「吸水ショーツ、もっとこうだったらいいのに」を形に。「hinna 吸水型サニタリーショーツ」が誕生するまで
インナーメーカーのエル・ローズは、「女性のライフステージにおけるカラダとこころの“ゆらぎ”に寄り添って解決したい」という思いから、2022年3月にフェムテックブランドのhinna(ヒンナ)を立ち上げました。
hinnaでは、様々なフェムテック(技術やフェムテラシーで女性の悩みを解決する)アイテムを販売しています。その中の主力商品が、シームレスで心地いい「hinna 吸水型サニタリーショーツ」。
「吸水ショーツ」と聞いてイメージするのは、分厚さ、見た目の仰々しさ、洗う手間や使い心地の心配など…きっとまだ、不安なイメージがあるかもしれません。ですが、私たちはそのひとつひとつを丁寧に解決して開発しました。すみずみまでフラットに、余計な縫い目も食い込みもない「快適さと吸水力」の両方を兼ね備えた商品となっています。
私たちがなぜ今、このタイミングで吸水ショーツを企画することになったのか。今回は、何度も修正を重ねて発売に至った、その開発ストーリーをお届けします。
ずっと気になっていたけど、動き出せなかった
今でこそ認知が高まってきている「フェムテック」ですが、実は当社が運営するオンラインショップ「サンテラボ」では、フェムテックが市場で認知される10年ほど前からデリケートゾーン用のソープなどの取り扱いを始めていました。ヨーロッパやアメリカではデリケートゾーンケアを含むフェムテック市場が広がりを見せているらしい、と情報をキャッチし取り扱いを決めたバイヤーも、「デリケートゾーン用のソープって買うのかな…?」と半信半疑だった当時。社内でも馴染みのない商品に、「お客様に受け入れてもらえるの?」と不安の声があがっていたのを覚えています。
その後日本でも、少しずつですが着実に、フェムテックというワードが広がりを見せ、デリケートゾーン用ソープの他にオイルやクリーム、生理用品としてナプキンに代わる月経カップなど、サンテラボで取り扱う商品も増えていきました。
そして私たちの目に留まったアイテムが“吸水ショーツ”。
ナプキンやタンポンと併用して、ショーツ自体が水分を吸収してくれる吸水ショーツは、女性のストレスを軽減してくれるかも!と直感的に思いました。早速、社内の女性スタッフ数人で使ってみることに。
しかし、通常のショーツと同じようにはくだけでいい手軽さの一方で、一日中同じショーツで過ごすことの不安がぬぐい切れませんでした。実際、「洗うのが面倒」「汚れが落としきれているかどうか分かりづらい」「乾きづらく衛生面が心配」「履いているときのお尻のシルエットが恥ずかしい」と、使用後にどんどん出てくる女性スタッフの声は、快適さよりも不安の声が多かったのです。
不思議と、ここで「やっぱり吸水ショーツなしだね…」とはならず、「ということは、改善の余地あり!ここはチャンス!!!」と思えたことがターニングポイントとなりました。
フェムテック商材を取り扱いはするものの、企画開発になかなか手をつけてこなかったけれど、私たちだから出来ることがあるのかもしれない。吸水ショーツを着用することによって悩みの軽減になると期待しているのに、同じ悩みの人がこれだけいるなら、私たちが解決していきたい!と、商品の企画を決めました。
“ごまかしのない商品”をつくりたい
さて、自分たちが安心してはける吸水ショーツを作ろう!という思いから始まったこの企画。作るからには、ごまかしのない商品をお届けしたい。自分たちが着用して感じた不安をひとつひとつ解決していくべく、まずは当初の吸水ショーツに対する不安の洗い出しからスタートしました。これでもか!というくらい、いろんな吸水ショーツを試してみて、絶対に譲れない吸水ショーツの5つの条件が出揃いました。
① 1日漏れずにはいていられる十分な吸水量。
(1日OKとお伝えしていて、使えないなんてことはしない!)
②パッド表面に黒以外を使う。
(汚れた部分を黒で隠すようなことはしない!)
③ポリマー素材を使わない。
(ポリマー素材は通常のナプキンで使われるような素材で、劣化しやすいもの。繰り返し使えることが売りなのに、思ったよりすぐヨレてしまう、なんてことはしない!)
④直接肌に触れる部分にはヒヤッと感じにくい素材を。
(着脱を繰り返すのに、不快感のある素材は使わない!)
⑤ふつうのショーツのようなビジュアル。
(手元に届いたとき、本当に“ふつう”と思えるものを!)
“ふつうのショーツ”のような薄さと吸収力の両立を目指して
従来の吸水ショーツは分厚く、いかにも吸水します!という見た目のものが多くありました。「少しでも、違和感を感じずにいられるような、ナチュラルなものがいいな…」と企画チームでは意見が一致。「吸水ショーツをはいている!」という感覚を出来る限りなくし、「今日は吸水ショーツでいっか。」と、気負わずになんとなく使える、“ふつうのシームレスショーツ”のようなヌーディ感を目指すことにしました。
しかし、ただ薄くしただけでは、吸水力が落ちてしまう。
吸水パッドの部分をどうするかは大きな課題でした。
今回の薄さを実現するにあたり、ご協力いただいたのがコスモ株式会社さん。吸水素材を何層にも重ねて縫っていくと、どうしてもふくらみと厚みは避けられない。そこで、縫う「縫製技術」ではなく、コスモ株式会社さんのくっつける「接着技術」を使って試作に取り掛かりました。
接着技術に決めたものの、ぴたっとした安心感を保ちながら、吸水力も十分に、というバランスを模索する日々でした。パーツを何層も積み重ねていくので、接着した生地がズレてしまったり、はがれてしまったり。デザイナーは、薄さを追求したフラットな生地を使用した、立体的なヒップにフィットするパターンの調整に奮闘していました。コスモ株式会社さんとも何度もやりとりをして、かれこれ20回以上は試作をした記憶があります。
1日はいても気にならない。機能性だけでなく心地よさを実現するために
私たちの運営する店舗サンテラボでは、「気持ちいいもの」をお客様に提供し続けてきました。そのため、hinnaの「吸水型サニタリーショーツ」は、薄さ、軽さ、吸水力、保水力などの機能面だけでなく、「はいていて心地いい」ことも欠かせない要素のひとつでした。
その心地よさを追求するためにさまざまな工夫をこらしました。先ほどお話した接着技術は、吸水部分のみでなく、縫い目が気になるワキ部分にも、吸水部分と本体の縫合部分にもその技術を使い、ゴワつきを軽減しています。また、食い込みやすい鼠径部(そけいぶ)やウエスト部は切りっぱなしにすることで、開放的なフィット感を実現しました。
ショーツ本体の生地には、綿混素材を使用しています。実は一番最初に制作したサンプルはナイロン素材だったのですが、どうしても化学繊維のはいったシームレスショーツには蒸れの感じやすさがありました。私たちが目指していた、“ふつうのシームレスショーツ”と同じ感覚で着用するには、フィット感を維持できる、蒸れにくく肌にやさしい素材が最適だと思い、綿混素材を選定。
1日を心地よく過ごすため、吸水層も含めて1mmでも薄く目立たない仕様で作りたい!という私たちの思いは強く、コスモ株式会社さんにはたくさんの要望を聞いていただきました。関わってくださった営業担当様、工場担当者様には工場につきっきりになっていただいて、今の製品があります。
今回の商品開発に限らず、私たちは常に「自分たちが心地よいと思えるもの」と追及してきました。様々な方とお仕事をする中で、時にはこだわりが強すぎて、「これ以上はできません」と言われ断念した企画も。「自分たちが心地よいと思えるもの」を作りたい、という私たちの思いを伝え、そのゴールに向かって最後までお付き合いいただくメーカーの皆様には感謝の気持ちしかありません。
自然や環境、そして自分と向き合う時間を持つしあわせを女性たちに届けたい
ブランド名の「hinna」とは、“時間をみつける”という意味を持つスウェーデンの言葉で、自然や環境、そして自分と向き合う時間を持つしあわせを女性たちに届けたい、という思いを込めて名付けました。
まず、自然や環境と向き合う時間。
hinnaの吸水ショーツを使用することは、使い捨てナプキンのゴミを削減することに繋がります。実際、私は使い捨て吸水ナプキンと吸水ショーツとの併用で今まで使用していたナプキンの使用量と比較して、4分の1くらいに減りました。当たり前のように使ってきたけれど、意外とゴミを出していたんだな、と気づかされました。また、hinnaでは極力ゴミが減らせるよう、値札タグなどは使用しておりません。ラッピングの袋も米ぬかを原料としたチャック袋を採用しており、商品本体以外へのこだわりも感じていただけるとうれしいです。
次に、自分と向き合う時間。
その日そのときの量や状態には、自分ではなかなか気づきにくい体のサインも隠れているもの。それをきちんと見て、認識して、自分のことを見つめる。従来の吸水ショーツは汚れが目立たないように黒であることが多かったのですが、hinnaではあえて吸水部をグレーにすることで、量や状態をはっきりと分かりやすいようにしています。
1人でも多くの女性のストレスを軽減したい
そしていよいよ、「hinna 吸水型サニタリーショーツ」が発売になりました。
吸水ショーツをつくるぞ!と意気込んで始めた情報収集から1年3ヶ月が経過していました。今回、当社から吸水ショーツを発売するのは初めてでしたが、何回もモニターをしていた私は、「絶対お客様によろこんでいただける!」という自信がありました。
「この商品が、hinnaの顔になるんだ」
期待と緊張と不安と、開発チームはそわそわしていました。デザイナー2人は、製品トラブルが起こらないか、と不安げな様子でしたが、隣から「めっちゃいいよ!この商品!」と声をかけたことを覚えています。
実際に購入して頂いたお客様からは、「縫目もなくて履き心地が快適だった」「お洗濯がとっても楽だった」「安心して過ごすことができた」「汚れ落ちが良かった」「1日履いても漏れたり、蒸れなかった」と、うれしいコメントを沢山いただくことができました。
その後、好評を受けて「hinna 吸水型ナプキン」も発売。
付け替え可能なナプキンは、様々なシーンでお使いいただけ、一つあるだけで安心のアイテム。量が気になって悩んでいる人には、吸水ショーツとの併用もできます。ショーツ同様に厚さ2mmのスリムな作りで、非常に汚れ落ちに優れているため、シャワーを当てるだけでおおむね汚れが落ち、そのまま軽くもみ洗いして、洗濯機に入れるだけのお手入れの簡単さが魅力。一般的な布ナプキンが合わなかった人、長続きしなかった人にもおすすめです。
そして、「hinna 吸水型サニタリーショーツ」、「hinna 吸水型ナプキン」は、2022年度グッドデザイン賞 ベスト100(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
さらに、私たちの取り組みを評価していただき「hinna 吸水型サニタリーショーツ」と「hinna オーガニックコットンシリーズ」、「hinna インティメイトフォーム」の3商品同時に 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催するソーシャルプロダクツ・アワード2023を受賞しました。
これをきっかけに、hinnaをひとりでも多くの方に知っていただき、手に取っていただいた方のストレスを軽減する手助けになればうれしいです。
女性が自分で情報を得て、行動に移すことができる社会を。
hinnaは、女性のゆらぎを丁寧に紐解き、地球環境や社会課題もきちんと考え、女性の悩みに対するソリューションとして位置付けたブランドです。ここまでお伝えしてきたように、スタッフが同じ女性として、なんども検証を繰り返し、本当に心地よさを実感できる、納得できるものづくりに取り組んでいます。
いままで我慢するしかなかった女性特有の悩みに向き合い、女性に寄り添える商品やサービスの提供、情報発信も行っていきます。世の中の女性のヘルスリテラシーが向上し、健康行動を起こすことができる女性を一人でも増やしたい。そんな想いで女性が活躍できる一助となるように努めてまいります。
【商品概要】
ブランド名:hinna(ヒンナ)
販売元:株式会社エル・ローズ
ブランドサイト:https://www.santelabo.jp/f/hinna
hinna 吸水型サニタリーショーツ デイリー:
https://www.santelabo.jp/c/brand/hinna/h0290002
hinna 吸水型サニタリーショーツ ナイト:
https://www.santelabo.jp/c/brand/hinna/h0290003/
hinna 吸水型ナプキン:
https://www.santelabo.jp/c/brand/hinna/h0290019/
Instagram:@hinna_femcare
https://www.instagram.com/hinna_femcare/
【この記事に関するお問い合わせ先】
問合先:株式会社エル・ローズ ブランド戦略室
連絡先:brand@elle-rose.co.jp
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

国際女性デーにちなんだミモザのアイテムで女性支援! フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」が生産団体とともに手掛ける手刺繍アイテムの制作ストーリー
2025年03月06日 |
13:05

開かれた研究農場であるために。未来ある子どもたちに向けて
2025年03月04日 |
09:30

自然な甘さと腹持ちの良さで女性の心を掴んだ「Fibee むぎゅっとワッフル」開発者の思いと奮闘
2025年03月03日 |
14:00

予防相続で争族に備える【後編】
2025年03月03日 |
11:00

育て上げネットによる若者向け自己理解を深めるプログラム「シル・ミル・テミル」の事業開発ストーリー
2025年03月03日 |
10:00

将来的なクラウドシフトを見据えた、新たな監査の仕組みを形に―データベース監査システム刷新プロジェクト
2025年02月28日 |
11:00