毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。

6月27日(日)は、本編に入りきらなかったトークを紹介する「相思相愛のボクら 豪華未公開SP」の後編を放送した。

中村倫也×窪塚洋介×堤幸彦監督(2021年2月14日放送)

誰にも踏み込めない“窪塚世界”が今は…

俳優だけでなくレゲエシンガーとしても活躍の場を広げてきた窪塚は、自身の演技に感じる変化を語った。

窪塚:昔はね「どんな役でも」「どんな作品でも」という思いはあったけど。レゲエミュージックをやって、自分の思いが大きくなってきてしまって。それを役者と同居させることがたぶん、あんまりうまくできてない部分もあって。

中村:うん。

窪塚:トータルで見たら、音楽やっててとか、役者やってて、とか、いろんなパートがあるから成立してるんだけど、役者の中でそのすべてを成立させることができなくて。そうなると、(役者として)出ない色が出てきてるみたいな感じはちょっとあるのかなっていうのを、何か…。

堤:いや、でもそれがね、限界点とか袋小路のように思ってるかもしれないけど、それも含めて、あなたなのよ。

窪塚:うん。

堤:昔はさ、「ザッツ・窪塚洋介」で。これはもう、誰にも踏み込めない“窪塚世界”があってさ…。

その窪塚に「負けるのが悔しいから」と、女装癖のある刑事など難しい役を演じてもらった(※)が、「結局、窪塚の勝ちみたいになる」と回顧。

※映画「溺れる魚」(2001年)で、窪塚洋介は女装癖のある刑事を演じた。

堤:それが、いろいろあって、音楽もやって。一俳優として立ち止まったときに、ちょっと曲がり角かなって思うんだけど、それも含めて、成長で、年輪で。窪塚の過去も含めて、全部、今、フラットに出せるものがあるから面白いんだよね。

また、堤監督からSNSのライブ配信中に泥酔し、寝落ちしたまま朝を迎え、それに気づいた長男がライブ配信を終了させたという逸話も暴露され、窪塚は「インスタライブは、ほとんど記憶がないんですよ」と苦笑い。

それを聞いた中村は、19歳のときに映画で共演した際に見た窪塚の姿を語った。

中村:芝居の絡みは、ほとんどなかったんですけど、打ち上げがあって。酔っぱらってるかどうかわからないんですけど、それが唯一、僕が見た窪塚さんがお酒飲んでるシーン。

そこでの窪塚は「エキストラさんみたいな人に囲まれて、その人たちの悩みを聞いていた」という。

中村:(アドバイスする様子を)遠くから見ていたんで、(記憶をなくすほど)グダグダになっている窪塚さんが想像できない。

窪塚:なるほど。たぶんね、(酔っぱらった自分を見たら)嫌いになるか、もっと好きになるか両極端だと思う。

窪塚は「トライして」と自身のインスタライブを見ることを中村に勧め、「次に会ったときの態度で(どっちだったか)見極めるから」と笑わせた。

ずん(飯尾和樹、やす)×阿佐ヶ谷姉妹(渡辺江里子、木村美穂)(2020年12月13日放送)

やす「ビートたけしさんも同じこと言ってました」

仲の良いコンビ2組がリモートで登場。

ずんは芸歴20年でありながら、ロケの前に飯尾から「やす、ボケたらツッコんでね」と確認が入ることを告白。

やす:言われないと忘れちゃうんで。確認でちゃんと言ってくれる。

木村:あ、でも、私も忘れたりするものね。

渡辺:そうなのよね、美穂さんもね。

木村:忘れます、私も。

飯尾:(やすや、木村は)江里子さんとか、俺が隣でボケてるときに、何をやってると思ってるんですか!?

渡辺:あはははは!

木村:なんか頑張ってるな、みたいな(笑)。

やす:よくしゃべってるな、っていうね。

そんな突っ込み担当の2人に飯尾は「相席気分で隣に立たないでくださいよ」と笑った。

やす:私ね、今でもあるんですけど、昔よく思っていたのは、キャイ~ンや関根(勤)さん小堺(一機)さんと現場が一緒になって、めちゃめちゃ面白いわけですよ。「こんなに面白くないと、この世界では生き残っていけない、食えないのかな」って、毎回落ち込んで帰るというか。

やすは「そういう気持ちに何度もなっている」と語ると…。

飯尾:毎回、そう思ってて、本当、よく辞めないな?

やす:わはー!あははは。

阿佐ヶ谷姉妹:(笑)。

木村:メンタルが強いんですよ、やっぱり。

やす:強いんですか?でも、打ちのめされること、いっぱいあったでしょう?

それぞれ心当たりがあるようだが、木村は「でも、辞めちゃえばね、おしまいだっていうのもありますしね」と続けた。

木村:「続けていれば…」っていうのは、よく聞きますもんね。

やす:たけしさんも同じこと言ってました。ビートたけしさんも。

飯尾:すごいデカい名前出したな。

渡辺:急に(笑)。

やす:わはははは。

飯尾:デカすぎる。

やす:テレビで。テレビで言ってた。

渡辺:直(じか)じゃなくて、テレビで(と、笑いくずれる)!

飯尾:直じゃねぇんだ(苦笑)。

4人は、本人から直接聞いた言葉ではないことに大笑いしながら、「辞めなければ、何とかなる」という言葉を改めて噛みしめていた。

ヒロシ×西村瑞樹(バイきんぐ)×阿諏訪泰義(うしろシティ)(2020年11月15日放送)

ヒロシ「キャンプと焚火会のみんながいればいい」

単独でテントを張る「ソロキャンプ」の魅力にハマったヒロシを中心に、キャンプ好きの芸人たちで結成した「焚火会」。

西村が「10代でお笑いを始めて、40になってキャンプ番組やってるんですよ。考えられないですよね」と言うと、現在の状況は想像もしていなかったが「結果、良かった」とヒロシ。

ヒロシ:俺とかは、「もういいや」と。これ(キャンプ)と、焚火会のみんながいれば、(ほかは)「別にいいや」と思ってるから。

西村:ほおー。

ヒロシ:仕事しないと暇だから(している)、くらいの感じだから。

阿諏訪:すごいなー。

西村:仙人みたいになってますよ、もう。

阿諏訪:(笑)。

ヒロシ:そうなのよ。

ヒロシは「そう思わせたのは、あなたたちだからね」と焚火会メンバーへの思いを明かしていく。

ヒロシ:あなたたちが素晴らしいのは、損得勘定で人を見ないというね。これ、しょっちゅう言ってると思うけど。

西村&阿諏訪:はい。

ヒロシ:損得勘定がないんだよね。普通にキャンプが楽しいから一緒に行く。

西村:あ、そうです。そうです。

ヒロシ:だけじゃん?そこに何も計算もないじゃん。

阿諏訪:最初は(キャンプが)ビジネスになるとは思ってなかったですからね。

「暇だから行ってた」(西村)、「ただ好きで楽しいから」(阿諏訪)と「ソロキャンプ」でヒロシと繋がった絆を確かめ合った。

綾野剛×常田大希(King Gnu)×藤井道人監督(2021年1月31日放送)

「同じ目線で、ただみんなが輝く仕事をしていくだけ」(綾野)

俳優、音楽家、映画監督として作品を共に作った3人が集合。

藤井監督は、地元の友人たちとの会話を大切にしていると明かしたが、綾野にも「よく相談する」そうで…。

常田:どんな相談があるんですか?

藤井:やっぱりその、俳優部をうまく演出できなかったときとか。これってどれが正解だったのか。でも、もちろん正解は人それぞれだけど。脚本作りで悩んだりというのも、勝手に相談しちゃう。

常田:へぇ。

綾野:ずっと、聞いてる。「いいじゃん、いいじゃん」。

常田:「いいじゃん」なんだ(笑)。

綾野:悪いものはない、あとはどれを選択するか。

藤井:ああ、そうですね。

綾野:だから、現場によって、できるんだったら「全部撮っちゃおうよ」って。編集で最終的に…でも、編集でその選択を迫られるのは監督だから。

常田:そうね。

綾野:一番孤独な作業をしているというか。これをOK出すも、ダメを出すも、全部一人で判断しなきゃいけないのは、とても孤独だけど、その最終的な孤独地点に行くまでは、ずっと一緒にいようという感覚で向き合ってる。

楽曲作りも「基本的には孤独。一人でこもって作る」と、常田も共感した様子。

「ここまでの距離感で映画と触れ合ったことがなかった」と話す常田は、藤井監督、綾野主演の映画の現場で役者や監督、スタッフたち「お互いが踏み込み合っているのがすごく良かった」と語る。

綾野:本来ある姿だと思うけど、俺は。

常田:そう。その距離感が俺ら(の楽曲制作)と近いというか。こうやって作っていくの、いいな、理想だよなって。

藤井監督は、脚本はスタッフや俳優に宛てた「ラブレター」と言い、「映画にとってプラスになることは全部やりたい」という思いを「剛さんが迎え入れてくれた」と現場を振り返った。

綾野:俳優のことや、もしかしたらアーティストっていう部分にも言えることかもしれないし、監督ってことにも言えると思うんだけど、「尊敬されすぎている」って損だと思っていて。お互いフィフティ・フィフティでいられて、全部署、同じ目線で、ただみんなが、輝く仕事をしていくだけというか。

綾野は、一つの現場で「きれいごとなしで、みんなが幸せになるってどういうことだろうかと、考えているだけ」と制作への思いを明かしていた。