患者さんとそのご家族に笑顔を。積水メディカルらしさが活きる「積水メディカル理科教室」
積水メディカルは、社会貢献活動の一環として「理科教室」を開催している。
「理科教室」を開催する企業は多いが、積水メディカルのそれは、他社のものとは明らかな違いがある。積水メディカルらしさを追求した「理科教室」とは――。
小児病院の病棟プレイルームに子どもたちの声が響いた
「積水メディカル理科教室にようこそ!」。スクリーンの前で、研究開発統括部 つくば研究所の髙畑 智宏と桐原 一樹が、白衣姿で子どもたちに語りかけている。一見、よくある理科教室の一幕。しかし、通常の理科教室とは少し様子が違った。
ここは、神奈川県立こども医療センター・内科系病棟のプレイルームの中。生徒は、小児がんやさまざまな病気と闘う子どもたち。車いすを使用したり、点滴などを受けたりしながらの参加だ。
この日のテーマは「見えない生物をみてみよう/培地による手の菌採取」。
手洗い前の手で培地に触り、どれだけ菌が繁殖するかを見える化する実験を行う。参加した生徒の中には、感染症に対する抵抗力が弱く、手洗いを徹底指導されている子どもたちもおり、興味津々で講師の話を聞きながら実験に取り組んでいる。もちろん、点滴をしながらでも問題なく参加できるようなプロセスの実験が選ばれていた。
理科教室で講師を務めるつくば研究所の髙畑 智宏(左)と桐原 一樹(右)
髙畑は当日の様子を振り返る。「最初はおとなしい子どもたちかと思っていましたが、実際には『これはなぜですか?』と、さまざまな質問が飛んできました。科学に詳しい子もいて、鋭い質問に私たちが回答に困った場面もありました(笑)」
桐原も、「親御さんからもたくさん質問が出ました。お子さんと一緒になって楽しんでいただけたようでうれしかったですね」と笑顔で語る。
そんな理科教室を企画し、事務局を担当したのは人事統括部の清水 裕子と秋山 麻由子だった。
患者さんと家族をサポートするボランティア団体と協力しプログラムをスタート
積水メディカルはこれまでも地域の中学校向けに「理科教室」を実施し、広く子どもたちに理科学習への興味を喚起してきた。その活動の意義を十分に感じながらも、2023年春に社会貢献活動の推進担当者となった清水は、あらためて原点に立ち返り、積水メディカルのビジョンである「健康で、サステナブルな社会を実現する」ために行う社会貢献活動はどうあるべきかを考えた。
人事統括部 人事グループ 清水 裕子
「医療に携わる企業として、積水メディカルだからこそできる社会貢献活動をやっていきたいと考えました。とはいえ、私は社会貢献活動を一から企画担当するのは初めてで、経験もノウハウもないので、まずはさまざまな活動を調べるところからスタートしました」。
そうして清水がたどり着いたのが、「ちあふぁみ!」のホームページだった。
「ちあふぁみ!」は、神奈川県立こども医療センターの小児がんセンターに勤務する医師とスタッフが立ち上げたボランティア団体で、小児がんの子どもとその家族をサポートする活動を展開している。
清水は「ちあふぁみ!」との出会いを、次のように語った。「ホームページには、診療の枠を超えて、患者さんだけでなく、親御さんやごきょうだいまでも支えたいという医師やスタッフの皆さんの思いがあふれていて、その活動内容に感銘を受けました。積水メディカルが何かお役に立てないかと思い、『ちあふぁみ!』にご連絡させていただいたのです」。
「ちあふぁみ!」の創設メンバーであり、神奈川県立こども医療センター血液・腫瘍科科長である栁町 昌克医師は、当時をこう振り返る。
「連絡をもらった時は、正直びっくりしました。でもうれしかったですね。コロナ禍でさまざまなことがシャットダウンされ、子どもたちの笑顔が減っていた中で、医療以外で何かできることはないかと考え『ちあふぁみ!』を立ち上げました。その活動を応援してくださる方がいらっしゃったことが、とても嬉しかったです。その後のプログラムの企画や準備の段階も含め、清水さんたちのフットワークの軽さにも、びっくりさせられました」。
理科教室の開催にご協力いただいた「ちあふぁみ!」のメンバー
左から岡部 卓也看護師、横須賀 とも子医師、栁町 昌克医師
そこから、初めての病院内プログラム「理科教室」の企画が本格的に動き出した。
研究開発部門に講師を募ったところ、多くの従業員が名乗りを上げた。その中から、最終的に髙畑と桐原が講師を務めることが決まった。
桐原がこの企画に参加した動機は次のようなものだった。
「プログラムの内容を聞いて、自分の子どもの頃を思い出しました。持病があり、小・中学校時代に入退院を繰り返していたのです。私自身も辛い経験でしたが、家族も辛い思いをしていたのではないかと思います。自分と同じような経験をしている子どもたちのために、何かできることがないかと考え手を挙げました」。
一方の髙畑は、こう語る。「二人目の子どもが生まれた時に、小児病棟の隅でポツンと遊んでいる親子を見かけ、その光景が頭から離れませんでした。病気と闘う子どもたちに何かできることはないかと考えていたところに、このプログラムの話が来たので『これはやるしかない!』と思ったのです」。
テーマ決めには、社内の理系人材が大いに活躍した。
秋山は、どんな実験が子どもたちに響くのか手探り状態だった。そこで、社内の理系スタッフに助けを求め、さまざまなアイデアを収集した。
「テーマが決まってからは、実際に培地を自分の手で触って実験してみました。思った以上に菌が繁殖してびっくりしました」と秋山は振り返る。
人事統括部 総務グループ 秋山 麻由子
講師である髙畑、桐原からも、企画内容についてさまざまな提案が出た。そこからクイズ形式や実験器具を触る体験など、子どもたちがより興味を持って取り組めるような仕掛けが生まれていった。
「皆が自分事として取り組み、さまざまなアイデアをくれたので、すごく心強かったです。また、栁町医師との打ち合わせの中から、アイデアが浮かんでくることもありました。医療に関心があるごきょうだいが多いと聞き、ごきょうだいを対象としたプログラムも企画することにしました」と清水が語る通り、皆の熱意によって理科教室の企画がブラッシュアップされていった。
高性能・高品質な診断薬が安心につながる。積水メディカルの存在意義を体感
こうして積水メディカルの「理科教室」は、入院中の子どもを対象とした「病院内プログラム」と、そのごきょうだいを対象とした「きょうだいプログラム」の二つのプログラムで実施された。
参加した子どもたちからは、「知らなかったことを新しく知れて楽しかった!」「理科が好きになりそう」「将来研究者になってみたいと思った」などの感想が寄せられた。
当日の様子を、栁町医師はこう振り返る。
「お子さんたちの楽しそうな様子を、久しぶりに見ることができました。長期入院のお子さん同士の交流のきっかけになりましたし、親御さんや病院の職員も楽しんでいて、とても好評でした。きょうだいプログラムでは、実際に私も娘と一緒にリハーサルに参加しましたが、積水メディカルさんのきめ細かいサポートには驚きました。あらためて感謝をお伝えしたいです」
きょうだいプログラムの様子
「理科教室」を終えて、企画・運営メンバーにはある意識の変化があったようだ。
それぞれの思いはこうだ。
髙畑「私たち開発は、普段は患者さんから遠い位置にいますが、今回の経験を経て患者さんやご家族を強く意識するようになりました。私たちの診断薬に間違いがあれば患者さんの健康が失われ、家族にも心配をかけてしまう。より高性能・高品質な診断薬を開発しようという決意を新たにしました」。
桐原「私が印象的だったのは、親御さんたちです。不安を抱えながらも、お子さんの前では明るく接する姿に心を打たれました。自分たちが開発している診断薬が、患者さんと親御さんの安心につながっているのだと、自分の仕事に対する責任と、積水メディカルの存在意義をあらためて感じました」。
決意を新たにする開発メンバー
秋山「総務の仕事をしていると、その先の患者さんを意識するのが難しいことがあります。でも、理科教室を通じて私も医療に貢献しているという実感が得られ、自信を持って仕事ができるようになりました」。
清水「子どもたちの笑顔を見ることができ、とてもうれしく思いました。私たちの製品・事業が、患者さんの笑顔と医療を支えている。積水メディカルはすごく大事な仕事をしていると感じることができました。だからこそ、私ができることは何かを、以前よりももっと考えるようになりました。『理科教室』は、これからもぜひ続けていきたいと思っています」。
積水メディカルだからこそできることを突き詰めた活動は、メンバーたちに多くの気づきをもたらしたようだ。
「人の役に立ちたい」。その強い思いこそ“積水メディカルらしさ”
小児がんは、約7~8割が治療により治る時代になった。しかし、「それでおしまいではない」と栁町医師は話す。
「お子さんたちは、体の発達段階に抗がん剤や放射線、手術といった負担がかかった分、さまざまな臓器に負担が遅れて出てくることもあります。目の前の病気を治した後も、しっかりと子どもたちの成長・発達をサポートして、成人として社会に送り出してあげたい。そこまでが小児科医の仕事だと思っています」。
さらに、こう続けた。
「そうしたお子さんたちやご家族を応援してくれる企業さんがいらっしゃることは、とても心強いですね。企業さんにとっても、病院で頑張っているお子さんやご家族を理解する機会になると思います。継続的に応援していただけたらうれしいです」。
「理科教室」をはじめとする積水メディカルの社会貢献活動の今後の展開について、執行役員人事統括部長の八巻 隆は、次のように語った。
執行役員 人事統括部長 八巻 隆
「今回私たちは、積水メディカルだからこそできる社会貢献活動を追求しました。では、積水メディカルらしさとは何か――それは、技術と製品、何より『人の役に立ちたい』という気持ちの強さだと思うのです。『理科教室』のメンバーも、『子どもたちとご家族の役に立ちたい』という強い思いで活動を推進してくれました。その思いが、ご協力いただいた『ちあふぁみ!』や、ご参加いただいたお子さん・ご家族の皆さんに伝わったのだと思います。最後にはメンバー自身がひと回りもふた回りも大きく成長しました。人の役に立つということが自分にとても大きな力を与え、人生を色鮮やかにしてくれるということを体験できたと思います。積水メディカルらしさを忘れず、これからも私たちがやるべき活動で社会に貢献することを目指していきます」。
「人の役に立ちたい」。社員一人ひとりの胸に宿る強い思いを原動力として、積水メディカルの社会貢献活動は続いていく。
【関連情報】
■小児がん患者さんとそのご家族を応援する「ちあふぁみ!」
■積水メディカル株式会社
https://www.sekisuimedical.jp/
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
「100%のロールモデル」になれなくていい。女性リーダーが語る、大成だからこその女性活躍の原点
2024年11月21日 |
15:00
「ママである私、キャリアを持つ私、妻である私」——そのすべてを大切にするために
2024年11月21日 |
10:00
名もなき料理教室の経営者が一躍人気の著者に。4ヶ月で4版を重ねた『食欲リセットダイエット』出版秘話~2トンの脂肪を消したメソッドが一冊の本になるまで~
2024年11月20日 |
10:00
健康は必ずしも頑張る必要はない──。美味しく食べて健康に。「Fibee」新商品の開発担当者の思い
2024年11月15日 |
11:00
働きやすさの次のステージ「キャリア」へ ~ワーママたちが声をあげた育児勤務制度改革ストーリー~
2024年11月13日 |
12:40
「ものづくりへのスタンスが同じだった」 ワコール×ナリス化粧品が、なぜフェムケア化粧品でタッグを組んだのか?
2024年11月12日 |
15:00