現在、フジテレビで放送中の藤原竜也主演『青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-』。警察が試験的に導入された公立中学校を舞台に、スクールポリスとして配属された警視庁捜査一課の敏腕刑事・嶋田隆平(藤原)が、校内外で起こるさまざまな問題に立ち向かう学園エンターテインメント。
3年1組の担任で国語教師の浅村涼子を演じているのが真木よう子。生徒思いで熱血教師の涼子は、生徒に対して容赦ない嶋田とたびたび衝突するが、嶋田の人間性に触れるうちに徐々に理解者になっていく、という役どころだ。
一方で、「“真木よう子がこのまま、ただのいい教師で終わるわけがない”という視聴者の期待は裏切らないと思う」と真木本人が語るとおり、単に“正義感の強い教師”だけではなさそうだ。今後、嶋田がスクールポリスになった理由や目的、涼子の驚くべき過去が明かされていく本作について、作品の魅力、藤原との共演、母親としての悩みなどを聞いた。
<真木よう子 インタビュー>
スクールポリスの善し悪しは難しい
──まず、スクールポリスという制度を聞いてどう感じましたか?
まだ日本では導入されていませんが、私も子を持つ母親として、スクールポリスがどこまで介入してくるのかを考えました。
事件を未然に防ぐことができたり、イジメなどさまざまな問題が改善できたりするのであれば、悪くはないかなと思います。あるいは、生徒が人に迷惑をかけるような行動を起こしてしまった時に、刑事法には触れないけど民事法には触れる、といったことなどの勉強にはなるかもしれません。
その一方で、警察は疑ってかかる仕事ですから、まず人を疑うことから入るというのは、教育上いかがなものかな、と。今の中学生の実態を詳しく知らないけれども、デリケートな問題なので難しいですね。
藤原とは役柄の距離感で
──涼子は、スクールポリス制度に反対していて、嶋田とも衝突が絶えません。映画「バトル・ロワイアルⅡ」以来、18年ぶりとなる藤原さんとの共演はいかがでしたか?
涼子は、自分の中に「教師とは?」という考えをきちんと持っているので、はたして警察が学校に必要なのかと疑問に思っています。だから、生徒を容赦なく逮捕する嶋田さんには反発しているんです。
嶋田さんも、謎の死を遂げた音楽教師・小川香里(明日海りお)の死の真相を知りたいという目的があるので、学校側の人間とはある程度、距離感を取っていて。
私自身、俳優として現場に入る時には、役柄上の間柄を大切にするよう心がけているので、藤原さんとはある程度、距離を取るようにしていました。どれだけ反発したり嫌ったりする役でも、現場で仲がよすぎたりすると画面を通してわかってしまうからです。
ただ、涼子はどんどん嶋田さんに人間的にひかれていくので、私も藤原さんをできる限り支えたいと思っていました。それがもし藤原さんに伝わらなかったとしても、お話するときは笑顔でいるなど、少しでも癒やしになればいいな、と。
ドラマの収録はハードだし、藤原さんと私は出演シーンが多かったので、「これ飲むと元気出ますよ」とかサプリメントの話をしたりしていました(笑)。
教壇に立つと生徒1人1人が見える
──教師役は17年ぶりとのことですが、いかがでしたか?
若い子たちのエネルギーはすごいです。ドラマだからカットがかかれば、静かになるけれども、実際(の教室)ではカットなんてかかりませんから。そう思ったら、教師という仕事はなんて尊いのだろうと思いました。
教壇に立ってみてわかったのですが、あそこから生徒1人1人がちゃんと見えているんですよ。寝ていたり早弁したり、つまらなそうにしていたりするのもすぐにわかるんです。(学生時代の)私も見られていたんだと知って、ギクッとしました(笑)。それがわかった上で、ちゃんと生徒と向き合っている先生方はすごいと思いました。
──涼子は正義感が強くて、生徒に寄り添う“いい先生”ですが、真木さんが演じていると、何か裏があるのでは?と思ってしまいます(笑)。
それが、たぶん私をキャスティングした制作サイドの狙いでしょうね(笑)。
ただの熱血教師ではないということを、スクールポリスに見透かされるんです。そこから、いろいろなことがわかってくるので、どこでどういうつながりが出てくるのか楽しみにしてほしいです。それが分かった時の衝撃は大きいと思いますよ。
“真木よう子がこのまま、ただのいい教師で終わるわけがない”という視聴者の方の期待は裏切らないと思います(笑)。
小学生で女優になると決めて…
──真木さんご自身は、どういう学生でしたか?
とにかく勉強は好きではない子供で、九九が終わったあたりから、それ以降は必要ないんじゃないかと、小さいながらも思っていました(笑)。だから、見えていないと思って、教科書を立てて寝ていたり…。
興味がないものを勉強しろと言われてもどうしてもできなくて、自分がやりたいことや興味があるものに集中してしまうタイプでした。
小学生で「女優になりたい」という夢が固まっていたので、義務教育は中学で終わりと知って、そこで終わりにしようと決めていました。だから、中学を卒業して劇団に入ったんです。今思うと、自分でもびっくりしますけどね(笑)。
──迷いはなかったんですか?
いっさいなかったですね。たぶん、若者によくある“根拠のない自信”に満ちあふれていたのでしょうね(笑)。
だから、今困ったなと思っていることがあるんです。娘は今小学5年生で、彼女なりにいろいろと好きなことを見つけているんですけど、“これになりたい”というものがまだ定まっていないんです。私は、ずっと自分のやりたいことがわかっていたので、やりたいことがわからない人の気持ちがわからならなくて…。でも、子供の可能性の芽を潰すことは絶対にしません。
──すると教育方法も独特ですか?
そうですね。娘にも勉強嫌いが遺伝してしまって(笑)。私とまったく同じで、興味がないことはしたくないタイプなんです。
でも、嫌なことを無理やりやらせるよりは、興味のあることから得られる知識もあるので、むやみに制限をかけるということはしないようにしています。「好きなことをとことんやってみなさい」と言っています。
──最後に、読者へメッセージをお願いします。
本作は、リアルな社会問題をテーマに、学校の闇を描いています。私も同じ母親として、心が痛む話も登場します。子供のためを思ってした行動が、結果的に子供を苦しめているかもしれません。だからこそ、悩みを持つ中学生や教師の方々だけでなく、親である立場の方々に見ていただきたいと思います。
撮影:今井裕治