視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。

7月6日(火)の放送回では、弁当店「アホウドリ」の代表・大石真理子に密着した。

東京・池袋の隣にある要町で、築70年の一軒家で営業しているアホウドリ。多い日には200食以上の注文が入る繁盛店で、看板メニューの、具沢山の丸わっぱ弁当は「バランスが最高」「開けたときにテンションが上がる」と大評判。

前職は広告の制作会社で働いており、弁当を注文する側だったが、2011年、未経験の飲食業界に飛び込んだ。食の分野で拡大し続ける、「アホウドリ」の代表・大石真理子の7つのルールとは。

ルール①:弁当箱をワンルームと考える

4年前、築70年の古民家で弁当店を開いた彼女。この日は、8時から175個の弁当を配達時間の10時までに仕上げるスケジュールだ。定番の「アホウドリの丸わっぱ弁当」をはじめ「牛肉のしぐれ煮弁当」や「鰆の西京漬弁当」が人気で、メニューは全7種類。

「アホウドリ」のお弁当には区切りはなく、「箱の中を1つの空間に例え、部屋を家具で仕切っていく発想で」、おかずを重なり合わせるように詰める。その際に、隣り合うことでお互いが“美味しい調味料”になるようにと、バランスを調整しているという。

ルール②:弁当には1品カレー味を入れる

弁当のおかずは、家庭でなかなか作れないものを入れることをモットーに、10種類以上と、多彩さが特徴。その中には「カレーが嫌いな人っていない」ということから、カレー味のおかずを必ず一品はいれるようにしている。

女性が喜ぶ見た目と、男性がホッとするような味付けを目指す彼女の弁当。この日も男性客から「味付けがすごくうまい」と、うれしい感想をもらった。

スタジオでは、前回の放送で「トマトが苦手」だと明らかになった野田クリスタルが、「次こそ挽回しよう」とこの収録に臨んだものの、「カレーが食えないんですよ」とまたしても偏食を発動。大石の「カレーはみんな好きですから」の言葉に、思わず「足が震えた」と笑わせた。

お弁当の試食になると、「うまい!」(青木崇高)、「おいしい」(長濱ねる)、「食べた感が絶対にある」(YOU)、と声を上げる中、野田は揚げた梅干しを口にし「なんだこれ、めちゃめちゃ美味い」と喜んだ。

青木が尾崎世界観に「(苦手な)椎茸、どうぞ」と微笑みかけると、「とんでもなく好き嫌いの多いメンバー」と野田がポツリ。また、尾崎から、カレー以外に苦手なものを聞かれると野田は、小声で「(弁当に入っていた)ニンジンが苦手…」と漏らした。

ルール③:スタッフはパラレルワーカーを雇う

1986年、大阪生まれの彼女は、大学卒業後に東京で広告制作会社に入社。2011年の東日本大震災が起きたとき、クライアントに「お悔やみの広告を出しましょう」という営業電話をかけることになった。すると、クライアントから丁寧に「広告を出すんじゃなくて、食料や足りないものを被災地に送らなければならない」と断られたことで、自分の仕事に疑問を抱き退社。

その後、大阪で母の料理を食べながら1ヵ月を過ごすと、その「ご飯の力」でやる気が満ち溢れ、飲食業界へと足を踏み込んだという。その後、東京でカフェの店長を経て、2017年に「アホウドリ」をオープン。

今では、東京・中目黒にあるCGデザイン会社の社員食堂も運営しており、スタッフも11名に増えた。スタッフはアクセサリー作家やお菓子作家など他のスキルウを持った人を採用。それについて彼女は「他に屋号を持つ人や大事なものを持つ人を雇う」と話した。

そこには、以前一緒に働いていた人が副業しており、仕事に対しての熱量の差が生まれ、急に職場を去ってしまったという経緯が…。そういった失敗を繰り返さないよう「今のメンバーがどんな活動をしていて、それを尊重できる組織づくりをしたい」というマインドになったという。

スタジオでは、バンドを組んでいる尾崎にYOUが「長く活動してきたバンドメンバーが辞めるって言い出したらどうする?」と聞くと、尾崎は「もう何人も辞めていて、10人以上離れていってるので…」と答えた。

そういった状況の中、「接し方ややり方に変更があったか」と聞かれると、「あまり変えられないですね。今のメンバーは、そこにちゃんと付いてきてくれるというか。(それでも)メンバーに辞められたり、キレられたりする夢はよく見ます」と明かした。

ルール④:映画はエンドロールまで観る

自宅に帰り息子との食事を終えると、映画を観ながら晩酌。「エンドロールを含め、最後まで観る」という彼女は、「どんな小さい役割であれ、必ず名前を入れるところが映画の良いところだなと思って」と思いを明かした。「アホウドリ」でもスタッフがいるから成り立っていることを再認識し、「そういうことを忘れないでおこうと思いますね」と心に誓った。

スタジオでは、長濱が「エンドロールを観ながら仲間のことを思い出すって、結構すごいな」と感心するも、尾崎は「CDのブックレットには『この人何もしてないけどな…』って人が載ってたりしますけどね」と毒づいた。

“舌好調”な様子の尾崎に、野田は「食事以外にも好き嫌いあるんですね」とツッコミ、YOUは「食事なんて序の口です」とかぶせた。

ルール⑤:新メニューは1回絵に描く

「アホウドリ」で、彼女が描いていたのは、テイクアウト用の新メニューのイラスト。絵に描くことで自分の中で完璧にイメージを作り、そこから包材や色を考えると上手くいくという。複数人にイメージを共有するときにも「ビジュアルがあると早い」と利点を述べた。

ルール⑥:開店時間にオリジナル社歌をかける

午前11時、お店をオープンすると、店内にオリジナルの社歌「アホウドリーム」が流れた。友人の歌手に「アホウドリ」のイメージを伝えて出来上がった曲で、大石も演奏で参加した。

さらに、友人の漫画家による要町と「アホウドリ」を舞台にした漫画があったり、のれんには別の友人が考えてくれた「あ」のロゴがあったりと、多くの人が関わっている。

「関わってくれる人が多ければ多いほど、お店を辞められなくなる」と、自らを奮い立たせているという。

ルール⑦:地域No.1のバイト先を目指す

この日彼女は、新たに通信販売を始めるため、惣菜などの商品撮影を行なっていた。ロケ弁に始まり社食、次々と新たな活動へ手を広げる彼女が目指すのは、誰ひとり辞めず、バイトでもずっと続けられる居場所づくり。

「どうして自分から人が離れて行っちゃったのかと考えたとき、その人にとって魅力がない仕事に(私が)してしまったんだなって。やっぱ面白ければ続けていけるよなって。『なんかあそこで働いている人たち素敵だな』って思われる。そのためにはバイト先としていい待遇とか、もっとその料理で売り上げを作れないかなってずっと考えてる」と真っ直ぐな目で、言葉を伝えた。

これについて、スタジオでは「真心や気持ちで繋がっているというのは、素晴らしいことだと思います」(青木)、「自分のところにいる人たちに対して、思いやりを持っているところを見習いたいですね」(尾崎)と、それぞれに敬意を示した。

※記事内、敬称略。

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