石川テレビ制作 『珠洲の窯漢』が「第33回FNSドキュメンタリー大賞」受賞…能登半島地震に襲われながら再び立ち上がった2人の陶芸作家

「第33回FNSドキュメンタリー大賞」で、石川テレビ制作『珠洲の窯漢』（読み：すずのかまおとこ）が大賞に決定しました。

フジテレビ系列各局の番組制作能力向上とその蓄積を図る趣旨から、1992年に創設された「FNSドキュメンタリー大賞」。

石川テレビ放送が大賞を受賞するのは、1993年（第2回）の受賞以来、31年ぶり2回目となります。

全ての画像を見る

2023年5月、震度6強の地震が石川県能登半島にある珠洲市を襲いました。『珠洲の窯漢』は、その半年後、2024年元日に震度7の能登半島地震に襲われ、繰り返し絶望を味わいながらも、気持ちを奮い立たせて再び立ち上がっていく、対照的なキャラクターの2人の陶芸作家を見つめます。

取材対象者との距離感も適度で心地よく、言葉という表現にだけに頼らずに、映像で語りつくした力作であると高い評価を得て大賞受賞となりました。

大賞作品『珠洲の窯漢』は、2025年1月3日（金）16時55分より、『決定！第33回FNSドキュメンタリー大賞』（関東ローカル）として、フジテレビで放送されます。

＜過去の受賞作品一覧＞

大賞

石川テレビ放送 制作『珠洲の窯漢』

受賞理由：

日本列島を繰り返し襲う大地震。2024年1月に能登半島地震で壊滅的な被害を受けた珠洲市では、前年5月にも震度6強の地震に見舞われていた。復興へと歩んできた半年後に、再び襲った大地震。本作は、珠洲の土でしかつくれない珠洲焼の作家2人に着目し、被災者の計り知れない絶望感と、再度復興に向かおうと気持ちを奮い起こしていく姿を描ききった。

取材対象者と程よい距離感を保ちつつ、2人の対照的な人間性を浮き彫りにしたほか、彼らの表情や言葉を通して、被災者の心情を丁寧に伝えた。被災地の惨状をカメラに収めるだけでなく、人間のドラマとして被災地に希望を見いだせる作品に仕上げたことには「こう描くのか」と驚きの声もあがった。

ナレーション（常盤貴子）の評価も高かったが、何よりも映像に語らせている点がドキュメンタリーとして高評価を集めた。

番組概要：

2024年1月1日に発生した能登半島地震。石川県最北端にある珠洲市は、壊滅的な被害を受けました。珠洲市は、これまでも地震に翻弄されてきました。そんな珠洲市で作られている焼き物、「珠洲焼」の作家2人に密着。これまでの地震で大量の作品が割れ、窯は崩れました。2人の作家は窯を再建するも、再び起こった地震で振り出しに戻ります。あらがえない自然の脅威に翻弄されながら、地震のある町で珠洲焼とどう向き合っていくのかを追いました。

ナレーター：常盤貴子 

プロデューサー：才澤孝 

ディレクター：濱口真子 

構成：濱口真子 

撮影・編集：和田光弘（フリー） 

音声：石倉信義（フリー） 

美術：高倉園美 

MA：林壮樹

（敬称略）

たび重なる災害に見舞われた能登に、こうして焦点を当ててもらえることが何よりうれしいです。（珠洲焼作家の）田端さんは、今でも「周りの人から辞めるなと言われて困っている」と、うれしそうに話しています。

実際は、片づけがほぼ終わり、残った作品で個展も開いています。相変わらずの“らしさ”に改めて魅了されています。

一方、篠原さんは、あらゆるメディアに応え、能登を引っ張る頼もしいリーダーでいてくれています。自然とともに、柔らかく強く生きるお2人に頭が下がります。

2年前に始動した初めてのドキュメンタリー制作も、自然災害に翻弄（ほんろう）されて悩まされながら多くの方々の力を総動員して完成にこぎ着けました。お2人はもちろん、天才カメラマンの和田さん、石川テレビの番組制作経験者のみなさんのすごさに支えられての受賞です。本当にありがとうございました。