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初対面から約30年!脚本家・オークラが語る“役者・バカリズム”「感情がハマればどんな役も演じられる」

毎週金曜21時~『イップス』

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バカリズム&オークラ 久しぶりの再会は「子どもの話ばっかり(笑)」

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──バカリズムさんとオークラさんは以前から親交があるそうですが、今作の森野の役柄について事前に話したことはありましたか?

バカリズム:話してないですよね(笑)。

オークラ:バカリズムが忙しすぎて、連絡を取るのが申し訳なくて(笑)。

バカリズム:いやいや!オークラさんも他の作品を抱えていましたから。1度、番組の収録で会いましたけど…。

オークラ:ほとんど互いの子どもの話ばっかりしていましたね(笑)。

バカリズム:そうでした。ただ、昔コントを一緒に作っていたときから、具体的な話ってあまりしていなかった気がします。だいたい、台本に書いてありますから。

オークラ:ちょっと野暮な感じもありますしね。あとは、バカリズムが脚本家としてもどんどんすごい存在になっていくから、僕も緊張しちゃって(笑)。

バカリズム:そんな!

オークラ:「俺の脚本のことどう思ってんだろう」とか(笑)。

──以前のインタビューで「とにかくセリフが多い」と話していました。

バカリズム:本当にセリフが多いんですよ!以前からオークラさんは、僕に長ゼリフとか、説明セリフを当てようとするところがあって。今回も「やっぱり」と思っています(笑)。

オークラ:僕のなかで、バカリズムは頭が良くて、説明がちゃんとできる人っていうイメージがあるからね。

バカリズム:でも、お互いに風呂なしの家に住んでいた頃からの付き合いだから、こうやって一緒にドラマをつくれるって感慨深いですよね。

オークラさんと初めてお会いしたとき、僕はまだ19歳で、オークラさんもまだ芸人をやっていましたから。家に泊まりに行ったり、一緒に銭湯に行ったりしていたんです。

2人で世の中やお笑い界に対する愚痴や不満を言いながら、仕事がもらえない時代を共に過ごしてきた間柄だから、フジテレビのゴールデンプライム帯で一緒に仕事ができることが不思議!

オークラ:ははは(笑)。まさにその通り。こういう形で一緒に仕事ができて本当にうれしいです。

バカリズム&オークラ お互いの“脚本”に思うこと

──今回バカリズムさんは役者として作品に参加していますが、近年ドラマの脚本を担当することも多くなってきています。お互いの脚本作品を見たときに“らしいな”と思うポイントはあるのでしょうか?

バカリズム:オークラさんは、コントにしてもドラマにしても、必ず「言いたいことがある」ということを感じます。僕はどちらかと言うと特に言いたいこともなく書いているんですけど。

コントをつくっていたときから「この作品では、こういうことを言いたい」と明確にある人なんだなと思っていました。

『イップス』で“言いたいこと”は、毎話の終盤、ミコさんが犯人に語りかけるなかに含まれているのかな、と。そういうメッセージが明確にあるので、向かうところが分かりやすい印象ですね。

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──オークラさんは、バカリズムさんの脚本についていかがですか?

オークラ:コントのなかで一つルールを作って、そのルールをうまい具合に笑いにしていくところがバカリズムは天才的で。初めて見たときに衝撃を受けましたし、「この路線では勝てない」と思っていました。

それから僕は作家になり、メッセージ性とか「この人って、結局こういう人間なんだな」という部分を重点的に考えて書こうと考えるようになって。そこにどうお笑いを絡められるかということを意識して作品を書いていました…けど、バカリズムへの妬みもありました(笑)。

バカリズム:ははは(笑)。

オークラ:一緒に仕事をするなかで、だんだん自分の中でもすみ分けができるようになって、楽しくなってきていますけどね。

バカリズム:あと、たぶんこれは職業の違いだと思うんですけど、作品に入れ込むものが違うんです。芸人の僕はコントを数年後にもやることを想定して作品をつくっているので、基本的に“その時代のもの”はあまり入れません。でも、作家のオークラさんはトレンドのものを必ず入れてくるんですよ。それは意識的なのか分からないですけど。

今回のドラマでも第1話にサウナが出てきていますし、今まで考えたことがなかったけど「そういう違いか」と。

オークラ:確かに、テレビドラマをつくるときは、その時代にお客さんが触れているものを意識して入れています。

バカリズム:コントだけ作ってるのとはまた違いますよね。

オークラ:だから、今回のドラマでは職業も“今っぽい職業”にしているんです。サウナの熱波師とか。他にも“今っぽい犯行理由”とか、“今っぽいプライド”って時代によって変わると思うので、そこは意識していますね。

バカリズム:そうそう、ちゃんと若い人の文化を知っているんですよ(笑)。僕もおっさんだから「あぁ、こういう感じなんだ」と作品のなかで新しいことを知ることもあって。オークラさんはカルチャーに敏感ですよね!

オークラ:ちゃんと若い子としゃべらなきゃいけないなと思うんですけど、今、若い子と積極的にしゃべろうと思うと…時代的に誤解されちゃうじゃないですか(笑)。

バカリズム:そうなんですよね。若い子の砕けたしゃべり方も勉強したいと思うけど、おっさんから話しかけられたらキモイだけですから(笑)。本当にどこで吸収したらいいか分からない。

オークラ:苦労しますよね。僕は、信頼の置ける人としかしゃべらないようにしています。

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