新アイス開発に2年…ロッテ「モナ王」開発者が語ったタンパク質10g実現の舞台裏
マッスルデリなどを運営する株式会社YOUR MEALと、株式会社ロッテは、アイス「モナ王」で2社コラボによる商品開発を実施。タンパク質を10g配合した「モナ王×マッスルデリ バニラ」を8月19日に新発売しました。
実はこの新商品、開発に約2年もの時間がかかっています。美味しさを保ちながら、どうすればタンパク質10gを含むアイスを完成させられるのか──。試行錯誤を繰り返し、試作は100回を超えたといいます。
「モナ王×マッスルデリ バニラ」はどのように誕生したのでしょうか? 開発を担当した株式会社ロッテ・アイス研究部アイス研究一課の一政洋子(いちまさ ようこ)さんにインタビューしました。
軽い気持ちで引き受けたが、試練の連続に…
──「モナ王×マッスルデリ バニラ」はタンパク質を摂りたいと考えている方のデザートや、トレーニング後のおやつを想定した「新しいアイス」です。タンパク質に注目したアイスの開発に一政さんはどのように関わり始めたのでしょうか?
マーケティング本部の企画担当者から「手軽にタンパク質を摂れるアイスにできないか」と開発を持ちかけられたのがきっかけでした。「6つに区切られているモナカって、腹筋のシックスパックみたいだから、腹筋みたいなモナカを作ったらウケるんじゃない?」という冗談のような2社の発想から開発が始まったのが「モナ王×マッスルデリ バニラ」なんです。
当時はちょうどスーパーやコンビニで、タンパク質量をアピールする飲料や食品がたくさん出てきていて、市場も成長していました。加えて私は、過去に別のアイスでタンパク質を増やした商品を開発した経験もあったので、「タンパク質10gくらいのアイスなら作れると思いますよ」と軽い感じで開発を引き受けたんです。
でも開発を始めてみたら、うまくいかないことばかりで……。試練の連続でした。
タンパク質の量は「最低10g」必要だった
聞き手は、YOUR MEAL 執行役員 山岡大介(写真右)
ドリンクやヨーグルトでは、タンパク質を10g以上摂取できる商品が当たり前になってきています。アイスクリームの市場でも、トレーニングをしている方たちに選んでもらうためには、最低でもタンパク質は10g以上は摂取できないといけないなと思っていましたし、マッスルデリさんのブランドとしても、コラボにあたって目指すべき数値ということでその目標は一致していました。
でも、タンパク質が10g以上入っているアイスって、日本はもちろん、世界でもそれほど多くは商品化されていないんです。逆に言えば、それだけ開発が難しいということなのだと思うのですが、最初に試作品を作ってみたときには、なぜかうまくできていたこともあって、開発にこんなに時間がかかるとは正直思ってもみませんでした。
新卒でロッテに入社してから20年間、これまでずっとアイスの開発を続けてきたのですが、開発人生のなかでも一番むずかしい開発になりました。
タンパク質の種類選びに苦労。試作は100回超え
──そんなに苦労されていたんですね…。開発ではどこが一番大変だったのでしょうか?
どんなタンパク質をどう組み合わせるのか、それを見つけるのが本当に大変でした。
通常アイスを開発する場合、乳製品などのタンパクを含む原料を使うときには2〜3種類から選ぶことが多いのですが、今回の場合は、かなりの量のタンパク質を入れる必要がありました。そこで、まずは乳たんぱくや大豆たんぱくなど様々な種類の原料を試すことからはじめました。
私がみたところ、パウダーのタンパク質は30〜40種類ほど売られていたのですが、アイスとして使える原料の条件としては、水への分散性や耐熱性が必要になるので、その中から約10種類がタンパク質の候補になりました。海外の論文をみたり、タンパク質を専門に研究している研究員、さらにアイスの権威である海外在住の研究員にも相談したりしながら、タンパク質の種類と配合を何度も試しました。それでもアイスがうまく固まらなかったり、なめらかな口当たりにならなかったりと失敗の連続でした。
開発開始から半年くらいたったとき、かなり手応えのあるタンパク質の組み合わせが見つかり、研究室にある巨大なプラント設備で150キロのアイスを仕込みました。すると加熱した途端、球の形になったタンパク質が一気に浮き上がってしまって……。
過去に見たこともない結果に終わり、まわりの研究メンバー達は「そろそろ諦めたほうがいいんじゃない?」と、いつ声をかけようか迷っていたそうです。でも「ここまでやってきたんだから、何とかして完成させたい」という思いがあって、結局、100回以上の試作を繰り返して、やっと完成させることができました。
目指したのは「毎日食べても飽きない味」
──味へのこだわりを教えてください。
長年積み上げてきた「モナ王」ブランドのおいしいアイスへの信頼を裏切らないように、味にもこだわっています。日々のトレーニングのあとに、がんばった自分へのご褒美として食べてもらいたいという思いがあるので、おいしくて毎日食べても飽きないような味わいを目指しました。YOUR MEALさんとも何度も試食を重ねました。
タンパク質を含むので、そのまま作ってしまうとアイスからタンパク質特有の臭いがしてしまいます。そこで原料の選定はもちろん、モナカの香ばしさや甘い練乳のような乳たんぱくソースを入れて美味しさをプラスしたことで、通常の「モナ王」に比べると練乳っぽい、モナ王として初めてとなる「ソース入りモナ王の美味しさ」を楽しんでもらえると思います。ちなみにバニラアイスだけでなく、乳たんぱくソースと外側のモナカにもタンパク質を加えています。
ターゲットは20代・30代の若い世代
プロモーションムービーの撮影に協力いただいたマッスルな方々
──困難の末に完成した「モナ王×マッスルデリ バニラ」ですが、どんな人に食べてもらいたいですか?
「モナ王」に関しては幅広い年代に食べていただいていますが、今回の「モナ王×マッスルデリ バニラ」に関しては、日常的にプロテインなどでタンパク質を摂取する習慣もある20代、30代など若い年代をターゲットにしています。
──パッケージも印象的です。「モナ王」と言えば、ロッテのアイスの看板商品の一つですが、社内からの反発はなかったのでしょうか?
腹筋を連想させる思い切ったデザインですが、「これ、面白いね」と意外にも賛同してもらえました。くすっと笑ってもらえるようなパッケージにしたいと思っていたので、若い人にも手にとってもらえると嬉しいです。
「モナ王×マッスルデリ バニラ」をきっかけに、これまであまり「モナ王」を食べたことのない人にも、その魅力が伝わればいいなと思っています。
マッスルデリとのコラボに期待
──「モナ王×マッスルデリ バニラ」は、私達YOUR MEALのブランドである「マッスルデリ」とコラボさせていただいています。マッスルデリとしても、私達のブランドをもっと多くのお客様に知ってもらうきっかけにしたいと思っています。
若い世代に人気のあるマッスルデリさんは、ダイエットをする方などに向けた食事を提供しており商品コンセプトがはっきりしています。
タンパク質をアピールする「モナ王×マッスルデリ バニラ」は、マッスルデリさんのターゲット顧客にも刺さる商品だと思い、私達も期待しています。今回のコラボはロッテの「モナ王」にとっても初めての挑戦です。どんな方に食べてもらえるのか、今からワクワクしています。
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