11月11日(水)、映画「泣く子はいねぇが」の公開直前舞台挨拶付き特別上映会が行われ、主演の仲野太賀をはじめ、吉岡里帆、寛一郎、そして本作のメガホンをとった佐藤快磨監督が登壇した。

映画は、秋田県・男鹿半島の伝統文化「男鹿のナマハゲ」を通じ、“父親としての責任”、“人としての運徳”を見出し、大人になること、親になることから逃げ出した主人公(仲野)が、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿が描かれる。

本作で大人になれない青年、たすく役を演じた中野は「脚本を読んだ時に『なんて素晴らしい脚本だ』と思いまして、監督が、人間に関する愛おしさとか、滑稽に見えるかもしれないけど、それすらも愛おしく書ける…。深い眼差しみたいなものを感じて、その上でユーモアもある、そんな風に人間を描ける作家さんて稀有だなと思った」と監督の脚本を絶賛。

さらに「なによりラストシーンが強烈で、こんな強烈なラストシーンをとにかく演じてみたいと思った。僕もものすごく、たすくに共感して、この脚本だったら、今の僕ができる最大限の等身大といいますか、それを遺憾なく発揮できるなという自信があって、臨ませていただきました。出来上がったものを見たときに正直『自信作だな』って思いましたし、佐藤監督のおかげですけども(少し言葉を考え)とても大切な作品になりました」と内なる思いを明かした。

また、自身初となる母親役を演じた吉岡は「母親になったことがないので、ゼロからスタートするという感覚がすごくあって。『母親になるってこんなに大変で、苦しいことなんだな』っていうのを役を通して体現していくのと、赤ちゃんがいたので、『この子を守らなきゃ』って撮影中、赤ちゃんのことはずっと考えていました」と演じた役について振り返った。

そして主人公の親友役を演じた寛一郎は、MCから「仲野との関係の築き方」について問われると「撮影に入る前に会ったことはあるけど、話したことはなかったので、撮影前に1度食事に行って話しました。(撮影地の)男鹿に入ってからはホテルに温泉があったので、毎日一緒に入ってました。僕が撮影のない日でも、太賀くんの撮影後に一緒に入りにいく。変な話じゃないですよ(笑)」と仲良しエピソードを披露。

さらに「本当いつも一緒に風呂に入りながら、次の日の芝居の献立を立てるんですよ、2人で裸のまま台詞合わせてみたりとか。で、次の日監督に(そのプランを提案するも)静かにちゃぶ台返しされるというか(笑)。そういうのを繰り返しながら生まれた、友情関係というか決断力みたいなものはありましたけどね」と嬉しそうに明かした。

そのときの様子について、仲野は「毎晩毎晩、風呂場で『最優秀“男鹿デミー賞”受賞だよね』って言ってたよね」と振り返り、寛一郎は「『獲った、獲った』と言って、次の日ボロボロになって、また風呂入りに行くっていう…」と2人だけの思い出話に花を咲かせた。

映画「泣く子はいねぇが」は、11月20日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー。

最新情報は、映画「泣く子はいねぇが」公式サイトまで。

©️2020「泣く子はいねぇが」製作委員会