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「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」

1月12日(火)放送『セブンルール』

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視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。

1月12日(火)放送回では、「渡邉水産」社長・渡邉美保子に密着。ふるさと納税の返礼品でも上位にランクインする人気のブランド鯛「穂州鯛(ほしゅうだい)」を、世界有数の漁場として知られる玄界灘に面した、外津湾(ほかわづわん)で育てている。

13年前、亡くなった夫の跡を継ぎ、男社会に飛び込んだ。「女性に水産業は無理」と言われながらも、4人の娘たちと長女の夫に支えられ、夫の死を乗り越えて家族一丸、ブランド鯛を育てる彼女のセブンルールとは。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

ルール①:手間をかけて高く売る

佐賀県玄海、地元の料理人は穂州鯛を、「一般的な鯛と比べ、脂が少なくて鯛の身自体の甘みがある」と評価している。

そんな穂州鯛は、事務所のすぐ脇にある漁場で育てられている。一般的な養殖鯛は、1年半ほどで出荷されることが多いが、穂州鯛にかけられる時間は2年以上。「ゆっくりと育てるというところから、身質が変わるというのがわかった」のだそう。

エサ代や管理費はかさむが、時間をかけたほうが甘みと旨味が増すという。水揚げ後はすぐに自社で加工。養殖から販売まで一貫して手掛けている。渡邉は、この日漁獲した鯛をさばきながら、「今日のはいいと思います。身が透明な、光ってモチモチした感が身質の良さだと思っているんですよね」と自信をのぞかせた。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

販売用の加工の際、皮を残した切り身は、お湯をかけてすぐに氷水で締める。これは地元の漁師の食べ方を参考にした方法だ。

商品開発を行うのは、4人の娘たち。家族会議を開き、季節に合わせた商品を考えている。かつて、1匹1500円ほどだった養殖鯛は、今、ブランド鯛「穂州鯛」として5000円の値がつくまでになった。 

エサや人手、すべてにコストをかけてでも、品質のいいものを、付加価値をつけて売るのには、過疎化に苦しむ玄海町への思いがある。

「水産業自体が低迷で、後継者もいないっていうところは、『儲からない』と言って親が跡を継がせない。だから、水産業もやり方によっては利益が出るよっていうのを示したかったのが一番」と明かした。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

ルール②:毎月 魚の健康診断をする

玄海町で生まれ育った彼女は、お見合いで出会った穂州さんと20歳で結婚すると、夫の家業だった養殖を手伝うように。「海の仕事は全然したことないけど、珍しいし楽しそうだなって。でも、思ったより大変で朝早いし。でもやりがいはあった」と、当時を振り返る。

しかし結婚から10年後、病気により、一夜にして鯛が全滅。およそ3億円の被害を出し、家業であった養殖は廃業に追い込まれた。 

その教訓から、月に1度、イカダの中から鯛を取り出し、体重、体長を計測。そして、ウロコの状態チェックも行うように。

「小さい時の管理がめっちゃ大事なんですよ。ウロコが剥げてたとかで、もしかしたら病気も疑わないといけないとか。人の健康診断と一緒です」と話す彼女。二度と同じ悲劇を繰り返さない為にも、月に1度の体調管理は絶対に欠かせないという。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

ルール③:毎日「魚藍観音菩薩」に手を合わせる

鯛が全滅し養殖を廃業した当時、水槽を積んだトラックで、魚を生きたまま運ぶ事業を開始。しかし、ようやく軌道に乗り始めた頃、穂州さんは交通事故に。その翌日、穂州さんは家族に見守られながら静かに息を引き取った。

亡き夫の後を継ぎ、魚の運搬事業を続けた彼女。しかし、日に日に芽生えてきたのは、「養殖をまたやりたい」という思い。  

最盛期には14軒あった業者が、当時は3軒にまで減っていた。それでもまた養殖業を始めたいと、家族に告げたのは5年前。猛反対を受けたというが、「そういう時はめっちゃ燃えるんですよ」と、彼女は笑った。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

海の仕事をはじめて37年、彼女は毎日欠かさず「魚藍観音菩薩(ぎょらんかんのんぼさつ)」へ祈りを捧げている。魚を見守る観音菩薩像だが、夫・穂州さんが特別に頼み、手に持つ魚を鯛にしてもらったのだという。

「大切な命をもらって生きているっていうのをありがたく、いつも感謝しなさいっていう想いから。子孫に繋げていきたいルールですよね。自分だけじゃなくて」と語った。

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ルール④:長女の意見は素直に聞く

もともとアパレル業界で働いていた長女の志麻さんは、穂州さんが亡くなって3ヵ月後、「帰ってきたら喜ぶだろうなっていうのがわかるし、助けになりたい」と、母を気遣い、博多から戻ってきた。

しかし、母と長女の性格は正反対。長女について「ひと言で言うと怖いね」と、母。「お父さんが早くに亡くなったので、勝手に“おやじ気分”(になっている)」と言いながらも、「あたしがこんな感じで何でもかんでも突っ走るので、止め係としてはありがたいかな」と、感謝を示した。

「(自由に)泳がせすぎたら危険なんで」と、志麻さんが分析するように、過去には、鯛の味を良くしようと勝手にエサを変え、大失敗したことも。しかし、彼女に懲りる様子はない。

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「穂州鯛を手にするまでの知名度がないから、何か知名度を上げるために目につくような特殊な話題作りに挑戦できないかずっと考えていて」と話す彼女がひらめき、今取り組んでいるというのが、町の棚田で見られる夕日のような黄金色の「黄金鯛」を育てること。 

専門家の研究を参考に、サフランの花から抽出した色素をエサに混ぜたらどうかと考えていた。志麻さんにそのアイデアを告げると、「ちゃんとした商品を作るには、何年かけてでも比較検討をしながらやっていかないと、絶対いい魚はできん。絶対に目分量でしたらいかんし、担当者にもちゃんとデータを取らせて」と、手厳しい言葉が返ってきた。

無計画による失敗は絶対に許せないという志麻さんの言葉を、素直に聞き入れる彼女。「きちっとしなきゃとか、ちゃんとしなきゃとか、そういうのは、あたしには欠けているから、そこを補ってもらう。それは常々自分でも納得しているので」と素直に語った。

「同じ会社で働くようになったら親も子もない。1人の人間として大事なところは尊重しなきゃいけない。あっちもそう思ってくれる分、こっちも思わなきゃいけない」、それが、家族一丸となって働く上でのルール。 

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ルール⑤:オシャレは娘の真似をする

午後4時、娘たちとカフェへ行き、スイーツを食べながら親子で話すのはファッションについて。四女の真似をしたという服装は、「いいやん」と好評。一方で自分で選んだ服は、娘たちから「アウト」と言われてしまった。

「若い時は自分なりのオシャレをして頑張ってたんだけど、歳をとってくると真っ逆さまに転げ落ちるから。何もしないと、ただのおばさんになっていくから」と、娘が買った服を真似して、同じデザインのものを購入するようにしている彼女。

「最近は(娘の)言いなりです。言いなりっていうか、こっちが真似してるんだけどね」と、明るく笑った。

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ルール⑥:義理の息子には口出ししない

朝7時半、出社してきた長女の夫・裕将(ゆうすけ)さんと従業員に、その日の水揚げ量を伝える。 

鯛の他、最近ではブリの養殖も始めた。力仕事は出来なくなってきたが、フォークリフトを使い、裕将さんの仕事をサポートしている。 

「冬は水面が凍る寸前の中に手を入れて、震え上がりながら作業する。この人たちがどれだけ頑張るかで、会社は動いているといつも思っているので。とにかく感謝することだね。従業員さんに」と話す彼女。  

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鹿児島県出身の裕将さんは、長男だが、地元に帰らず養殖業を手伝うと決めた。そんな裕将さんに魚の管理を任せる上で、彼女にはあるルールがある。 

それは「口出しはしない」ということ。信頼の中で生まれたこのルールについて、彼女は「これしなさいって言うより、口出ししないほうが自分で考えるし責任も生まれるし。あたしの次は自分が引っ張っていくって言ってるから」 と語った。

今年からは、黄金鯛の挑戦も始まる。12月上旬のある日、繁忙期を前に、家族と従業員を労う慰労会で、彼女の指揮のもと、一同は「えいえいおー!」と、意気込んだ。  

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

ルール⑦:年に1回 町の子どもに解体ショーを見せる

人口減少が続き、活気が失われつつある玄海町。ある日、役場に呼ばれた彼女は、穂州鯛を全国に広め町に貢献したとして表彰された。喜びの反面、「水産もまだまだ捨てたもんじゃないぞって(若者が)思ってくれたらいいんだけどね。今は目もくれないくらい、若者が離れてる」と嘆く彼女。

その翌週は町の保育園へ。園児たちを前に行ったのが、生きた鯛をその場でさばく解体ショー。どんなに忙しくても、毎年欠かさないという。 

それは、「魚自体を見せて興味湧いてもらって、海に携わる仕事をしている人が多いんだよっていうことを、小さい時にもっと知って欲しかった」という思いから。

「渡邉水産」社長・渡邉美保子が自身に課す“セブンルール”1匹5000円のブランド鯛を育て「利益が出る水産業を示したい」_bodies

「自分的には玄海町ありきなんで。最終目的はどうしても、自分の地元の水産業を元気づけたいのが根底にある」と話す。

この町が誇る豊かな海の魅力を知ってもらい、1人でも多く、地元に残って欲しい。もう一度、夫と養殖をしていたあの頃の活気を取り戻したい。そんな彼女の夢は、今や家族の夢となった。

「最初より今のほうが、お母さんを支えたいっていう気持ちが強い」と、長女・志麻さんも語る。いつも母の働く背中を見てきた娘たちが、同じ道を目指したいと、4人全員が揃ったのは4年前。

夫が愛した海で仕事を続けて37年。彼女の想いは娘や息子に受け継がれ、次の世代へと繋がっていく。美しい海とともに。

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※記事内、敬称略。

<『セブンルール』はカンテレドーガで見逃し配信中(無料)>

次回、1月19日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、 おさだ農園3代目・長田きみえに密着。東京から伊豆半島へUターンし、大自然で育てるみかんが人気を集める、彼女の7つのルールとは。

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