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エクステリア製造会社がパラソルなどの「キャンバス地の端切れ」をアップサイクルしたトートバッグの開発秘話

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タカノ株式会社(本社:長野県上伊那郡宮田村)の事業の一つ「エクステリア事業」では、オーニング(日よけ)やパラソルなどのエクステリア製品を開発・製造・販売しています。そして、このエクステリア製品の製造過程で発生する“キャンバス地の端切れ”で作ったトートバッグ『ルビーバッグ』を、エクステリア工場(長野県駒ヶ根市:正式名称は馬住工場)隣接の展示場「ルビーの里」で販売。2023年3月からはオンラインストア(店舗名は「ルビーの里の小さなアトリエ」)でも販売を開始しました。


本ストーリーでは、端材のアップサイクルから生まれた『ルビーバッグ』立ち上げの背景をお伝えします。




オーニングに使用される丈夫なキャンバス地

タカノのエクステリア工場では、カフェ・レストランや屋外施設のオーニング(日よけ)を開発・製造しています。製品づくりに欠かせないのが、キャンバス地です。オーニングは雨風や紫外線の絶えない屋外環境に設置し、何度も開閉されるため、撥水性があり、丈夫なキャンバス地を使用します。




オーニング・パラソルの本場、イタリアから輸入したカラフルな生地や、国内メーカーの機能性に優れた生地などがありますが、必要分を購入してオーニングを縫製するものの、どうしても端材が発生します。撥水・耐久面の性能が高く、高価な生地ですが、半端な大きさでは大型のオーニングは作れず、最終的には年間百キロ単位を廃棄処分していました。


そこで、この優れたキャンバス地をなんとか役立つものにできないかと試行錯誤して誕生したのが「ルビーバッグ」です。


誕生のきっかけは「丈夫でおしゃれなキャンバス地を、なんとか捨てずに活用したい」と思った一人の女性社員の行動からでした


以前から委託していた縫製工程を自社で行うことになり、工場内に縫製ラインを立ち上げました。立ち上げたばかりの縫製ラインを監督する(班長の)立場についた女性社員は、実際に縫製作業を進めていくなかで、余白が多く余ったり、全数を使い切らずに廃棄対象になる生地の多さに驚きました。

 「次に使えるかも」と保管していても結局使えず、保管場所にも限りがあるため廃棄することに。丈夫で、おしゃれな柄の生地を廃棄するのは、心が痛みました。





そこで、この女性社員が端材で簡単なトートバッグを試作し、上司に見せたところ好評。

キャンバス地の撥水性と丈夫さという特徴を生かし、また、加工しやすくて初心者にも挑戦しやすいのではないかという発想から「バッグ」を作ることにしました。また、『マイバッグ』という言葉が流行し始めていたことも念頭にありました。


「社員が営業資料を入れる袋」から、製品化へ


当社にはオーニングやパラソルの縫製技術はあるものの、厚手のキャンバス地での小物づくりは初めての経験でした。


最初は製品としての販売を意図せず、エクステリア製品の営業先に持っていく資料を入れる程度、または展示会で宣伝ついでに配布する程度のクオリティーと使用用途を想定して制作を開始しました。


しかし、縫製技術を伝えるツールとして、また、オーニング製品の展示場『ルビーの里』に併設してできた店舗に置く製品として、ブランド化して販売することに踏み切りました。


品質面やお客様が求める機能などを考え、改めてバッグの作り方を調べ、試行錯誤を繰り返してブラッシュアップしていきました。



「もっと使う人に身近で親しみやすいデザインに」と考えてたどり着いたトートバッグ


バッグにはさまざまな形、デザインがあり、差別化を考えると珍しい形に挑戦した方が喜ばれるのではないかと思い、試作を繰り返していました。しかし、「もっと使う人に身近で親しみやすいデザインに」と考えた結果、オーソドックスなトートバッグにたどり着きました。


ルビーバッグはS、M、Lの3サイズを展開しており、サイズごとに機能性があります。

Lサイズはマザーズバッグとしても使用してもらえるよう、大きめの容量、ポケットの量を多くしています。Mサイズは、肩掛けにも手持ちでもちょうどいい長さになっています。



キャンバス地の強みは丈夫さです。気を遣わず、色んな場所へ持っていける、シンプルで寄り添ってくれるバッグを目指しています。


口コミが広がり、リピーターも増えた


販売形態も変化してきており、最初は会社のイベントで売り出す程度でしたが、店舗で販売すると、口コミからリピーターの方も増えました。


キャンバス地を再活用したバッグというコンセプトとデザインに好感をもって購入されたお客様や、キャンバス地のストライプ柄が独特なデザインなので、「他にない柄」を気に入っていただき、購入される方もいらっしゃいます。



本業のエクステリア事業への貢献


エクステリア事業の主製品である「オーニング」は、まだまだ認知度が低いと感じています。ルビーバッグがオーニング製品を知ってもらうきっかけになり、認知度を上げることに繋げていきたいです。


さらに、縫製技術という面では、一部のオーニング製品から始まり、パラソル、タープ、カーテン(屋外用ビニール製)など縫製できるものが増えてきました。こういった大型の縫製から小さいものまで縫えるよう、縫製技術者たちのレベルアップを図っていきたいと考えています。


バリエーション展開や社外とのコラボについて


現在のトートバッグのかたちだけでなく、園芸用ガーデンバッグ、薪運び用バッグなど、丈夫なキャンバス地を生かしたバリエーション展開を試みてきました。また、他社とコラボしたオリジナルバッグ、エクステリア工場の周辺地域とコラボした商品展開など、社外と連携した製品作りもしてみたいと考えています。


ルビーバッグでキャンバス地をアップサイクルさせることで(Mサイズのルビーバッグ100個で、年間約10%の)廃棄削減に繋がります。誕生のきっかけとなった「捨てずに活用したい!」という思いを忘れずに、今後もキャンバス地を生かした製品づくりを続けて

いきます。


■製品概要

「ルビーバッグ」

屋外で使用するオーニング(日よけ)製品に用いられる、撥水性があり、丈夫なキャンバス地の端切れを再活用したサステナブルなトートバッグ。

2018年10月にオーニング展示場「ルビーの里」で開催したイベントで販売を開始し、以降ルビーの里の店舗で販売。

2023年3月22日よりオンライン販売開始

2023年4月3日よりオーダー受注開始




オンラインストア|ルビーの里の小さなアトリエ

https://rubybag.base.shop/


実店舗|日本最大級のオーニング展示場「ルビーの里」

https://www.rubynosato.com/exterior/

ルビーの里を含むエクステリア工場は、2023年1月に「緑化優良工場等 経済産業大臣賞」の表彰を受けました。




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