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【国立科学博物館】国立科学博物館主催 第41回 植物画コンクール入選作品決定
文化庁
国立科学博物館(館長:篠田 謙一)では、姿を正しく観察することを通し植物をより深く理解し、植物に対する愛情と人と植物のつながりに関心を持つ、次世代の人材を育成していくことが重要と認識し、学習支援事業の一つとして、毎年、植物画コンクールを実施しております。
令和6年度は第41回を迎え、全国から783点の応募があり審査の結果、このたび文部科学大臣賞2点を含む66点の入選作品を決定しました。
入選作品展を筑波実験植物園にて令和7年2月8日(土)から2月24日(月・休)、上野本館にて令和7年7月1日(火)から7月21日(月・休)、附属自然教育園にて8月2日(土)から9月15日(月・休)に行う予定です。
国立科学博物館主催第41回植物画コンクール概要
【主 催】独立行政法人国立科学博物館(館長 篠田 謙一)
【後 援】全国科学博物館協議会
【趣 旨】植物画を描くことによって植物の姿を正しく観察し、植物をより深く理解するとともに植物に対する愛情を深め、人と植物のつながりにも高い関心を持っていただくことを目的とする。
【募集部門】「小学生の部」 「中学生・高校生の部」 の2部門
※第40回(令和5年度)から一般の部を廃止し、上記2部門のみでの募集といたしました。
【作品規格】一人1点、未発表のオリジナル作品、用紙のサイズはB4判、または八ツ切
厚さ5ミリ以内、画材は自由。
【受付期間】令和6年9月1日(日)~令和6年10月31日(木)
【応募総数】小学生の部241点、中学生・高校生の部542点 合計783点
【審 査】審査員が、植物学・美術・教育の立場から、観察の注意深さ、表現の正確さ、芸術的な美しさなどを基準として、令和6年11月18日(月)に国立科学博物館筑波研究施設植物研究部棟1階会議室において審査を行った。
【審 査 員】
石川美枝子 植物画家
遠藤 一支 土浦市立土浦第二中学校教諭
西野 範夫 元上越教育大学学校教育学部教授
邑田 仁 東京大学名誉教授
細矢 剛 国立科学博物館筑波実験植物園長
田中 伸幸 国立科学博物館植物研究部陸上植物研究グループ長
審査員講評
■小学生の部
〔総評〕
いろいろな情報が得られる今日、自分の興味・関心のある身近な植物を選んでいることが感じられ、全体的に画材の多様化がみられた。子どもらしい生命力と感性によって描かれた作品が多くみられた。
〔小学生の部 文部科学大臣賞〕 「ホテイアツモリソウ」 塩崎 文乃(埼玉県)
「ホテイアツモリソウ」
自在な画面構成のなかにホテイアツモリソウの特徴が盛り込まれており、精密な描写とともに植物画の要素を十分に満たしている。この植物を現地でスケッチすることは大変だが、その特徴を目立たせるために落ち葉を着色しないなどの自分なりの工夫をしていて、植物の自然の雰囲気がよく表現されている。特に、繊細に描かれた葉脈などから生命感が感じられ、植物に素直に向き合い、その美しさを感じながら描かれている。
〔小学生の部 国立科学博物館長賞〕 「キメンカク(鬼面角)」 山本 一子(愛知県)
「キメンカク(鬼面角)」
各部分を画面いっぱいにバランスよく配置し、花の断面を茎に重ねて立体感を出すことで迫力のある作品になっている。茎の切り口を取り入れて維管束の状態を見せるとともに、その縁から枝分かれしている茎を描くことで植物の生命力が表現されている。花を詳細に描くことでその美しさを表現している。また、この植物の立体感や調和のある美しさを感じとって画面全体がバランスよく、美しい構成になっている。
〔小学生の部 筑波実験植物園長賞〕 「マントカラカサタケ」 鈴木 惺也(神奈川県)
「マントカラカサタケ」
傘の柔らかさ、いぼ(マント)などマントカラカサタケの特徴をよく観察し、柔らかな感性によって素直に表現されている。特に、野外で観察しながらの表現のよさが随所に見られる。例えば、直立した状態を低いアングルから描くことで個性的な作品となっており、キノコ愛すら感じる。傘の裏側の特徴に気付き、詳細に表現している。色彩的には目立たない植物であるが、その微妙な色彩の美しさも表現されている。
■中学生・高校生の部
〔総評〕
多くの作品が植物の観察の仕方、捉え方も多様になっているとともに、表現の対象も表現方法もそれぞれの工夫がみられて多様になっているので、個性的な作品が多くみられた。今日の複雑多様な価値観が混在するなかで、自分らしく自然と豊かに関わっていることが見てとれた。
〔中学生・高校生の部 文部科学大臣賞〕 「ムラサキキャベツ」 高塩 春馬(栃木県)
「ムラサキキャベツ」
瑞々しい感性によって、ムラサキキャベツの特徴をよく観察して表現している。特に、結球の表面と葉が密に詰まった断面の特徴、緑色のキャベツでは見られない紫色のつぼみと黄色い花弁の対比、立体感などが誠実に表現されている。色鉛筆で滑らかに描くことは難しいが、それをうまく克服して色鉛筆の特性を生かしている。結球と花を描くためのスケジュールもよく考えていたことも伺え、完成度の高い作品と言える。
〔中学生・高校生の部 国立科学博物館長賞〕 「アキタブキ」 岡林 圭花(北海道)
「アキタブキ」
アキタブキの大きな葉を描くのではなく、地下茎の先から出た小さい葉を描き、その後の成長した葉や花を描いた画面構成、葉・花を一枚の画に収めた画面構成に感性を感じる。また、成長段階の異なる花を描くために綿密なスケジュールを立てている。この植物が雌雄異株であることを意識し、雄花と雌花をしっかりと描いている。この作品を見てくれる人にこの画との対話を期待する意識が感じられる。
〔中学生・高校生の部 筑波実験植物園長賞〕 「クマガイソウ」 岡林 春花(北海道)
「クマガイソウ」
クマガイソウの特徴を表現するために複複数のアングルから描き、重ねる技法で奥行きのある作品となっている。葉の形の特徴や質感もよく感じ取り、描き重ねる技法を工夫して奥行きも表現している。また、地味な花色を浮き立たせる効果、バランスのよい配置から画面全体が美しい構成になっている。黄緑系の色を主に使って葉の形態的特徴と質感を正確に捉えて描かれており、表現の豊かさが感じられる。
【入選作品数】
総合計 66点
特別奨励賞(学校表彰):1校
聖徳学園小学校(東京都)
第41回植物画コンクール入選作品展
日時:令和7年2月8日(土)~2月24日(月・休)
会場:国立科学博物館筑波実験植物園 茨城県つくば市天久保4-1-1
(展示予定)
日時:令和7年7月1日(火)~7月21日(月・休)
会場:国立科学博物館 上野本館 東京都台東区上野公園7-20
日時:令和7年8月2日(土)~9月15日(月・休)
会場:国立科学博物館附属自然教育園 東京都港区白金台5-21-5
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国立科学博物館(館長:篠田 謙一)では、姿を正しく観察することを通し植物をより深く理解し、植物に対する愛情と人と植物のつながりに関心を持つ、次世代の人材を育成していくことが重要と認識し、学習支援事業の一つとして、毎年、植物画コンクールを実施しております。
令和6年度は第41回を迎え、全国から783点の応募があり審査の結果、このたび文部科学大臣賞2点を含む66点の入選作品を決定しました。
入選作品展を筑波実験植物園にて令和7年2月8日(土)から2月24日(月・休)、上野本館にて令和7年7月1日(火)から7月21日(月・休)、附属自然教育園にて8月2日(土)から9月15日(月・休)に行う予定です。
国立科学博物館主催第41回植物画コンクール概要
【主 催】独立行政法人国立科学博物館(館長 篠田 謙一)
【後 援】全国科学博物館協議会
【趣 旨】植物画を描くことによって植物の姿を正しく観察し、植物をより深く理解するとともに植物に対する愛情を深め、人と植物のつながりにも高い関心を持っていただくことを目的とする。
【募集部門】「小学生の部」 「中学生・高校生の部」 の2部門
※第40回(令和5年度)から一般の部を廃止し、上記2部門のみでの募集といたしました。
【作品規格】一人1点、未発表のオリジナル作品、用紙のサイズはB4判、または八ツ切
厚さ5ミリ以内、画材は自由。
【受付期間】令和6年9月1日(日)~令和6年10月31日(木)
【応募総数】小学生の部241点、中学生・高校生の部542点 合計783点
【審 査】審査員が、植物学・美術・教育の立場から、観察の注意深さ、表現の正確さ、芸術的な美しさなどを基準として、令和6年11月18日(月)に国立科学博物館筑波研究施設植物研究部棟1階会議室において審査を行った。
【審 査 員】
石川美枝子 植物画家
遠藤 一支 土浦市立土浦第二中学校教諭
西野 範夫 元上越教育大学学校教育学部教授
邑田 仁 東京大学名誉教授
細矢 剛 国立科学博物館筑波実験植物園長
田中 伸幸 国立科学博物館植物研究部陸上植物研究グループ長
審査員講評
■小学生の部
〔総評〕
いろいろな情報が得られる今日、自分の興味・関心のある身近な植物を選んでいることが感じられ、全体的に画材の多様化がみられた。子どもらしい生命力と感性によって描かれた作品が多くみられた。
〔小学生の部 文部科学大臣賞〕 「ホテイアツモリソウ」 塩崎 文乃(埼玉県)
「ホテイアツモリソウ」
自在な画面構成のなかにホテイアツモリソウの特徴が盛り込まれており、精密な描写とともに植物画の要素を十分に満たしている。この植物を現地でスケッチすることは大変だが、その特徴を目立たせるために落ち葉を着色しないなどの自分なりの工夫をしていて、植物の自然の雰囲気がよく表現されている。特に、繊細に描かれた葉脈などから生命感が感じられ、植物に素直に向き合い、その美しさを感じながら描かれている。
〔小学生の部 国立科学博物館長賞〕 「キメンカク(鬼面角)」 山本 一子(愛知県)
「キメンカク(鬼面角)」
各部分を画面いっぱいにバランスよく配置し、花の断面を茎に重ねて立体感を出すことで迫力のある作品になっている。茎の切り口を取り入れて維管束の状態を見せるとともに、その縁から枝分かれしている茎を描くことで植物の生命力が表現されている。花を詳細に描くことでその美しさを表現している。また、この植物の立体感や調和のある美しさを感じとって画面全体がバランスよく、美しい構成になっている。
〔小学生の部 筑波実験植物園長賞〕 「マントカラカサタケ」 鈴木 惺也(神奈川県)
「マントカラカサタケ」
傘の柔らかさ、いぼ(マント)などマントカラカサタケの特徴をよく観察し、柔らかな感性によって素直に表現されている。特に、野外で観察しながらの表現のよさが随所に見られる。例えば、直立した状態を低いアングルから描くことで個性的な作品となっており、キノコ愛すら感じる。傘の裏側の特徴に気付き、詳細に表現している。色彩的には目立たない植物であるが、その微妙な色彩の美しさも表現されている。
■中学生・高校生の部
〔総評〕
多くの作品が植物の観察の仕方、捉え方も多様になっているとともに、表現の対象も表現方法もそれぞれの工夫がみられて多様になっているので、個性的な作品が多くみられた。今日の複雑多様な価値観が混在するなかで、自分らしく自然と豊かに関わっていることが見てとれた。
〔中学生・高校生の部 文部科学大臣賞〕 「ムラサキキャベツ」 高塩 春馬(栃木県)
「ムラサキキャベツ」
瑞々しい感性によって、ムラサキキャベツの特徴をよく観察して表現している。特に、結球の表面と葉が密に詰まった断面の特徴、緑色のキャベツでは見られない紫色のつぼみと黄色い花弁の対比、立体感などが誠実に表現されている。色鉛筆で滑らかに描くことは難しいが、それをうまく克服して色鉛筆の特性を生かしている。結球と花を描くためのスケジュールもよく考えていたことも伺え、完成度の高い作品と言える。
〔中学生・高校生の部 国立科学博物館長賞〕 「アキタブキ」 岡林 圭花(北海道)
「アキタブキ」
アキタブキの大きな葉を描くのではなく、地下茎の先から出た小さい葉を描き、その後の成長した葉や花を描いた画面構成、葉・花を一枚の画に収めた画面構成に感性を感じる。また、成長段階の異なる花を描くために綿密なスケジュールを立てている。この植物が雌雄異株であることを意識し、雄花と雌花をしっかりと描いている。この作品を見てくれる人にこの画との対話を期待する意識が感じられる。
〔中学生・高校生の部 筑波実験植物園長賞〕 「クマガイソウ」 岡林 春花(北海道)
「クマガイソウ」
クマガイソウの特徴を表現するために複複数のアングルから描き、重ねる技法で奥行きのある作品となっている。葉の形の特徴や質感もよく感じ取り、描き重ねる技法を工夫して奥行きも表現している。また、地味な花色を浮き立たせる効果、バランスのよい配置から画面全体が美しい構成になっている。黄緑系の色を主に使って葉の形態的特徴と質感を正確に捉えて描かれており、表現の豊かさが感じられる。
【入選作品数】
総合計 66点
特別奨励賞(学校表彰):1校
聖徳学園小学校(東京都)
第41回植物画コンクール入選作品展
日時:令和7年2月8日(土)~2月24日(月・休)
会場:国立科学博物館筑波実験植物園 茨城県つくば市天久保4-1-1
(展示予定)
日時:令和7年7月1日(火)~7月21日(月・休)
会場:国立科学博物館 上野本館 東京都台東区上野公園7-20
日時:令和7年8月2日(土)~9月15日(月・休)
会場:国立科学博物館附属自然教育園 東京都港区白金台5-21-5
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