「湖池屋」野間和香奈が自身に課す“セブンルール”「『お客様を知る』ということがマーケティング」
2月16日(火)放送『セブンルール』
視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
2月16日(火)放送回では、スナック菓子メーカー「湖池屋」マーケティング部次長・野間和香奈(のま・わかな)に密着。
日本で初めてポテトチップスの量産化に成功し、黄色いパッケージでお馴染みの「のり塩」や、「カラムーチョ」などを世に送り出してきた湖池屋。
野間が手がけている、「ワンランク上の贅沢」をコンセプトにした「プライドポテト」は、リニューアルからわずか4ヵ月で20億円を売り上げる異例の大ヒット商品に。
湖池屋の商品全17ブランドの統括を任され、佐藤社長からも「彼女がダメと言ったものは出せないという基準が、僕の中に出来ました」と、絶対的な信頼を寄せられている、彼女のセブンルールとは。
ルール①:出社後は真っ先にSNSパトロール
昨年発売し、大ヒットを記録した、「プライドポテト 芋まるごと」。季節に応じて、厚みを調整したジャガイモを3度揚げしているこの商品は、塩を使わない味付けで、素材本来の旨味が味わえる。
女性客にファンが多く、実際の売り場で商品を手にとった女性からも「私はこの芋まるごとが好き。ジャガイモをそのまま揚げたような感じがするので」 と好評だ。
マーケティング部で次長を務める野間は、出社直後、欠かさず「SNSパトロール」を行っているという。
「湖池屋」と検索すると、そこには湖池屋の商品を食べた感想が溢れていた。「生の声がすぐ見えるというのは、このSNSのすごくいいところ」と話す彼女は、「例えば、どの商品と、どんな飲み物が一緒に飲まれているとか、こういうのを元に、商品の企画をいつも磨いていく」と、その活用法を明かした。
多くの感想の中から、「『ハッシュドポテト』がコーヒーに合う」というつぶやきを発見した彼女。「ハッシュドポテト」とは、細切りのジャガイモを一口サイズにした商品だ。
実際に、販売店からデータを集めると、コーヒーと一緒に購入されるケースが多いことが明らかに。彼女はそこから「『癒されたいのかな』とか『リラックスタイムのお供』というか。ポテトチップスとはまた違うシーンの創出ができているかな」と、分析。
「『お客様を知る』ということがマーケティングだと思っているので、ファンの方がいつも喜ぶにはどうしたらいいのか。『ひたすらもがく』というのが、マーケティングかなって思います」と語った。
何より大切なのはお客さんの声。彼女は、SNSのたった1つのつぶやきも見逃さない。
ルール②:ポテトチップスは「お菓子」ではなく「料理」
1953年創業、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した湖池屋。当時は、職人が1つ1つ手作業で揚げていたという。ジャガイモをただ切って揚げるのではなく、うま味を残し、カラっとした食感にするための温度帯など、おいしく仕上げることへの強いこだわりがあった。
しかし時が経つにつれ、「安くしないと買ってもらえない」ようになった。そんな状況を打開するためにスタートしたのが「プライドポテトプロジェクト」。高くても買ってもらえる、最高のポテトチップスを完成させた。
ある日行われたのは、プライドポテト新商品の味を決める試食会。チェックするポイントは、商品名通りの味と香りが出ているかどうか。彼女は「熊本の復活の地鶏、天草大王の炭火焼」という味名のポテトチップスを試食し、「ちょっと味がボヤってしますね、冒頭が」 と、ひと言。
新商品に対して一切の妥協はしない彼女。「ジャガイモって奥深くて。煮込めばホクホクした食感になるし、フライドポテトになると外がカリっ、中がホクっとする。同じジャガイモの素材を、どうやったらおいしいものに、いろいろ変えていけるのか。ポテトチップスは『お菓子』という考え方よりも、『料理』を作るように商品を作ろうと考えています」と、その思いを語った。
商品に込めているのは、職人が丁寧に手作りしていた、創業当時の原点の思い。それはパッケージの裏面にもあらわれている。そこには、料理人に扮した湖池屋の社員の写真が。1人1人がプライドを持った料理人であることを表現するため、このパッケージを考案したという。
ルール③:パッケージは「2秒」で心奪うデザインに
1981年、広島県に生まれた彼女。クローン技術を学びたいと、18歳で上京し、東京農工大学へ進学した。「高校生の頃、『羊のドリーちゃん』っていう、クローンで生まれた羊がいて。学生のときから、新しいものを求める気質を持っていたと思う」と振り返る。
大学を卒業すると、その当時興味を覚えた「食」に携わりたいと、湖池屋へ入社。大学で学んだ、物事を分析して考える思考法は、マーケティングの仕事に活かされている。
書店の中にオープンした湖池屋のアンテナショップでも「本屋さんなので、ゆったりといろいろ読んでくださっているなと思っていて。なので、もっとポップとかで説明できることが、いっぱいあったほうがいいかもしれない」と、その力を発揮していた。
商品を手にとるきっかけになる“パッケージ”のデザインを決めるのも、彼女の仕事だ。商品作りでは「一瞬で心が奪われるかどうか」を心がけ、見た人が「2秒で」認識できるようにと、人の目のいきやすい位置にブランド名と味名を配置。
昨年の2月から累計5300万個を出荷してきたプライドポテトシリーズだが、現在のデザインに変更後、出荷量は2倍になったという。
ルール④:休日は必ず家族3人一緒に行動
ある土曜日、彼女は家族3人で銀座へ。夫・貴憲(たかのり)さん、息子の悠聖(ゆうせい)くんと美容室を訪れ、家族揃ってヘアカット。
「平日は、私は自分の仕事と向き合っていることが多いので、なるべく土日は子どもとの時間を取りたいと思っていて」と、彼女。
「夫も夫で、子どもとの時間があまり取れないので、なるべくお互いが子どもに向き合おうとすると、必然的にこうなった」と話す。
夫も「ちょっとしたことも全部一緒にすると、イベントというかレクリエーションみたいな感じになるので」といい、息子の習い事であるスイミングスクールにも、必ず夫婦揃って連れて行くのだとか。
ルール⑤:夫と自宅で仕事の話はしない
実は、彼女の夫・貴憲さんは会社の同期。「カラムーチョ」などの味を作る担当として日々働いている。
そんな2人には、同じ職場で働く夫婦ならではのルールがある。それは、自宅で仕事の話をしないこと。エンドレスに話が続いてしまい、「これはこうしたほうが」「なんでこれができていないのか」と、ヒートアップしてしまうのだという。
そう明かした彼女は「私が詰め寄ることが多いんですけど、そうすると、今度は逆に、普段思っている、私の仕事側のほうにかなりご指摘が入るので。そうすると、『何クソー』みたいになって全然止まらなくなるから。ちょっと気をつけています」と笑った。
ルール⑥:大事なプレゼンは若手に任せる
入社2年目当時、彼女の確認ミスで、ポテトチップスパッケージの「コンソメ」の文字のベースが、本来のオレンジではなく、白で印刷されてしまったことがあったという。
そんな失敗談を明かしつつも、「持って帰ったら『バカヤロー!』みたいになって(怒られて)。印刷を全部止めるみたいな」と、明るく笑い飛ばした。
今では、22人のチームメンバーをまとめる立場になった彼女。部下は彼女を「アグレッシブ」と表し、「悩みを打ち明けるとすごく前向きに捉えてくれるので、助かっています」と語った。
「誰かが孤独な思いで背負っちゃっていて、つらい思いをしているのはちょっと嫌」だという彼女は、「みんなでなんとかすれば、なんとか答えは出る。ゼロよりは進む」と、いろんな人に声をかけるよう心がけているという。
月に一度の、新商品を決める大事な会議。彼女のチームがプレゼンに臨んだ。会長や社長へ向けて行うプレゼンなのだが、その重責を担うのは彼女ではなくマーケティング部2年目の高戸さん。
2年前までは、彼女自身がすべてのプレゼンを担当していたのだが、今では、その役目は若手社員へ。そこには、「『経験泥棒』をしない」という思いがあった。
「自分で答えを出していくということの『経験を積む』っていうのがすごい重要で。その子自身がやってみたほうがいいと思っていることなら、(本人にやらせて)私はそのサポートをするだけ」と話す彼女。
そんなふうに支えられながら経験を積んでいる高戸さんも、「答えを完ぺきに教えてくれるわけではなく、ヒントをいろいろ提供してくれて、答えに導いてくれる。野間さんの背中を見ながら、いつかはこうなりたいと思いながら日頃仕事をしていますね」と彼女を称した。
ルール⑦:毎週 新商品を出す
新型コロナウイルスの影響により、生活様式が変わりつつある今。彼女は新たなお菓子を企画していた。
それは、テレワーク中、手が汚れることを気にせず、食べながら作業ができるお菓子。そんなアイディアから誕生したのが、4月に発売予定の新商品「ポテトと料理」だ。
味のついたソースをスナックで包み込むことで、お菓子を持つ指が汚れにくくなっている。湖池屋が力を注ぐこの新商品。発売前から、第2弾の検討が始まっている。
新商品の試食では、彼女のひと言が、商品の味を大きく左右する。彼女の意見を全面的に信頼する社長は、考えを聞くやいなや「それでいいと思う」と、二つ返事。
現在、17のブランドを展開する湖池屋。いつも飽きさせない工夫が必要だと、年末年始などの特別なときを除けば、各商品が2〜3ヵ月に1度のペースで新しい味を発売している。
「いつも期待に応えるということを、かなり意識はしていて。これおいしかったなってずっと心に残ってもらうのは、磨き続けなきゃいけないので」と話す彼女。
入社当時、作りたかったのは、自分と同じ世代の女性が喜ぶお菓子。お客さんの感想1つ1つに寄り添ううちに、手掛ける新たな商品が、彼女の喜びになった。
彼女は、日々変わる声を見過ごさない。
「『100円だったけど、楽しい時間が過ごせた』とか、『100円だったけど、イライラが解消できた』とか。そういうちょっとした気持ちに寄り添えたらいいなという思いを、いつも商品に託しながら作っている」と語った。
※記事内、敬称略。
次回、2月23日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、新人小説家・新川帆立に密着。昨年10月、“新人ミステリー作家の登竜門”と呼ばれる「このミステリーがすごい!」大賞に選ばれた著書「元彼の遺言状」は、全国の書店で1位を記録し、はやくも18万部を突破する話題作だ。
東大卒、元プロ雀士、現役弁護士という異色の経歴を持つ、彼女の7つのルールとは。
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