1月11日(月・祝)、映画「ヤクザと家族 The Family」の完成報告&生配信トークイベントが行われ、綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、藤井道人監督が出席した。
映画「ヤクザと家族 The Family」は、1999年、2005年、2019年という3つの時代に、ヤクザとして生きるしかなかった男と彼を取りまく人々を、家族という視点から描いたヒューマンストーリー。日本アカデミー賞6部門を受賞した「新聞記者」のスタッフが再集結した作品として話題を集めている。
ここでは、イベントの模様から序盤の挨拶パートをほぼ全文(前編)でお届けする。
舘「この映画は“下ネタがない愛”がいっぱい溢れています」とアピール
──本日は配信でたくさんの方が見てくださっています。登壇者を代表して、綾野さんからひと言お願いします。
綾野:皆さんこんにちは、綾野剛です。YouTube、Instagram、Twitterの生配信をご覧の皆さん、こんにちは。このような環境の中で集まってくださった記者の皆さん、本当に感謝申し上げます。
もともとは、お客様の皆さまに入っていただいて(舞台挨拶を)やる予定だったのですが、それが今、この状況でできなくなりました。その中でも、各関係者、「ヤクザと家族」チームは諦めず、何か違う手はないかと早急に動き、今日の生配信が可能になったところまで、すべての人に感謝申し上げます。
短い時間ですが、より良い、楽しい時間にしましょう。よろしくお願いいたします。
──まずは、ご挨拶もかねてお題を。本作をひと言で表すなら?
舘:え、これはフリップを見せて…?
──フリップを見せて、ひと言を発表していただいて、ご挨拶をお願いします!
舘:はい。えー…(「愛」と書かれたフリップを出しながら)柴咲博役をやらせていただきました、舘ひろしです。この映画は、タイトルが「ヤクザと家族」という、イマドキちょっと…大変リスキーなテーマの作品ですが(笑)、台本を読ませていただいて、本当に「ぜひ、やりたい」と思った作品です。ヤクザがテーマの映画ですが、愛がっぱい溢れています。ぜひ、ご期待ください。
──ということで、「愛」なんですね。
舘:わたくしの大好きな「愛」です。
尾野:(じっと舘を見て)
舘:先ほど尾野くんから、「舘さん、下ネタはダメよ」と(言われた)。
(一同爆笑)
舘:下ネタのない愛でございます(笑)。
──続いて、尾野真千子さんお願いします。
尾野:工藤…あ、工藤でしたっけ?由香役をやらせていただきました、尾野真千子です。へへ(笑)。本日はどうもありがとうございます。このような、お客さんが入らない中での舞台挨拶をお許しください。よろしくお願いします。
…ということで、尾野はですね、「今」という字を書かせていただきました。えっと…難しいんですけどね。今現在に必要なんじゃないかというテーマとかが盛り込まれているなと、私は感じていて。だから、今です!
──続きまして、北村有起哉さんです。
北村:どうも、皆さんこんにちは。今日はこういう状況下の中でいらっしゃってくださってありがとうございます。そして、このイベントを手探りでスタンバイしてくださったスタッフの皆さんにも感謝申し上げます。
わたくしはですね、「決意」という字にさせていただきました。これ、脱線するかもしれないんですが、最近、自分の息子を水泳教室に通わせていてですね。脱衣所で(息子が)着替えているところに、上級生の男の子がドバドバっと靴を脱ぎ捨てて入ってくるんですけど、それを自然と注意している自分がいて。
まぁ、お節介な知らないオヤジっていうところなんですが。それは子どもがいなかったら、そんなことしてなかったのかなと思いまして。気がついたら他人の子どもに対して「だらしないからちゃんとしなさい」って言っている自分が、最近新たに生まれまして。
そういうお節介なことをわざわざ言うからには…っていう決意ですかね。責任があるんだなとことを思いました。家族と付き合っていくということは、何かしら責任が見え隠れしているものだなと。
この映画は、登場人物がそんなにたくさんいるわけじゃないんですけど、みんな違っていいんですよ。どの方にも感情移入できる素晴らしい作品になっていると思うので、どうか皆さん、お楽しみにしていただけたらと思います。
──続きまして、市原隼人さんです。
市原:細野役を演じさせていただきました、市原隼人です。本当に素敵な作品と巡り合い、文字通り身を削って、最後の最後まで感情を絞り出して完成させました。
(作品を表すひと言は)「時代」です。登場人物が時代に乗って、自分の時代にしようと奮闘するんですけど、結局は時代に作られてしまう様がなんとも言えないです。現状、僕らもそうであって。
昔は近所づきあいとか、仕事とか、密になって相手を知って、相手を称えて、相手を支えて守ってきたものが、今は距離をとって、離れることで相手を称えて、支えて、守っていく時代が…すごく悔しいです。すごく寂しいです。悲しいです。ですが、未来には必ず楽しいことがあると信じ、そうなるべく、役者としても奮闘しようと思っています。
これは違う作品なんですけど、映画化が決まった作品の好きな言葉で…「諦めたら試合終了だ」と、そう思っています(笑)。諦めません。映画というエンターテインメントが、お客様に楽しんでいただくというその意味を覆されないために、奮闘しようと思っています。
そして、本日、成人式ですね。本当におめでとうございます。未来の日本を担う方々が、より多くの選択肢とより多くの希望があることを心から願っております。本日は短い時間ですがよろしくお願いいたします。
──続きまして、磯村勇斗さんです。
磯村:木村翼を演じさせていただきました磯村勇斗です。僕はですね、「紡ぐ」ですね。この映画に出てくる登場人物1人1人、俳優1人1人がすごく強い意志を持って生きていたなというのを感じ、そこから愛情だったり絆みたいなものがどんどん伝染していって、3つの時代にわたって、未来に受け継がれていく姿は「紡ぐ」という言葉が合うのかなと思い、この言葉を選びました。本日はどうかよろしくお願いします。
──続いて、監督、脚本を務められました、藤井道人監督です。
藤井監督:皆さまこんにちは。脚本、監督の藤井道人です。今日は来てくださったマスコミの皆さま、そして配信を見てくださっている皆さま、本当にありがとうございます。今日は、本当は(映画を)見てほしかったんですけど、公開まで今しばらくお待ちください。
自分が選んだ言葉は「証」でございます。映画という残せる文化を職業にさせていただいて、これだけ素晴らしいキャストとスタッフと、1カットも妥協せず、たくさんの時間を積み重ねて家族になって作った1個の証が、この映画の中に詰まっていますので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。今日は短い時間ですがよろしくお願いします。
──最後に綾野剛さんです。
綾野:僕もですね、舘さんと同じで「愛」です。いやぁ、すごいですね!うれしいです。ドキドキしました、はじめに舘さんが「愛」を出した時。
尾野:(包帯を巻いた指を見せながら綾野をじっと見て)
綾野:なんだよ(笑)。突き指出すなよ!今日はですね、皆さん気になっていると思いますけど、尾野真千子さん、突き指をしましてですね、(ただ包帯を巻くだけでは)ちょっとアレだと思って、ニコちゃんマークを書いております。皆さんに、ピースな思いが伝わればという願いを込めておりますので、どうかご容赦ください(笑)。
ってな感じで、こういう関係だとか、このチーム…後ろにいる監督を含めた4名もそうですし、本当に一丸となって、愛を持って、その愛にはリスペクトも思いやりも含まれているし。そういったことを育んできました。
さらに言うと、これ以上ないんですよね。僕にとって、今現在の集大成となったこの映画のことをこうして、皆さんの前でお話できていることに感謝申し上げます。
──綾野さんと舘さんは、何の文字を書くかは打ち合わせゼロだったんですか?
綾野:全然してないですね。
舘:そうですね、愛し合っていますから(笑)。
綾野:愛し合ってます(笑)。…聞きました?うれしいですね。
──公開を控えた今のお気持ちを聞かせてください。
綾野:そうですね…うーん…どうなんですかね。
舘:ははは(笑)。
綾野:この時期ということに…表に出てお話させていただく機会が僕たちは多いので、どうしてもこの現状(コロナ禍)のことを話して、自分の感情を吐露するということも一つあると思うんですけど、それ以上に、どんな時もエンターテインメントというのは不屈で、不要ではないということを届けていくべきだと思うんです。
今、僕たちはこういう機会が許されて、時短などはありますが映画館も今のやり方で運営しているところもあって。少しでもエンターテインメントがまだ終わっていないということが、皆さまの心に花を添えることになるのではないかという思いで今日ここに座っています。
映画が公開されることも、今までみたいに「ぜひ劇場へ」というニュアンスはまた違ったものになると思うんですけど、それ以上に、映画は公開し続けているよっていうことが少しでも支えになるのであれば、僕は良いのかなと思っております。
映画「ヤクザと家族 The Family」は、1月29日(金)全国公開。
©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会
配給:スターサンズ/KADOKAWA
最新情報は、映画「ヤクザと家族 The Family」公式サイトまで。