『監察医 朝顔』(第2シーズン)第12話完全版

朝顔(上野樹里)たち興雲大学法医学教室のメンバーは、派遣要請を受け、長野で起きたトンネルの天板崩落事故現場へと向かった。

巡回中に事故に巻き込まれていた桑原(風間俊介)が無事だったことを知ってほっとしたのも束の間、忍(ともさかりえ)と一緒に留守番をしていたはずのつぐみ(加藤柚凪)が行方不明になったとの知らせが入る。

朝顔は、事故対策現場を光子(志田未来)や絵美(平岩紙)、高橋(中尾明慶)ら任せて、桑原とともに万木家へと急いだ。

万木家に到着した朝顔たちは、手分けして心当たりがある場所を探したが、見つからない。連絡を受けた野毛山署の森本(森本慎太郎)らも、仕事を終えるとつぐみの捜索に加わった。

それからしばらく後、つぐみがある無人駅で見つかったという知らせが入る。朝顔は、送り届けてくれた警察のパトカーから泣きながら降りてきたつぐみを抱きしめた。

朝顔は、つぐみが見つかったことを絵美に報告し、現場に戻ろうとした。が、その必要はないという絵美。幸いなことに、今回の事故ではひとりの死者も出なかったのだ。

桑原は、落ち着きを取り戻したつぐみに、何故約束を破ってひとりで出かけたのか、と問いかけた。実はつぐみは、自分で作った新幹線の切符を持って、平(時任三郎)のもとへ行こうとしていたのだ。「ママ、いつも大変。つぐみのせいで泣いている」というつぐみ。その思いを知った朝顔は、しっかりとつぐみを抱きしめ、心配をかけてごめん、と謝った。

つぐみが眠った後、桑原は、朝顔のためにおにぎりを用意する。それを食べながら、平のことや、仕事で遅くなってしまいつぐみを保育園で待たせていること、浩之(柄本明)から頼まれた里子(石田ひかり)のものかもしれない歯の検査を先延ばしにしてきたことに触れ、自分を責める朝顔。

すると桑原は、万木家に戻る、と朝顔に告げる。朝顔が辛い時や大変な時にそばにいるために結婚したのだから、と―。

一方、藤堂(板尾創路)は、バーで働いていたという若い男性・木嶋和樹の解剖を行っていた。死因は薬物の過剰摂取で、先日、朝顔が解剖した薬物中毒死の男性と全く同じ成分の覚せい剤が検出されていた。それは、「ドロップ」と呼ばれている覚せい剤だった。

木嶋の資料を見た牛島(望月歩)は、彼が働いていたバーに行ったことがあると言い出す。するとそこに、階段から転落したという住所不定無職の22歳の女性・松野紗英(依田ゆい)の解剖依頼が入る。

解剖を担当した朝顔は、紗英が額の皮膚病や腕などの注射痕をファンデーションで隠していることに気づく。髪の毛は白髪染めをしており、簡単に抜け落ちる状態だった。

薬物検査の結果、紗英の尿から「ドロップ」と同じ覚せい剤成分が検出される。紗英は、薬物のせいで血圧が上昇し、脳出血を起こして意識を失ったために転落したものと思われた。

木嶋と紗英には共通の知り合いがいたという情報を入手した山倉(戸次重幸)は、助力を求めて平に電話する。しかし平は、探し物をしていて電話に気づかなかった。

仕方なく、山倉がひとりで向かったのは、平の友人でもある神奈川県警組織犯罪対策課の矢神(宇梶剛士)のところだった。矢神によれば、木嶋は鮫島組の構成員で、海外から持ち込んだ覚せい剤を売る役目を担っていたが、その金をくすねたことで殺されたのではないか、ということだった。

そして、矢神には交際していた女性がおり、その女性が紗英とも顔見知りだったらしい。山倉は、矢神が持っていた女性の写真をスマートフォンで撮影した。

桑原は、平に電話し、神奈川に戻りたいが、誰にどのように話をすべきか相談する。その電話中も、平がずっと里子の歯を探しながら話していることを知る桑原。朝顔が歯を預かり、手袋と一緒に保管していることを確認した桑原は、もう一度平に電話してそれを伝え…。

愛菜(矢作穂香)とデートする予定になっていた高橋は、いつものように彼女の移動販売車までパンを買いに行こうとする。と、突然現れた刑事たちに囲まれてしまった高橋は、愛菜の元交際相手について何か知らないか、と問われる。木嶋が交際していた女性とは、愛菜のことだった。

その夜、桑原は、仕事を終えて帰宅した朝顔に、平のところに行ってみると告げる。

同じころ、愛菜と食事に行った高橋は、彼女からマフラーを貸してもらう。翌朝、そのマフラーについていた髪の毛を密かに検査した高橋は、覚せい剤の陽性反応が出たことにショックを受けていた。

朝顔たちは、紗英の話を聞きたいと言って訪ねてきた彼女の両親、武弘(住田隆)と翠(黒沢あすか)に会う。武弘は、紗英のことを犯罪者と呼び、一族の恥だと言ってすぐに帰ってしまう。だが翠は、紗英に会いたいという。

翠は、薬物の影響で紗英の姿が変わってしまったことから、落ち着いてからの方が良いのではないかという朝顔の言葉を受け入れず、娘の遺体と対面した。

動揺する翠の姿を目の当たりにした朝顔は、紗英を元気だったころの姿に戻せないかと苦慮する。それを聞いて、どこかに電話をする光子。ほどなく、紗英の両親から警察に、遺体を引き取りたいという連絡が入る。が、両親ではなく、業者が引き取ってそのまま火葬するらしい。

そこに、興雲大学法医学教室を去った元教授の茶子(山口智子)が突然現れる。茶子は、若林(大谷亮平)と一緒で…。

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