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かかとを潤し足元を温める――。年間12万足以上売れ続ける機能性靴下「ラブヒール」の秘密

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空気をたっぷり含んで断熱効果があってストレッチ性も高い表生地。セラミックを練り込んだ特殊糸で遠赤外線の温熱効果を得られる裏生地。かかと部分には保湿シート。それらを重ねて縫い合わせてある機能性靴下が「ラブヒール」です(オンラインショップはこちら)。履いているだけで暖かく、冬場に荒れがちなかかとをスベスベにしてくれます。つま先付近に縫い目が残らない横編み機で作っているため、靴を履いても違和感がありません。


私たち石川メリヤスは愛知県西尾市の吉良町という小さな町にあるニット工場です。1957年に祖父が創業し、2016年に父から私、大宮裕美が引き継ぎました。ラブヒールは私が高校生だった1993年に当社が取引先と共同開発した製品です。本ストーリーでは、機能性靴下「ラブヒール」の魅力と開発秘話、そして石川メリヤスの挑戦を紹介します。

3代目社長の大宮裕美です。石川メリヤスは横編み機を150台保有して、多品種小ロットでの生産に対応しています。200足(双)から受注可能です。

関係者全員に利益をもたらす価格設定。冬の必需品として愛される人気商品の裏側

30年前にラブヒールの開発を主導した父の方針は、他にはないモノを作り、素材メーカーから小売店に至るまでの関係者が「腹八分目」の利益を得ることでした。積み上げ方式で設定した価格は1足2000円(現在は税込2420円)。


当時の常識では考えられない高価格商品でしたが、抜群の機能性で発売時から評判を呼び、ピーク時は年間100万足近い数量を生産していました。現在も「冬はこれがなくちゃ」というファンに支えられており、年間12万足以上を生産しています。とてもありがたいことです。

発売当時のパッケージ。当時、化粧箱入りの靴下はとても珍しかったそうです。先代社長である父の石川君夫が、デザイナーさんと知恵を絞り、ギフト需要にも応えられる形にしました。

「かかとを潤し足首を温める」機能を守るために。原料と縫い手の確保に奔走する日々

この商品を維持・発展させるためには守りと攻めの両面が必要です。まず、「かかとを潤し足首を温める」機能はなんとしても守らねばなりません。


原料の糸を作ることも縫い手を確保することも難しくなっている昨今ですが、お客様から「昔のラブヒールのほうがよかったね」とは言われたくありません。「失われた30年」で大手繊維メーカーが続々と事業撤退をする中、高品質の代替品や内職さんを探しながら生産を続けています


特に課題なのは表生地に使う糸の確保です。伸縮性の高いポリウレタンを芯にして、アクリル、ナイロン、ウールで覆うようにしてオリジナルで紡績してもらっています。繊維業界ではCSY(コアスパンヤーン)と呼ばれるこの糸は、1980年代に子どもたちの間で大ヒットしたマジック手袋(のびのび手袋)でも使用したものです。その名の通り驚くほど伸びるだけでなく、柔らかいのにコシがあり、編み立ての生産性も高いという特徴があります。


ラブヒールで使うCSYの紡績を担っていた三興紡績は2009年に廃業し、代わったニットーボー新潟も2022年に解散。現在は別の紡績会社になんとかお願いして糸を作ってもらっているところです。


ラブヒールは表生地と裏生地をつま先と履き口のところで縫い合わせています。どちらも正確に縫わなければ1つの靴下になってくれません。ミシンを貸し出して、近隣に住む方々に内職を請け負ってもらっています。しかし、工業用のミシンを置けるような広い家に住む人は減っており、高齢化にも直面。腕のいい内職さんを揃えることに常に苦労しています。

ラブヒールのかかと用シートの縫い付けと表生地と裏生地の縫い合わせの工程には、職人技と専用治具を取り付けたミシンが必要です。

ロングセラー商品にも時代に合わせたリニューアルが必要。新しい世代に向けたパッケージデザイン

ラブヒールは口コミだけで売れ続けている商品です。しかし、時代に合わせて変えるべきところは変えなければ新しい世代に受け入れられません。


2018年に着手したのはパッケージのリニューアルです。「10年後も使えるような色あせないデザイン」と「伝えるべき情報が目に飛び込んでくること」の2点をデザイナーの相田貴子さんに依頼しました。


パッケージには物流、販売現場への配慮も欠かせません。相田さんは「なるべくコンパクトでムダのない形」と利便性を同時に目指したそうです。積み重ねやすい形にし、瞬時に種類が判別できるように側面にも色を配置。その結果、小さなBOXティッシュのような独自のパッケージが生まれました。


現在のパッケージ。靴下シルエットの小窓が開いています。身につける商品には触れてから確認したいというお客様の要望に応えたものです。

顧客の声に応えてサイズアップ。コロナ禍を経て、ネット通販が主流に

今年は靴下サイズの見直しを行いました。従来のラブヒールは22~24センチです。男性からもニーズがあったため、「ヒールケア」という同じ機能の商品を24~26センチで作りました。


しかし、現代の日本人の足のサイズは30年前よりも大きくなっているというデータがあり、お客様からも「もっと大きいサイズはないの?」というお問い合わせをいただくことが増えてきました。そこで、足底サイズを1センチずつアップ。23~25センチ用のラブヒールMサイズと、25~27センチ用のラブヒールLサイズとし、男女の区別はないユニセックスの商品としました。


ラブヒールの販売ルートも大きく変わりました。発売当初は、地方の一次問屋から名古屋の長者町繊維街のような二次問屋に卸し、そこから全国各地の洋品雑貨店に商品が届けられていました。しかし、小売店の廃業や問屋街の衰退で、この商流での販売数量は年々減っています。代わりに伸びているのがネット通販業者です。コロナ禍からこの傾向がより強まり、現在はラブヒールの約半数をネット通販で売ってもらっています。


嬉しい事例としては、ネットを駆使してラブヒールを拡販している従来型の小売店があることです。例えば、静岡県の作業用品店サンワーク清水町。ラブヒールを店内に並べるだけでなく、消費者の目を引く情報をインスタグラムで随時発信して、販売実績を重ねています。

サンワーク清水町のインスタグラム発信例。高機能で高価格帯のラブヒールはプレゼント需要が大きいそうです

時代の変化を受け入れながら、小さな改善を重ねるラブヒール。今後も続く進化と挑戦

こうした時代の変化を受け入れつつも、毎年のようにラブヒールを買ってくれているお客様をガッカリさせたくないと私たちは思っています。そして、小さな改善を重ねることで、まだラブヒールを使ったことのない人にも試していただき、「何これ、すごい!」とビックリしてほしいです。これからも多くの人の足元を温めてかかとをスベスベにできるように努力と工夫を続けます。


新しいラブヒールは、Mサイズ(23~25センチ。8色展開)とLサイズ(25~27センチ。4色展開)の2種類です。オンラインショップはこちらです。


【石川メリヤス有限会社】

所在地:愛知県西尾市吉良町大字富好新田紺屋堀27-2

代表者:代表取締役 大宮裕美

設立:1962年4月

資本金:900万円

従業員数:29名(パート社員含む)

URL:https://ishimeri.com/

問い合わせメールアドレス:info@ishimeri.com





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