テレビマンの仕事の極意と、彼らの素顔に迫る連載「テレビマンって実は」。
第2回に登場するのは、現在、フジテレビで放送中の木曜劇場『知ってるワイフ』(毎週木曜22時~)を手がける、貸川聡子(かしかわ・さとこ)プロデューサー(以下、貸川P)だ。
共同テレビに所属する貸川Pは、ドラマを始め、現在公開中の「名のなき世界のエンドロール」や、「半径1メートルの君~上を向いて歩こう~」(2月26日公開)といった映画のプロデュースも手掛ける。
インタビュー後編では、2月11日(木)に第6話の放送を控える『知ってるワイフ』について、貸川Pにリモート取材で聞いた。
インタビュー前編はこちら!
韓国ドラマのリメイクを我々が日本でやる意義を考え続けた
―――現在放送中の『知ってるワイフ』は、ご自身にとってどんな位置づけの作品ですか?
昔から好きでいつかご一緒したいと思っていた(脚本の)橋部敦子先生と初めてご一緒できた作品で、実際、ご一緒できて楽しかったですし、勉強になったこともたくさんありました。
この作品は、韓国ドラマのリメイクなのですが、小説や漫画を映像化するのとは違って、すでに映像化されているものをさらにドラマ化する、そのことの意味をどうしたら見出せるだろうか、というのはすごく考えました。
逆に言うとただトレースしても仕方がないし、長いものを短くするだけではない、我々が日本でこれをやる意義はなんだろうと、橋部さん、(フジテレビ編成部の)狩野雄太プロデューサーと何度も話しながらやりましたので、いつもの作り方とはアプローチがちょっと違う作品だったのかな、と思います。
それぞれがすれ違い「結構切ない展開になっていきます」
――ドラマはここから終盤に入りますね。
第5話(2月4日放送)は、元春(大倉忠義)の贖罪や、澪(広瀬アリス)とやり直したい気持ちがピークに達したところで終わっていて、第6話(2月11日放送)から第2章的な物語へと入っていきます。
澪とやり直したいと思っても、もう過去へ戻れないと知った元春は、ようやく“今”と向き合おうと心に決め、今の妻である沙也佳(瀧本美織)との生活を立て直そうとします。
澪は、元春に対して何も知らない状態で、津山(松下洸平)と付き合いながらも、元春に惹かれていってしまう。そこのすれ違いがどうなるのか…結構切ない展開になっていきます。
ちなみに、5話までは、元春と澪の“夫婦あるある”がありましたが、6話からは、向き合おうとする元春と沙也佳の“あるある”が出てきて、かなりヒリヒリした感じになると思います。
澪役は、当初から広瀬を想定「あの振り切ったお芝居は見事だった」
――振り返って、大倉さん、広瀬さんはじめキャストのみなさんとのお仕事はいかがでしたか?
主演の役者さんは、当然ですが、ご自身の“見え方”を気にされる方も多い中、大倉さんはそういう意識がまったくない方でした。“クズ”と言われる役でも、その中にちゃんと応援したくなる部分を…というようなことはおっしゃらず、元春がダメなやつで、とことんやり切ったほうがドラマとしていいなら、そうやります、という。
言葉にはされないんですけど、そういうスタンスでお芝居されているのが感じられて、潔いなって。本当にアイドルか、と(笑)。そして見事に、本当に繊細なリアリティをもって演じられていたんですよね。ですので、元春がそうやってみなさんに感じてもらえていたら、大倉さんの目論見通りということになるんだと思います。
広瀬さんは、ご本人のイメージ通り、今までは明るく元気なコメディエンヌみたいな役柄が多かったですが、絶対にそれだけじゃない部分があるだろうと思い、当初から澪は広瀬さんにお願いしたかった。
実際にお会いしてみたら、イメージ通りのところはありつつも、確固たる自分の世界を持っていて、澪の二面性みたいなところも演じ分けできる方だと感じました。あの振り切ったお芝居は、見事だったな、と思います。
松下洸平演じる津山は「ちょっと色っぽいところも出ているので、ドキドキさせられる(笑)」
瀧本さんは、演じる沙也佳が、大前提としてお嬢様で高嶺の花のようでありつつも、自己中心的な悪役にしてしまうとつまらないし、元春が揺らぐ説得力もなくなってしまうという、塩梅が重要な役で。
真面目で優等生的なところがあって穏やかな人柄の瀧本さんが、そんな沙也佳を演じて、ちょっとわがままなところやモヤつくような行動をしたらすごく面白いんじゃないかと思いました。
後半、沙也佳の中に、お金持ちのお嬢様としてのプライドと、周りから求められるものに応えなくちゃ、というモヤモヤが出てくるのですが、そこは原作よりも濃く出していきたいと、橋部さんとも調整したところで、瀧本さんも上手にやってくださっていますのでお楽しみにしていただけたらうれしいです。
松下さんは、6年前に『無痛〜診える眼〜』というドラマでご一緒し、その後、舞台やドラマでお見掛けして、どこかでお仕事したいなと思っていたところ、連続テレビ小説『スカーレット』で、ものすごく色気のある人になっているのを拝見。ああいう存在感を津山に出してほしい、とお願いしました。
元春の親友であり恋のライバル役として、松下さん自身がいろいろ考えて肉付けしてくれていますので、松下さん色の津山になって、ちょっと色っぽいところも出ているので、ドキドキさせられますよね(笑)。
ほか、川栄李奈さん、生瀬勝久さん、片平なぎさんをはじめ、キャストの皆さんは本当に素晴らしくて、すべてパズルのピースがピタリとはまった感じがしています。
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