『監察医 朝顔』(第2シーズン)第11話完全版
興雲大学法医学教室では、検事との打ち合わせがあった朝顔(上野樹里)を始め、光子(志田未来)や絵美(平岩紙)、藤堂(板尾創路)らもそれぞれ仕事に追われていた。
そこに、パンの訪問販売をしている「ホワイトベーカリー」の店員・愛菜(矢作穂香)がやってくる。実は高橋(中尾明慶)は、来週、愛菜と食事に行く約束をしていた。
一方、平(時任三郎)は、自身の体調に不安を抱いていた。美幸(大竹しのぶ)の店に、キーケースや大事にしていたはずの里子(石田ひかり)のハンカチまで忘れてしまったからだった。相談受けた美幸は、大丈夫だから、といって明るく平を励ました。
朝顔は、薬物の過剰摂取により中毒死した若い男性の遺体を解剖する。血液からは覚せい剤の成分が検出されたが、不純物が多いことからかなり粗悪な薬物を使用していたものと思われた。伊東(三宅弘城)によれば、別の大学でも似たようなケースの解剖結果があったらしい。
その夜、朝顔のもとに、入院中の祖父・浩之(柄本明)から連絡が入る。転院することになった浩之は、以前、朝顔に手渡した、里子のものかもしれない歯の検査結果を知りたがっていた。朝顔は、桑原(風間俊介)に電話して事情を伝え、つぐみ(加藤柚凪)を連れて浩之に会いに行くことにする。
あくる日、朝顔とつぐみは、駅まで車で迎えにきた平(時任三郎)とともに浩之が転院した病院へと向かう。だが平は、何故か以前浩之が入院していた病院に向かってしまった上、面会の予約日も間違えていた。
病院側に調整してもらい、浩之に面会することができた朝顔は、歯を調べていないことを打ち明ける。あの歯が里子のものだとわかっても悲しみは終わらないのだから、いまは治療に専念して長生きしてほしい、と話す朝顔。
すると浩之は、朝顔には自分の気持ちがわからない、あのとき里子ではなく自分が死ねばよかった言い出し、朝顔が調べないなら別の人に頼むから返してくれ、と涙ながらに訴えた。
病院を後にした朝顔たちは、美幸の店で夕食を取って浩之の家へと戻った。夜、朝顔は、平に体調のことを切り出し、検査してもらった方が良いと告げる。しかし平は、耳を貸さずに怒りだしてしまい…。
あくる朝、朝顔は、土産を買いに行くと言って家を出て、美幸の店を訪れる。平のようすについて聞くためだった。すると美幸は、朝顔の心配が本当だったとしてどうするのか、と問いかけた。仕事や子どもの世話をしながら、平の介護までできるのか、というのだ。「こっちのことは心配しないで。私がいるから」。美幸はそう朝顔に告げた。
朝顔とつぐみは、平に駅まで送ってもらう。別れ際、つぐみは、会いたくなった来てねといって、お手製の新幹線チケットを平に手渡した。
一方、桑原は、近くのトンネルで不気味な音がするとの通報を受け、巡回に行く。その場所では、しばらく前からお化けがでるという噂もあり、同僚の竹岡(佐野瑞樹)もようすを見に行ったことがある場所だった。するとそこで、天板の崩落事故が発生し、桑原が巻き込まれてしまう。
万木家に戻った朝顔は、藤堂(板尾創路)からの電話でトンネル事故のことを知る。朝顔は、多忙な母のことを心配するつぐみ(加藤柚凪)を非番だった忍(ともさかりえ)に任せて、大学へと向かった。
長野県警からの要請を受け、光子や絵美らとともに現地へ向かうことになった朝顔は、法医チームのリーダーを引き受ける。このときまだ、桑原が事故に巻き込まれていることを知らなかった朝顔は、彼への電話がつながらないことに不安を抱きながら、遺体安置所や本部の設営を始める。
現場には、伊東や、災害死亡者家族支援チーム・DMORTの敷島由紀(今藤洋子)らも駆けつけていた。
そんな中、朝顔は、竹岡から、桑原が事故に巻き込まれたことを教えられる。それでも、気丈に準備を続ける朝顔。すると、本部が設置された集会場に、事故の被害に遭ったと思われる者の家族や近隣住民たちが押しかけ、伊東や竹岡らに詰め寄る騒ぎが起きる。遺体安置所が設営されていることから、余計に心配になっているようだった。朝顔は、そんな家族たちの気持ちに寄り添いながら遺体安置所の必要性を訴え、理解を求めた。
朝顔が作業を続けていると、桑原からの着信があった。桑原は、崩落事故に巻き込まれたものの軽傷で、すでに手当も終わっているという。朝顔は、現地に来ていることを告げ、心配していた忍にも電話するよう伝えた。
夕方になり、少しずつ被害状況が分かり始める。これまでのところ、死者も重傷者も出ていなかった。救助活動は、長野県警の働きかけで日没後も続けられることになっていた。法医の詰所に駆けつけた桑原と再会を果たす朝顔。そこに、忍から電話が入る。つぐみが家からいなくなった、という知らせだった。
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