12月5日(土)に初日を迎える舞台「両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)」の公開稽古および、取材会が同日、東京・明治座で行われた。

同作は当初、伊藤健太郎主演で上演が予定されていたものの、10月28日夜に乗用車を運転中だった伊藤がバイクと接触事故を起こしたことで、降板。別の役柄で出演予定だった原嘉孝(ジャニーズJr.)が急遽、主人公の昇龍を演じることになり、キャスト変更から本番まで1ヵ月というタイトスケジュールで稽古が敢行された。

登壇した原は、主演のオファーを受けた際に「僕でいいのかなと思った」と複雑な心境をもらしつつ、「でも、やることには変わりなくって、『座長であってもなくても、僕は役と向き合うことしかできません』とプロデューサーに伝えました。プロデューサーも『それでいい』と言ってくださったので、今は不安なく堂々とここに立っていていいかな」と自信をのぞかせた。

役柄が変更となったことで、「セリフは最初から覚え直したんですけど、キャスト・スタッフ全員が僕を支えてくれて、ここのメンバーなんて毎晩のように連絡をしてくれた」と大鶴佐助、大原櫻子、りょう、紺野美沙子へ感謝。

そして、「昨夜、『ついに明日、初日を迎えるんだ』と思ったらいろんな気持ちがこみ上げてきて、思わず皆さんに連絡しちゃいました」と告げると、すかさず大鶴が「すぐ泣くんですよ」と原の繊細な一面を明かした。

公開稽古では、筋骨隆々の肉体を披露した原だが、トレーニングに話がおよぶと「筋トレは今年の2月ぐらいから始めたんですが、プロデューサーから『もうやめてくれ』と言われました」と、鍛えすぎてしまったことに苦笑い。数値的には7 、8㎏の筋肉をつけたものの、昇龍が瘦せ型の力士ということで2㎏減量したのだとか。

さらに、「炭水化物や脂質を抜いた食生活をしていたので、りょうさんがお弁当を作ってきてくれたんです」と、舞台上でセクシーな関係に発展する間柄のりょうからうれしい差し入れがあったことを報告。すると、りょうは「息子に毎日弁当を作っているので、原ちゃんの分も一緒に」と明かした。

リポーターから「おかずは何だった?」と聞かれた原は、「なんだっけ?角煮とか…?」と記憶があやふやな様子。これにりょうは、「二度と作らない」とジョーク交じりで伝えた。

また、まわしを締めた感想について原は、「見た目よりもギュって締まるんですよね。1人で巻くわけじゃなく、横から引っ張ってもらうんですけど、自然と気持ちも引き締まります」とキリリ。

そんな原の姿を“スー女(相撲好き女子)”として知られる紺野は、「稽古場ではトレーニングウェアやTシャツを着ていたんですけど、原さんがいつ脱ぐのか楽しみで仕方がなかった。予想以上に素敵でした」とウットリとし、「昇龍のイメージは、陽の出の勢いで出てきた頃の千代の富士さんみたい」と絶賛。

原は「千代の富士さんになるにはもっと大きな体にならなきゃいけなかったんですけど、鍛え上げた肉体を見せたいという思いが出てしまって、しぼってしまいました」と照れくさそうに話した。

最後に、「2020年を漢字一文字で表すなら?」という質問に、原は「『知』。コロナで大変な世の中になってしまって、舞台に立てるありがたみを改めて知りました」と返答。

そして、「表に出ているのは24人ですが、スタッフさん含めて102名いるので、この作品は102名のパフォーマンスだと思って、みんなの気持ちを代表する気持ちでセンターに立っています」と凛々しい表情を浮かべていた。

最新情報は、舞台「両国花錦闘士」公式サイトまで。

撮影:田中亜紀