トレーニングファームで開催されたのは「グランドホースショー」。ワールドカップ出場枠を争う予選リーグの1戦に指定されている重要な大会で彼女は、ブチ君と挑んだ。

この日、夫も出場する種目「大障害」は、コースや障害物の位置が、スタート直前に発表される。騎手は15分下見をするが、馬は本番のみのため、障害までの歩数や跳ぶタイミングなどは、その場での指示になる。その際、彼女は「1・2・3…」と声に出し数えることで、タイミングを測るという。

この日の競技では、ブチ君が見事にパーフェクトを達成し、勝者の証であるブルーリボンが与えられた。

スタジオでは、「ノーミスでいったね」(本谷)、「すごいね」(YOU)、「ブチ君の思乃さんの思いに答えようという思いが伝わって、グッときました」(長濱)と、ブチ君を称賛した。

ルール⑦:五輪の夢は息子に託す

コロナの影響により、諦めることになった広田家の東京五輪。しかし、家族には次なる目標があった。「もしいつか大和が五輪に出たいとか、目指すために海外に行きたいとなったら全力で応援したい」と期待を込める。

当の大和君も「自分も出てみたいなって思う。でも今のレベルでは、まだまだだなと思います」と、未来を見据えていた。

スタジオの本谷は大和君について「あれは完全に継ぐでしょう」と予想し、「うちの娘も小説に興味持たないかなと誘導してるんだけど、『嫌、パン屋さんになる』とか言ってさ…」とうらやんだ

自分が語学ができないため、息子を海外に留学させたかったというYOUは「いつでも海外に行けるんだから、いつでも言ってね」と言いすぎて、「僕は行かないです」と断られたエピソードを披露。これを受け、本谷は子どものいる青木崇高に「慎重に誘導したほうがいい」とアドバイスを送った。

※記事内、敬称略。

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7月27日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、名古屋で創業し、愛知県を中心に日本全国に60店舗以上、海外にも展開する居酒屋「世界の山ちゃん」代表取締役・山本久美に密着。5年前、カリスマ経営者だった夫の急逝で、専業主婦から約1000人の社員・アルバイトを率いる代表取締役に。

伝統を守りながらも、異色の経歴から生まれる新たなチャレンジで、夫が遺した会社を発展させる彼女の7つのルールとは。