趣里「メディアの力はすごい」朝ドラ『ブギウギ』で感じた“拡散力”「劇団暁」が目指す大衆演劇の未来に期待

――40代の夏樹さんと春樹さん、その子どもである20代の暁人さんや愛羅さんなど、さまざまな世代が一致団結している様子が印象的でした。

すごく心に残ったのが、春樹さんの「劇団暁の魅力って総合力じゃないですか」という言葉。誰かがずば抜けて人気というのではなく、1人ひとりに力があって、それがさらに強くなれば負けない劇団になると話していました。

世代を超えて一丸となっているだけでなく、劇団の中でそっぽを向いている人がいない、みんなが同じ方向を向いているのが印象的で。だから苦しいことがあっても、みんなで頑張れるのだと思いますし、それはすごくいいなと感じました。

――子どもの頃から舞台に立つのではなく、一般家庭から高校を中退して大衆演劇の世界に入ったという楓馬さんも登場します。

楓馬さんが、厳しいことがあっても「辞めたい」ではなく、「やりたい」という気持ちを持ち続けているのが印象的でした。楓馬さんがそういられるのは、きっと劇団暁が、役者という仕事に憧れを持てるような環境だからだと思います。これも、夏樹さんや春樹さんなど、上の世代がしっかり守ってきたものかもしれません。

もともと楓馬さんは劇団暁の公演を観て、その芸に憧れて入ったそうです。これはすごいことですよね、劇団が彼に大きな夢を与えたわけですから。

――趣里さんは、大衆演劇は観たことはありますか？ 

歌舞伎や唐十郎さんのテント芝居などは観たことがありますが、大衆演劇はまだないので、観に行きたいです。群舞（大勢での踊り）に興味があります。

――劇団暁の公演に、「最近ハマった」と話す若いファンの姿も見られました。

そういう人が増えるのは、いいことですよね。興味を持つ方はたくさんいると思うので、今回の『ザ・ノンフィクション』がきっかけになって、もっと多くの方に知っていただきたいです。

『ブギウギ』（※）にOSK日本歌劇団のみなさんが出演されていたのですが、ドラマの放送で広く知られるようになったと聞いて、やっぱりメディアの力はすごいなと感じました。大衆演劇全体が活気づく、そういう未来が来るといいなと思います。

（※）趣里さん主演の連続テレビ小説『ブギウギ』（NHK／2023年）。

――最後に、後編の見どころをお願いします。

暁人さんの家族が登場するのですが、子どもたちが将来、どんな道に進むか楽しみだなと思いました。愛羅さんのようになるのか、まったく違う世界へ行くのか…。大衆演劇は小さい頃から舞台に立つ方が多いと思うので、お客さんにとっては、成長を見守るのも楽しみのひとつなのかもしれません。

また、ナレーションに「がむしゃらに定めた道を生きてみる。案外それは豊かな人生なのかもしれません」という言葉があって、私自身、これを読んで“忘れかけていたもの”が見えた気がしました。ぜひ、みなさんご覧ください。

YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。3月16日（日）14時～「われら旅芸人の大家族～僕とわたしの生きる道～後編」予告。

3月9日・16日放送「われら旅芸人の大家族～僕とわたしの生きる道～」前・後編（語り：趣里さん）が、3月30日までTVer・FODで無料配信されます。

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