介護付き有料老人ホーム「ドマーニ神戸」。栄養管理の取り組みが評価され厚生労働大臣表彰を受賞。高齢者の健康を維持しながら、食べる楽しみを提供するために力を尽くす管理栄養士の想い
住友林業のグループ会社であるスミリンケアライフが運営する介護付き有料老人ホーム「ドマーニ神戸」は、「令和5年度栄養関係功労者に対する厚生労働大臣表彰」で特定給食施設として表彰を受けた。管理栄養士として、入居者に毎日健康的で美味しい食事を提供するため日々奮闘する森の姿を追う。
森 恵美。2017年スミリンケアライフ入社。ドマーニ神戸で管理栄養士を務める
1995年に開設したドマーニ神戸は神戸市内の閑静な住宅街にあり、総戸数253戸で自立している方から要支援・要介護状態の方まで幅広く入居を受け入れている。森が入社したのは2017年で、前職では給食委託会社の管理栄養士として病院と有料老人ホームの厨房で食事提供をしていた。現在、ドマーニ神戸の管理栄養士は森一人で、毎日の献立作成や栄養管理、衛生管理を担当している。「厨房側の経験しかなかったので、施設の中で入居者と直接関わりを持ちながら栄養管理をしてみたいと思い入社しました」
玄関を入り、エントランスホールの正面には中庭「ドマーニガーデン」が。
そのガーデンを囲むように共用部が集まり、
住まう人を想う暮らしやすい住環境に整えられている。
スタッフが一体となって取り組む食事管理
ドマーニ神戸では2019年に日々の栄養管理・改善、食生活改善の取り組みが評価され、兵庫県が実施する知事表彰を受けた。この度の「厚生労働大臣表彰」はその後の継続的な取り組みが高く評価されたもの。
「大変光栄に思います。ドマーニ神戸では介護士や看護師、リハビリスタッフが入居者一人ひとりの些細な体調の変化を細かく見ていて、職員同士できちんと共有しているため栄養管理しやすい体制です。さらに細かな要望に応えてくれる厨房委託会社の協力のおかげで、今回の表彰につながったのだと思います」
ダイニングルームに飾られている表彰状
知事表彰を受賞した2019年から現在の委託会社が厨房を担当していて、それ以前は別の会社に委託していた。
「より良い食事提供をするため委託会社の変更に至りました。私たちが求めているのは、高齢者の特性に十分配慮でき、現場で入居者を知った上で一緒に献立作成をしたり、ホーム内での行事にも協力してもらえることでした。手作りで提供できる料理が増え、四季の変化を感じられる行事食も提案してもらっています。天ぷらや握り寿司、鉄板焼き、喫茶時間にはクレープなどをダイニングで実演提供するイベントも実施し、入居者にも喜んでいただいています」
ホームの独自基準で徹底した栄養管理を行い、食べる楽しみを提供
メインメニューは他ホームでは1種が多いところ、ドマーニ神戸ではそのときの気分に合わせて選べるよう2種の日替わりメニューを用意している。週に2~3回の頻度で、節分など季節ごとの行事食やご当地メニュー、旬食材を使用する普段よりも特別感のあるイベント食を提供するなど、食事内容に変化をつけている。
「バリエーション豊富なメニューはもちろんですが、高齢者の健康維持には、毎食しっかり栄養を補うことが大切です。目標栄養量に見合っているかどうかを月平均で考えると、日ごとや一食ごとで見たときにどうしても栄養量にバラつきが出てしまいます。一食ごとに管理しているホームはなかなかありませんが、スミリンケアライフでは、“ホーム食事基準”を設け、たんぱく質や緑黄色野菜などに対して毎食あたりの使用量を細かく定めて献立を作成しています」
取材に訪れたこの日は、イベント食。メインメニューは姫路おでん。
副菜、小鉢、汁物、デザートと彩りも豊か。
朝、昼、夕の3食で1日に必要な栄養量がきちんと摂れるよう計算されている。
メニューは栄養量、彩り、味のバランス、予算、完食してもらえる内容であるかなど、様々なことを考慮して決めていく。
「近ごろは、食品原料の高騰や輸送コスト、人件費の上昇が続き、あらゆる食材が値上げとなっていて献立作成に苦労することもあります。舌が肥えている入居者が多く質の高い食事を求めているので、決められた食材費の中で、いかに満足度の高い食事を提供できるかが課題です」
そこで、厨房業者と食材一つひとつの価格や仕入先を確認しながら、食材の質や楽しみも妥協することなく、コストダウンに取り組んでいる。
「毎食あたりで基準を定めているたんぱく質源は、使用重量あたりの価格とたんぱく質含有量を比較し、効率良く栄養価をあげられる食材を選択しています。使用頻度が高い食材や食器での演出も見直し、より楽しみを感じてもらえるよう工夫しています」
献立は約1ヵ月半先まで作成する。気になる部分をチェックし、
必要に応じて変更案やアイデアを加え、厨房側と数回やりとりを繰り返し決定する。
入居者だけでなく調理する側の目線に立ち、臨機応変に対応
厨房栄養士との献立作成のための献立会は週に3回程度行う。まずはメインメニューを決め、その後、厨房側から副菜、小鉢、汁物の提案があり、同じメニューを繰り返さないよう打ち合わせを重ねながら献立を最終決定していく。
「献立を決める際は、介護・看護しているスタッフの意見も取り入れています。通常刻み食は何センチと決められていますが、スタッフから“麺類の刻んだものを汁の中からすくうのが大変そうだった”という意見が出たら、厨房側に伝え柔軟に改善するようにしています。私は前職で厨房の経験があり、食事変更があればどんな作業が生じるか、ある程度想像ができます。そのためこちら側の要望を一方的に押し付けるのではなく、相手の目線に立ちながらホーム側と中立の立場で進めるように心掛けています」
朝、昼、夕と毎食、必ず検食する。
「皆さんに美味しく食べてもらうためには、味はもちろんですが、見た目も大切。例えば、今日のおでんは彩りを考えてあえて人参を入れています。外食したとき、気になるメニューや器があると撮影して、似たような器を探すこともありますね。味はもちろんですが、器や食材の彩りなど、見た目を工夫することで食欲を高めることも意識しています」
管理栄養士のやりがいとは
高齢者は食欲不振や咀嚼、嚥下(えんげ)能力の低下など、様々な要因で食べることが困難になる。それに伴い、筋力や免疫力、認知機能の低下など、心身に悪影響を及ぼし、生活の質の低下を招いてしまう。
「毎月20名くらいを対象にアセスメントを行い、普段の食事の状況を直接見て、喫食率、体重の増減率を確認しています。私だけでは把握しきれない健康や生活面の情報は介護士や看護師に聞きながら、その方の必要量に対して実際に摂取している栄養量に過不足がないか、体重の増減やBMIを見ながら調整しています。入居者と直接コミュニケーションを取りながら、栄養だけにこだわり過ぎず、楽しみや習慣を尊重した、その方にとっての最善の食事提供ができたときにやりがいを感じます」
ホームならではの「食」の魅力を向上させていきたい
「ホーム内での栄養マネジメントは、栄養バランスのとれた美味しい食事であることが重要です。ホームの細かな食事基準を守った上で、今後はさらに入居者の特性に合わせたアレンジをして、より一層食への興味がかきたてられるような食事を提供していきたいです。美味しく、健康的で、楽しめる献立を考え、食事がドマーニ神戸を選んでもらえる理由の一つになるよう、魅力を確立させていきたいと思います」
一般居室の一例。全戸南向きの明るく開放的な空間で、壁面に無垢材を使用するなど住友林業グループならではの木質感溢れる内装が特長。
ドマーニ神戸
兵庫県神戸市垂水区本多聞3丁目1番37号
078-787-2600
https://www.s-carelife.co.jp/home/kobe/
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