12月1日(火)、KinKi Kidsの堂本光一が作・構成・演出・主演を務める「Endless SHOCK-Eternal-」の製作発表記者会見が行われ、光一のほか、上田竜也(KAT-TUN)、越岡裕貴・松崎祐介(ふぉ~ゆ~)、梅田彩佳、前田美波里が出席した。

光一が帝国劇場史上最年少となる21歳で主演した本作。今年から作・構成・演出にクレジットされての公演となったが、2月28日以降3月いっぱいまでの帝国劇場公演が新型コロナウイルスの影響により中止された。

しかし、光一らはInstagramでパフォーマンスやトークを発信し続けるなど、絆の強さを見せつけた。

そんな功績が認められた光一は、「第四十五回 菊田一夫演劇大賞」を受賞。その前後から、ニューノーマルな状況下で新たな「SHOCK」を構想し始め、9月、10月に大阪・梅田芸術劇場にてスピンオフ作品となる「Endless SHOCK -Eternal-」を発表し、好評を博した。

そして、2021年2月、3月、大阪公演に引き続き、帝劇でもスピンオフの上演が決定。会見で光一らが同作への意気込みを語ったほか、「Endless SHOCK」本編が2月1日(月)から2週間限定で全国ロードショーされることに併せて明らかに。この日の光一の発言をほぼ全文でリポートする。

<堂本光一 あいさつ>

今、見ていただいた映像の最後に「全国ロードショー決定」という文字が出たことが気になると思うんですけど、大阪公演の時に来年の話が出ました。世の中がどうなっているのか先のことは見えませんが、おそらくまた本編のほうは上演できないだろうと考えています。

何かできることがないのかと考えた時に、スピンオフだけをやるのではなく、それプラスアルファがあれば、自分的にもワクワクするのではないかと。本編の映像を映画館で観て、同時期に帝国劇場へ行けばスピンオフも観られる形にしたら、スピンオフを初めて観る方にとっても、見やすいものになるのではないかと考えました。

そのお話を東宝さんにしたところ、ご協力をいただけたのでそういった形をとらせていただきます。

今までも「SHOCK」シリーズは、ストーリーを変えながらやってきました。なのに、「Eternalを、これまでの上演回数にカウントしないのはおかしいのではないか」という意見もあり、じゃあ、入れますかということになりました。

まだまだ油断できない世の中だと思います。その都度、その時、何ができるかを考えたうえで、エンターテインメントをやっていかなければいけないと感じております。

1月になった時に、いろんなことが少しでも落ち着いていたらいいなと思うのですが、大阪公演をやって、荒んだ時こそエンターテインメントにすがりたい方もいらっしゃるんだろうなという気がしました。

何より、お客様がその場を成功させようとしてくれた思いを、ステージに立って感じました。私としては感謝ですし、東京公演でもまた素晴らしい空間になればいいなと。その時にできることを全力でやらせていただければと思っております。

<質疑応答 リポート>

──この1年間の「SHOCK」との関わりについての思いを聞かせてください。

光一:長くやらせていただいてる中で、「SHOCK」を通していろんなことを経験してきましたが、今年の状況というのは「SHOCK」だけの問題ではなく世界中の問題。最初に公演中止の判断が下った時、新型コロナウイルスというのはまだ得体の知れない物という状況だったんです。

他の劇場が再開する、じゃあ、僕たちも再開するのかという話し合いに僕も参加させていただいて、この演目を再開するのは難しいのではないかというお話を僕からさせていただきました。

その後、実際に中止となりましたが、お客様が入っていない状態であればやれることもあるのではないかと、配信をやらせていただきました。

先ほど見ていただいた映像でもわかるように、お客様が入っていたら撮れないようなアングルのものもたくさんあります。その時から、映画にして上映することを考えていたのかというと、考えてはいません。僕の老後の楽しみにしようと思っていました(笑)。

上田は素晴らしいお芝居をしてくれて、他の皆さんも真剣に「SHOCK」へ向き合ってくださったので、素晴らしい撮影ができたと思っています。自分としては意外と悩むことなく、Eternalというものが作れました。

それは皆さんの力をお借りしながら役を掘り下げて構成することができたので、生まれたものだと感じております。

誤解のないように伝えていただきたいのですが、もしかしたら、本編の公演はもうできないかもしれないという覚悟のもと、Eternalを作ったつもりです。そんな思いで、2021年もステージに立てれば。

中断してしまった帝劇での悔しさを同じキャストで迎えられることは喜びですし、上田に関しては来年すごく忙しいんですよ。それをやりくりした中でも、「やりたいです」と言ってくれたことが僕としてもうれしかった。また同じメンバーでやれることをすごくうれしく思います。

──映像でこだわった点について教えてください。

光一:お客様が入っていない状態であれば、クレーンやドローンなどの機材を使って、今までやったことのない撮り方ができるよねと。そこに別撮りの映像を加えて、映像作品としてより楽しめるものにしています。なかなか新鮮ですよ。

舞台というのは、劇場の空間で観ていただくことが一番いいんですけど、一つの映像作品としても今回は撮影することができたと思いますので、楽しみにしていただきたいですね。映画で本編を観ていただいて、その後に劇場でEternalを観ていただくのが理想の形です。

──Eternalの上演が帝劇へと変わることで、演出面での変化はありますか?

光一:状況次第なんですよね。その時に周りを見て、今何ができるかということを踏み込んでいくしかないんです。Eternalの時は地方公演ということもあって、スタッフの人数を減らそう、特効をやめようなどありましたが、そのへんも少しずつ緩和されています。

Eternalの土台は出来上がったものがあるので、その中でプラスしていくのか。マイナスというのは僕の中にはあまりなくて、マイナスとマイナスだと計算上プラスになるじゃないですか。そういった発想、しょうがないから削るかではなく、だったら、どういうことをすれば見てる人は楽しんでくれるのかなどを考えながら作っていかなきゃと思っております。

ただ、大阪公演の時はJAE(ジャパンアクションエンタープライズ)さん、Gロケッツ(女性アクロバット集団)さんなど、ステージ上の人数も減らしましたが、帝劇のほうがステージも大きいので、皆さんにも復活してもらえるのかなと思っております。

──コロナ禍で、劇場へ足を運ぶことに躊躇しているお客様もいると思います。そんな方への思いを聞かせてください。

光一:今は我々も、お客様に協力をしていただかない限り、ステージに立てない状況です。気持ち的には沈んでしまった世の中ですけど、エンターテインメントには何にも代えられない喜びや満たされるものがあると自分は信じていますので、それを届けなければいけないという思いでステージに立っています。

チケットは取ったけど、世の中を鑑みて劇場へ足を運ぶことをやめた方もいらっしゃると思います。その思いも尊重しないといけないと思い、その手段の一つが配信になりました。

帝劇で配信をやるのかはまだ考えておりませんし、具体的にもなっておりません。でも、そういった方にも届けられる形は、何かしらできたらいいなと思っております。

普段、自分はファンの皆さんに対してすごく塩対応で申し訳ないんですけど、東京ドームに立たせていただいても「後ろのほうは見えていません」と言っちゃうタイプの人間です。

大阪でのEternalは、普段の半分のお客さんでやらせていただきましたけど、全国で応援してくださっている皆さんのエネルギーをステージ上で感じました。普段は見えてないですけど(笑)、感じました。感じることが大切だと思います。

──一緒に作品を作り上げていく中で感じた、光一さんの変わった部分、変わらない部分について教えてください。

光一:上田は昔、「お前ら、絶対俺のステージに立つな」って言った時の俺と、今の俺を比べればいいんじゃない?

上田:結構丸くなりましたよね。最後まで(演技など)責任を持って教えてくれて、少年のような可愛さを持ち合わせている。友達のような優しさがあるけど、仕事の面では尊敬できる先輩。変わらないのはプロ意識です。

越岡:変わらない点でいったらイタズラっ子な面。僕たちが主演している舞台を光一くんが観に来てくれた時、楽屋に戻ったらイスや引き出しなど、すべてがひっくり返っていました(笑)。

松崎:年々若返ってますよね。体力も落ちないし、日頃のトレーニングの賜物なんでしょうね。そのプロ意識は見習わなきゃいけません。これからも「SHOCK」を続けていかなければいけない堂本光一だから(笑)。

前田:イタズラっ子なところは変わりませんね。でも、雲の上の人で王子様。声をかけていいのやら戸惑うんですけど、食事の席などでは話が愉快。いつも世界を見ていて、アンテナを張っている人です。

梅田:私は今回で3年目の参加になるんですけど、最初は話しかけることも緊張していました。今は、私がどうしても理解できない、心情がつかめないセリフを1時間ぐらいかけて稽古場で教えてくださって、とてもありがたかったです。

──皆さんの言葉を受けての感想を。

光一:こういった信頼や、皆さんが役にきちんと向き合ってくださるからEternalはササッと進められたんです。自分としては、「SHOCK」の現場にいるのはすごくラクなこと。皆さんの信頼に甘えてます。あまりカッコよくないな。でも、それでいいです。

──もし、ジャニー喜多川さんが存命だったとしたら、コロナ禍で頑張っている皆さんへ、なんと声をかけると思いますか?

光一:「YOUが住んでるところ、何階建て?」と5、6回聞かれました(笑)。

帝国劇場 2021年2・3月
「Endless SHOCK-Eternal-」
エターナル・プロデューサー:ジャニー喜多川
作・構成・演出・主演:堂本光一