1月8日(金)、舞台「舞台『紅葉鬼』~童子奇譚~」の公開稽古が日本青年館ホールで行われた。
本作の原作コミックス「抱かれたい男1位に脅されています。」(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)は、シリーズ累計発行部数350万部を突破。2018年10月~12月にはテレビアニメ化もされ、人気に。
その劇中劇として描かれ、2019年に舞台化された「紅葉鬼」は、美しく儚い宿命の物語と、原作ファンの期待を裏切らない役者陣の好演で大きな話題となった。
そして、そんな作品の続編となる「舞台『紅葉鬼』~童子奇譚~」は、陳内将扮する主人公・経若に訪れる新たな出会いと、鬼たちと人間がたどりゆく数奇な運命、宿命の戦いを描く。
先だって、フジテレビュー‼で公開した、主演の陳内将と演出の町田慎吾による対談で「原作者の桜日梯子先生が、経若を絶望の淵に立たせたいらしい」との陳内の言葉通り、序盤では俗世間とのつながりを絶ち、山奥の寺で世捨て人のごとくひっそりと暮らす経若が登場する。
特筆すべきは、陳内のより妖艶さを増した佇まい。その端正な顔立ちは常に伏し目がちで憂いを帯び、生きることに絶望した経若の心情を痛いくらいに訴えかけてくる。
そして、初演でも披露した軽やかな立ち回りは今作でも健在。後半では、刀剣を擬人化した某人気作品のキャラクターにもなっている名刀が登場。2.5次元作品ファンにはたまらない“シンクロ”となっていることだろう。
演出の町田が特にこだわったという音楽も圧巻。ステージの上手でバイオリン、下手では和太鼓と鳴り物の生演奏が繰り広げられ、経若をはじめとする登場人物の感情を細やかに表現。その音は時に切なく、時に荒々しく物語を盛り上げた。
さらに、町田が「セットにも注目してほしい」とアピールしていたように、オープニングとエンディングに登場する、大木に映し出された燃えるような紅葉。その赤々とした色彩は、鬼であろうが人間であろうが同じ赤い血が流れていると主張しているようだった。
その他、茨木童子役の梅津瑞樹、渡辺綱役の小坂涼太郎、イクシマ役の小波津亜廉ら初参加組はしっかりと存在感をアピールし、前作から引き続きの登場となった熊武役の髙木俊、保名役(前作では摩爬役)の富田翔は安定した芝居で作品に重厚さをプラス。
キャスト一人一人がこのような社会情勢下で舞台に立てる喜びにあふれ、そして、我々の日常を脅かしている目には見えない敵を吹き飛ばそうと、生命力あふれる熱演をみせていた。
なお、本編DISCに加え、メイキングやバックステージ映像を収録した特典映像DISC がついたBlu-ray&DVDが7月28日(水)発売されることに。さらに、1月14日(木)17時~上演の千秋楽公演のライブ配信が決定。詳細は各特設ページで。
舞台「紅葉鬼」~童子奇譚~の最新情報は公式サイトで。