肌悩みの中でも手ごわい「角栓」の解消に挑む。メイクを落としながら毛穴汚れも同時に除去!花王が4年をかけて開発した新クレンジング技術開発の裏側
多くの人が肌悩みとして挙げる「毛穴」。その中でも、特に角栓は、なかなか解決しづらい手ごわい悩みです。半ば諦めている方もいるのではないでしょうか。
長年、そんな毛穴汚れの一つである、角栓の解決に挑戦してきた花王。いろいろな商品を提供しながら、角栓そのものについても研究を続けてきました。そして実現したのが、メイク汚れと角栓の解消を同時に叶える新クレンジング製剤の開発です。新技術開発に要した歳月は4年。その裏側について、研究担当の苑小莉さんと開発担当の山口みずほさんに聞きました。
左から、花王株式会社 研究担当 苑小莉さん・花王株式会社 開発担当 山口みずほさん
毛穴の目立ちは肌悩みの2位。毛穴目立ちは肌の印象を左右する大きな要素
さまざまな種類がある肌悩み。花王が2022年7月に調査*したところ、肌悩みの1位がシミ・ソバカス、2位が毛穴の目立ちという結果が出ました。特に毛穴目立ち悩みは年代問わず悩んでいる人が多く、マスクを外す機会が増えてきたなか、より悩みが大きくなりがちな傾向が見られます。
*花王株式会社化粧品におけるベンチマーク調査(2022年7月 N=702)
「毛穴は顔の肌の約4%を占めることがわかっています。数字だけ聞くと大したことのない割合に思えますが、白い紙に約4%点を並べると、白い紙には見えません。毛穴が汚れていると、それだけ肌がくすんで見え顔全体が暗く見えてしまう一因となります。」(苑さん)
※肌の約4%を毛穴が占めている時の見え方のイメージ
毛穴目立ち悩みとひとくちにいっても、その種類は黒ずみ汚れ、開き、角栓と細かく分かれます。この中でも毛穴目立ちの一因である角栓は、しっかり洗っても落としにくく、効果を実感しにくいと感じる方が多くいるのが現状です。
「生活者のなかでも角栓は頑固で手ごわいものと認識されているようです」と山口さん。自身も抱えてきた悩み解消のためにも、新技術の開発に力が入ったと語ります。
試行錯誤は300回以上。
1つのクレンジングで、メイク・毛穴汚れを除去する技術の開発を
古くは毛穴パック時代から、角栓について調べてきた花王。これまでに角栓洗浄技術を開発し、洗顔料への応用、研究を重ねてきました。そうした背景があるなかで、今回、苑さんをはじめとするスキンケア研究所メンバーと山口さんたちが取り組んだのは、「角栓をも除去できるクレンジング技術の開発」。メイクを落としながら、同時に角栓もサッと落とせる技術開発を目指しました。
※花王 スキンケア研究所メンバー。日々チーム一丸となって新技術開発や研究に取り組む
しかし、メイクと角栓の両方を落とすのは実はとても難しいことなのだと苑さんは説明します。角栓を構成しているのは脂質とタンパク質です。これらが層状になることで、多くの人を悩ませるしつこい角栓が生まれます。従来の花王のクレンジングオイルは、角栓の構成要素のうち、脂質を溶解することは可能でした。しかし、角栓は脂質とタンパク質が絡み合ったもののため、従来の花王のクレンジングオイル技術では角栓洗浄効果を得られにくかったといいます。
※新製剤の品質・性能安定性の確認
「油や粉、ワックスなどからなるメイクと角栓とは化学的性質が大きく異なるんです。そのため、メイクを落としながら角栓を取り去るクレンジング技術を開発するには、メイクを落とす成分と角栓を取る成分を共存させる必要がありました。ただ、メイクを落とす成分によって角栓がとれにくくなったり、角栓を取る成分によってメイク落ち性能が低下したり、といった成分の共存には課題があることが分かりました。つまり、メイクはつるっと落とせても、今度は角栓が落とせないといった具合に、どちらかを取ればどちらかが取れないという汚れ落ち性能の両立に難しさがありました。」
そこで開発された新技術は、角栓を取り除く「ローション層」と、メイク落とし性能を持つ「オイル層」から成る、2層式のクレンジングです。
※ローション層とオイル層による角栓・メイクふき取りメカニズム(イメージ)
クレンジング製剤を使う際によく振ってコットンに出すと「ローション層」と「オイル層」のそれぞれがコットンの表面に存在して、メイクや角栓等の汚れに直接接触させることができるのでそれぞれの層の機能が邪魔されずに発揮、角栓への洗浄性を損ねずに高いメイク落ちを実現します。(苑さん)
品質や性能を安定的に維持するため、苑さんの試行錯誤は300回を越え、新技術の開発には4年もの年月が費やされました。
皮脂を内部から噴出しながら角栓が“崩壊“する様子
動画タイトル:角栓崩壊動画
毛穴パックを使って毛穴から取り出した角栓に、新製剤の「ローション層」と「オイル層」を混ぜた液を接触させると、角栓が“崩壊”する様子が観察されました(動画)。新製剤で肌をふき取ると、1回使用するだけで有意に角栓面積が減少することがわかりました。さらに、従来の花王のクレンジングオイルと同等の高いメイク落とし性能があることも確認し、狙い通り「角栓をも落とせるクレンジングオイル技術」が開発できました。
※ふき取り後の角栓面積減少
シェイクした液をコットンに出して肌をふき取ると1回使用するだけで、角栓面積が有意に減少。
また、新製剤は毛穴の周りの「皮脂が混ざったメイク」の洗浄性が従来の花王のクレンジングオイルと比較して高いことがわかりました。これは、肌の表面やメイク内部に存在する皮脂が、「ローション層」によって水になじみやすく肌から離れやすい状態に変わり、皮脂の周りのメイクもコットンで拭き取られやすくなるためと考えられます。
※皮脂の混ざったメイクが落ちるメカニズム(イメージ)
また、製剤の開発と同時に、ふき取るためのコットンの開発も進められました。ふき取り型クレンジング製剤の強みについて、山口さんは「コットンでじゅわっと製剤をなじませることで、丁寧に汚れを取り除けること」だと説明します。
※新製剤が角栓崩壊に力を発揮する様子の観察
「コットンを使って汚れに製剤をしっかりなじませると、より効果的に液を肌に行き渡らせることができます。頑固な悩みに寄り添える製剤の強みを生かせるよう、製剤にあわせて専用コットンも開発しました。ふき取りと聞くと、摩擦が気になる方もいるでしょう。そんな方にも安心して使っていただけるように機能だけでなく使い心地にもこだわりました」(山口さん)
※ふき取り前後の毛穴周辺の様子
クレンジングは美肌をつくる第一歩。新クレンジング技術で、美肌の土壌づくりを
開発した新クレンジング製剤のモニター調査では良好な結果を得られ、苑さん、山口さんは「これまでにないクレンジング製剤ができたのでは」と自信を見せます。
「今回、新クレンジング製剤のモニター調査では、単に汚れが落ちたかだけではなく、約1か月間使い続けたときの肌変化についてもアンケートしました。毎日使い続けたときの肌変化の声を聞いて、毛穴の奥まで汚れを落としてあげるクレンジング行為は、明るい美肌をつくるになるための土壌を整えることなのだという私の再認識にもつながりました」(山口さん)
山口さん自身も、試作品を使った際、小鼻のざらつきが落ちて感動したのだそう。「これまで角栓悩みが解決せず、半分諦めているような方にこそ、新しいクレンジング製剤を試していただきたい」と熱く語ります。
「新クレンジング製剤を使うことで、クレンジングはスキンケアの第一歩であることを感じて頂けると思っています。これまでなかなか落としにくかった汚れをもしっかり落とすクレンジングを使うことで、より一層モチモチ明るい肌になっていただきたいです。今後もお客様の肌悩みを解決し、より美しい素肌を引き出すスキンケア商品を開発していきたいと思っています。」(山口さん)
左:苑小莉:花王株式会社 研究開発部門 スキンケア研究所
2018年花王入社。花王(中国)研究開発中心公司でのスキンケア商品開発の経験を活かし、入社以来、洗顔料やメイク落としの商品開発、技術開発に携わる。
右:山口みずほ:花王株式会社 化粧品事業部門 リージョナル商品開発
2019年花王入社。他社での化粧品研究開発から花王に転職。入社以来、スキンケアの商品開発に携わる。
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