12月19日(土)15時35分より、フジテレビでは『未解決事件SP 世田谷一家殺人事件 20年目のスクープ~3つの影を持つ男~』(関東ローカル)が放送される。

20世紀最後の日、2000年12月31日に発覚した、あまりに凄惨(せいさん)な事件。世田谷区上祖師谷の瀟洒(しょうしゃ)な一軒家に暮らしていた、宮澤みきおさん(当時44歳)、妻の泰子さん(当時41歳)、長女・にいなちゃん(当時8歳)、長男・礼君(当時6歳)の一家4人が惨殺された世田谷一家殺人事件。

世間を震え上がらせたこの事件は、2020年12月で丸20年という、未解決事件としての大きな節目を迎える。

この間、ありとあらゆる捜査が行われた。が、犯人に結びつく有力な手掛かりは依然として得られていない。もはや、事件の解決につながる糸口を見つけることは不可能なのか。

番組では、この20年の間に捜査の指揮を執った警察幹部や、捜査に関わった法医学者ら、複数のキーマンに一昨年7月から取材を重ねてきた。その結果、たどり着いた答えがある。それは、犯人に結びつくカギは残されているということだ。

いまだ公にはされていない犯人のDNA鑑定の結果と20年目にして行われた新たな鑑定結果が示すのは、犯人の意外なルーツだ。さらに、凶器の包丁を包んだハンカチの、その特殊な巻き方も、犯人の出身地に関わる可能性がある。そして、今なお事件解決に執念を燃やす元捜査指揮官3人が、確信をもって描くそれぞれの犯人像。番組は、それらの残されたカギを徹底検証する。

1.元警視庁捜査幹部の20年目の証言

捜査を指揮した警視庁元捜査一課長、元理事官、元管理官、捜査本部が置かれた成城警察署の元署長らが、現場の意外な事実とともに強く思い描く犯人像を明らかにする。

犯人像A(金を狙った残忍な物取り)を念頭に置くのは、元捜査一課長や、元理事官、元成城警察署幹部ら複数で、特に元理事官はこの犯人像を強く思い描いている。

最も重要なことは、犯人は、初めから家族全員を殺して金を奪う目的で侵入したということだと元理事官は話す。

犯人像B(一方的な恨みを抱く人物)を追ってきたのは、多くの関係者がこの事件を最もよく知る捜査員の1人だと話す、元捜査一課の管理官だ。彼は、侵入口が2階風呂場の窓という、最も有力とされる侵入経路に大きな疑問を抱いている。

現場には物が散乱し、物色の跡が残されているが、元管理官は、それは偽装に近い感じがすると語る。その説には、なぜわざわざそんなことを…という疑問も付随するが、元管理官は、そもそも犯人は、事前にしっかり犯行を計画していることを忘れてはいけないと話す。

恨みでも物取りでもないと断じて、犯人像C(想定外の動機を持つ想定外の人物)を思い描き、事件の深層を読み解こうとするのは、成城警察署の元署長らだ。

元署長は、20世紀最後の日という、特異な犯行日時に注目する。また、犯行の残忍さが、通常の殺人事件の延長線上にはないことも、想定外の動機を持つ想定外の人物像を主張する理由だ。

2.幻のDNA鑑定と20年目の新鑑定

事件から6年後に犯人のDNA鑑定の結果が判明する。捜査本部が依頼したものだが、その内容は公表されずに現在に至る。実際に鑑定を行ったDNA鑑定の権威が、鑑定結果の詳細とその持つ意味の重要性を今回初めてメディアに明らかにする。

さらに、その後蓄積された膨大なデータとの照合によって、新たな鑑定結果が明らかになる。鑑定を行ったDNA鑑定の権威は、科学の判定であるとして、その結果に自信を示す。事件から20年、犯人の意外なルーツが浮かび上がる。

3.知られざる、精神科医の犯人像推定

同じく事件から数年後、捜査本部は精神科医に犯人像の推定を依頼した。精神科医は助手ら4人と共に同じ現場を見た上で、警察から同じ捜査情報の提供を受けた。しかし、彼ら5人の精神鑑定は、全く異なるものだった。その1人が、初めてメディアに証言。当時推定した犯人像を明らかにする。

4.事件直後の現場の詳細をほぼ実物大で再現

過去の取材の蓄積と入手した各種資料及び今回の新たな取材をもとに、番組は宮澤さん宅の事件直後の現場を実物大で再現。ほぼ同じ広さ、構造の中で、直後の現場の状況を明らかにし、どこで何がどのように起きたのか、その詳細を検証する。

5.19年目の12月30日午後11時半の事件現場

番組では、19年前の事件現場の周辺状況を19年後の2019年同日同時刻に克明に再現。合わせて、捜査本部が今なお重要視する目撃情報。午後11時半に宮澤さん宅方向から飛び出してきた、不可解な男の事件への関与の可能性を検証する。