トップページへ

“好き”でつながる

ランキング
ワタシの生き方 by PR TIMES

「自社だからこそ解決できる社会課題」見極めていますか?「こどもSDGsプログラム」の誕生とピープル株式会社の事例

この記事をシェア

株式会社ここるく(以下、ここるく)は、2022年に「こどもSDGsプログラム」と題したコンサルティング事業を開発し、企業と保育園児とが持続可能な未来を共創するプログラムとして展開しています。本プログラムの実施により、企業は事業の推進と社会課題の解決を両立させることを目的とし、また保育園児たちにとっては本質的なSDGs教育の機会が得られるという、両者にとって有意義なプログラムとして設計しています。本ストーリーでは、このプログラムの誕生と実施の裏側をご紹介します。


株式会社ここるく代表 山下真実

子育て支援ベンチャーによる「こどもSDGsプログラム」の誕生

ここるくは、金融系コンサルタントとしてキャリアを積んできた代表の山下真実が、出産・育児を通して経験した日本の子育て課題を解決しようと起業した子育て支援ベンチャーです。2013年に本邦初の「託児付きランチサービス」を開始。また2019年には恵比寿で乳幼児教育事業「0歳からのモンテッソーリ教育~はじめの親子教室」をスタート。創業当初より、全国の保育園・教育機関との交流により最新の乳幼児教育をアップデートし続けてきましたが、ここ数年「SDGs教育にどう取り組んだらよいのか?」という保育現場からの生の声を聞くことが増えてきました。「ご飯を残さず食べよう」「廃材をリサイクルしよう」といったSDGs活動に留まらず、未来を生きるこども達が考え行動することを促す本質的なSDGs教育が理想的ではありますが、現場の保育者だけでは限界があるのが現状です。


一方、代表・山下がここるくの女性活躍推進・働き方改革コンサルティング事業を通して見てきた大手企業を取り巻く状況やプライム企業の社外取締役としての経験などから、企業が本業を通じて社会課題を解決することの難しさも目の当たりにしてきました。社会課題の解決に意欲的な企業は増えているものの、ESG経営やCSV経営に対するステークホルダーからの期待が高まる中、事業活動を通じた実現に苦心しているのが現状です。


そこでここるくは、企業が取り組むべき社会課題の見極めに伴走し、そこに本質的なSDGs教育を求める保育園をマッチングすることで、共に社会課題の解決を目指すプログラムを開発しました。子育て支援ベンチャーとして「こどもまんなか社会」の実現を目指すここるくだからこそ辿り着いたサステナブルな取り組み、それが「こどもSDGsプログラム」です。


事例「おもちゃとジェンダー」(ピープル株式会社様)

「こどもSDGsプログラム」の一例として、1982年創業の老舗おもちゃメーカー、ピープル株式会社(以下、ピープル)との取り組み「おもちゃとジェンダー」をご紹介します。


経営陣・プロジェクトチーム・ここるくが対話し、取り組むべき社会課題を明確化

ピープルが既に取り組んでいた製造過程でのCO2排出量低減やISO対応などにプラスして、「ピープルだからこそ貢献できる社会課題は何なのか?」このテーマのもと、経営陣・プロジェクトチーム・ここるくが同じ温度感で思いを共有するための「対話」が始まりました。その中で、ピープル代表で2人の男児を育てる桐渕真人氏から出た1つの発言が、全体の方向性を決定づけていくことになります。「次男は自宅でぽぽちゃん人形を非常にかわいがって遊んでいたものの、年少さんになった3歳頃から女の子の遊びだと言って手に取らなくなった。親として、おもちゃメーカーとして、こどもが好きな遊びを好きなだけ自由に楽しんでもらえる社会を作りたい」と。これをきっかけに、おもちゃがこどものジェンダー観に与える影響の大きさと、おもちゃメーカーとして担うべき責任に目を向けた議論が展開されました。「男の子だから、女の子だからというジェンダー差別を生み出す社会構造を変えたい」「こども達が遊びたいもの、興味があるものを能動的に選べる環境を作りたい」「男女が満遍なく1つのおもちゃで遊ぶことが目標なのではなく、こども達が好きなことを自由に表現できることを目指したい」という議論を経て、「本当の意味でのジェンダー平等を実現するおもちゃを作る」を捉えるべき社会課題とし、そのための基本姿勢として「好きなモノ・コトを選ぶ時に性別は関係ない」というメッセージを世の中に発信したいとい共通認識に至りました。


保育園に新しい環境とおもちゃを提供し、こどもたちの行動や言動を観察するプログラムを実施

課題の明確化を受け、今回のプロジェクトでは保育園に下記の環境を提供することにより、こども達の変化を捉えるプログラムとなりました。


■ピープル製品を含めた全18種類の新しいおもちゃを保育園に導入し、そのおもちゃで遊ぶこども達の様子を約2カ月に亘って観察する

■おもちゃの選定は、男児用・女児用(メーカーによる性別の対象設定があるもの)のバランスが偏らないよう留意する

■おもちゃのパッケージに上記の対象設定が表現されやすいため(例:女児用おもちゃの外箱がピンク色で女の子モデルが掲載されている)、予めパッケージを外しておく

■こども達が好きなおもちゃを選択して遊べる状態を整え、維持する

■保育者は次の点に留意して対応する

a. こども達がジェンダーに対してどのような感覚を持っているかを客観的に捉え、その時の状況、行動、発言などと合わせて記録する

b. こどものおもちゃの選択や言動が保育者自身のジェンダー観と異なる場合、否定や訂正をしない



 

ここるくがピープルのプログラムにマッチングした保育園は、全国に先駆けてこども主体の保育を実践してきたことで知られる、栃木市の「認定こども園さくら」。園内プログラムは、4歳児クラス(期間中に4歳児に進級)67名を対象に行い、まずはここるくが製作した「SDGsデジタル絵本」の上映からスタート。世界に存在するSDGs課題を表した画像を使って分かりやすく解説した上で、こども達が中心となって対話することでSDGsを自らの身近な問題と捉えられる土台を作ります。そして上記の保育環境の設定へと進み、約2カ月間にわたってこども達の様子を観察しました。


こども達が自発的に見せた、性差にかかわらず自由に遊ぶ姿。SDGsの本質に大人が気づかされた

 

環境導入当初は、これまで遊び慣れたもの、きょうだい構成が影響したものと、遊び方に偏りが見られましたが、期間を通じて、男女の性差に関わらず交わって自由に遊ぶ姿が見られるようになり、また「自分の好き」が尊重されることで、「相手の好き」も同じくらい大切だと気づく姿を捉えることができました。このように誰かの幸せを想い、尊重できる力こそ、「みんな(各国)が力を集結して課題を解決する。誰も置き去りにしない」というSDGsの精神そのものであり、こども達の姿から我々大人がSDGsの本質に気づかされるという結果に。


現在ピープルでは、ジェンダー平等おもちゃの販売に向けた社内プロジェクトが2つ立ち上がり、ローンチに向けて進行しています。ピープル代表の桐渕真人氏は「こどもたちはそれぞれ、いろいろな『好き』を生まれ持っていて、ジェンダーバイアスがかからなければ、性別によって必ずしも『男(女)の子だからこれが好き』と一概にくくることができないことが、今回の活動で改めて確信できました。生まれ持った『好き』を丸出しにして遊ぶことができるよう、私たちには本業を通してできる役割があると思いますので、今後さらにこども達の『好き』と向き合い、思う存分発揮してもらえるような活動に深めていきたいと思います」と語ります。


2カ月間集中コンサルティングを2023年8月から開始

「こどもSDGsプログラム」は通常5~6カ月ほどかけて実施しており、最初の2カ月間で集中的に、その企業が取り組むべき社会課題を見定めてチーム内(社内)の課題意識を高めるプロセスを行います。「こどもSDGsプログラム」にお問合せをいただく企業の多くがこのプロセスに興味を持たれていることから、ここるくでは、企業の本業による強みを活かして解決すべき社会課題の見極めとチーム内(社内)の意識統一に特化した2カ月間の短期集中コンサルティングを2023年8月より開始します。


ここるくのような他社の介在が無くても、こうした「その企業が取り組むべき社会課題」に対して議論が進み、課題解決を推進できることは企業としての理想のあり方と言えるでしょう。企業が「社会の中でどういう価値を発揮すべきか」を考えるべき現代においては、社会課題解決企業として存続するここるくのセンサー能力がサステナブル社会の実現のひとつのきっかけになることを願ってやみません。


【こどもSDGsプログラムについてはこちら】

<株式会社ここるく 会社概要>

商号: 株式会社ここるく

代表: 山下 真実

本社所在地: 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目11-6

設立: 2013年12月11日

資本金: 300万円

従業員数: 9名(2023年3月)

事業内容:

・コンサルティング事業

・乳幼児教育事業

・託児付きランチサービス『ここるく』の運営

受賞等:

・日本商工会議所・全国商工会議所女性会連合会主催『第14回女性起業家大賞』最優秀賞

・三菱東京UFJ銀行主催『第1回Rise Up Festa』最優秀賞




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
太陽
ワタシの生き方 by PR TIMES
の最新記事
国際女性デーにちなんだミモザのアイテムで女性支援! フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」が生産団体とともに手掛ける手刺繍アイテムの制作ストーリー

国際女性デーにちなんだミモザのアイテムで女性支援! フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」が生産団体とともに手掛ける手刺繍アイテムの制作ストーリー

2025年03月06日 |

13:05


開かれた研究農場であるために。未来ある子どもたちに向けて

開かれた研究農場であるために。未来ある子どもたちに向けて

2025年03月04日 |

09:30


自然な甘さと腹持ちの良さで女性の心を掴んだ「Fibee むぎゅっとワッフル」開発者の思いと奮闘

自然な甘さと腹持ちの良さで女性の心を掴んだ「Fibee むぎゅっとワッフル」開発者の思いと奮闘

2025年03月03日 |

14:00


予防相続で争族に備える【後編】

予防相続で争族に備える【後編】

2025年03月03日 |

11:00


育て上げネットによる若者向け自己理解を深めるプログラム「シル・ミル・テミル」の事業開発ストーリー

育て上げネットによる若者向け自己理解を深めるプログラム「シル・ミル・テミル」の事業開発ストーリー

2025年03月03日 |

10:00


将来的なクラウドシフトを見据えた、新たな監査の仕組みを形に―データベース監査システム刷新プロジェクト

将来的なクラウドシフトを見据えた、新たな監査の仕組みを形に―データベース監査システム刷新プロジェクト

2025年02月28日 |

11:00