石橋貴明が文化人、ミュージシャン、タレント、アスリートなどジャンルを問わず“話してみたい”ゲストを迎え、焚き火の前でじっくり語り合うフジテレビ『石橋、薪を焚べる』。
12月22日(火)の放送は、今年、プロ野球選手として現役を引退した藤川球児が登場。引退を決意した理由、野球への思い、第二の人生の展望などを語った。
引退試合でも「俺はまだうまくなりたい」その気持ちが誇らしかった
1999年にドラフト1位で「阪神タイガース」に入団、今年40歳の藤川に、石橋は開口一番「まだやれたんじゃないですか?」と問いかけた。
藤川:そうですね。そこのせめぎ合いは、実は37歳くらいからしていて。誰にも言ってないんですけど、去年、読売ジャイアンツの阿部(慎之助)さん、上原(浩治)さんが辞められたじゃないですか。それで結構「自分もそういうふうに動かなきゃいけないんじゃないか」と考えましたね。肩も、実際はしんどかったですけどね。
最後の登板は、痛み止めの注射を打ちながら投げていたと明かした藤川。2019年シーズンの夏から肩の痛みが「一気に押し寄せてきて、初めてそこから肩に注射を打ち始めて。結局、回復しないままでしたね」と振り返る。球団や監督は「辞めるなんて言わないでくれ」という雰囲気だったが、「自分でゴールを決めた」。
石橋:だって、最後の登板のとき、ずっとセットで投げてたのに、急に振りかぶったじゃないですか。
藤川:そうですよね。もう1回、うまくなれるんじゃないかと、まだやってました。「まだ野球がうまくなれるんじゃないか」と、引退試合にまで持ち込んで。「俺はまだうまくなりたいんだ」という気持ちが出たときの自分は、少し誇らしかったですね。
石橋:昔、落合(博満)さんが、「プロ野球選手は、ユニホームを自分で脱げるやつか、脱がされるやつか、その2つに分かれてしまう」っていう中で、自分で決めるって…?
藤川:やっぱり、コンディションが一番ですね。年間通して戦うコンディションが、2021年シーズンには整わないであろう、という。
日米の「マウンドとボールの違い」で肘を壊し、手術を受けたが…
阪神タイガースのリーグ優勝やWBC日本代表の世界一に貢献するなど、日本で活躍した後、2013年にMLB「シカゴ・カブス」に移籍。日本とアメリカの「マウンドとボールの違い」で体に負担がかかり、肘を壊した。
肘に足の腱を移植する「トミー・ジョン手術」を受けるも、「シカゴ・カブス」を退団することに。実はその後、ニューヨーク・ヤンキースと契約寸前まで行ったものの、直前でメディカルドクターから「この肘では契約できない」と白紙になってしまったことも明かした。
「もう投げられないんだ」「辞めるしかないんだ」と絶望したが、実際は「肘の状態も回復しきってなかった」という。
そんな藤川に、石橋は野茂英雄氏との会話を明かす。
石橋:野茂が、肘のあたりの組織がもうボロボロになっちゃって…。
藤川:ささくれてきますね。
石橋:クリーニングをやってもらったの。で、やった次の年、成績ってあんまり良くなかったんですよ。それはなぜかと言うと、痛みを脳が覚えちゃって、(投球するときに無意識に)痛くないところを探すんだよね。
藤川:やります、やります。
石橋:だから、肘に「ちょっとでもメス入れたら、次のシーズンは感覚ないですよ」。(投げる感覚が戻ってくるまで)「もう1年待たないと」って。
藤川:今、初めて聞きました。野茂さんや先輩たちは強いんで、みんな言わないじゃないですか。
石橋:そういう話は…。
藤川:聞いたことなかったですね。
藤川自身も「もう一度活躍して勝つまでは、言い訳しているように見えるので秘めておかなくてはいけない」と、完全回復していないことを口にしなかった。
そうして日本に戻ってきた藤川に、プロ野球チームからオファーもあったが「藤川球児=火の玉ストレートという印象があるので、それができない限りは、良いものが見せられない」と断りを入れ、地元の「高知ファイティングドッグス」に入団。翌2016年、「導かれるようにタイガースに戻ることになりました」。
「松坂世代」のきずな!引退に込めた同志への思い
石橋は、いわゆる「松坂世代」と呼ばれる選手たちがここ数年で現役引退をしていることを訊ねた。
石橋:もう(現役に残っているのは)、(松坂)大輔と和田(毅)くん?
藤川:そうです。2人から直接連絡が来ましてね。
石橋:そうですか!
藤川:「何で球児、先に辞めるんだ」と。「今の球児がいてくれるから、頑張って追いつきたいと思ってやっていた」と。松坂も、「球児、俺は今からどうしよう?」と。「やってくれ」と。「ちゃんとゴールはつけたじゃん」と。自分が活躍した状態で終わって、投げるのを見せた上で退いたということは、松坂本人への僕からのメッセージなんだと。僕が投げられない状態で退いたら、「投げられなくても辞められる」となるところを、そうならないように。和田も投げた。日本シリーズまで投げた。僕も投げられる状態で辞めた。「みんな、お前を待っているんだよ」って。
ケガや故障に苦しむ松坂投手の状況を慮(おもんばか)りながら「先に辞めて良かった」「見守る側でいられるのが喜び」と、引退に込めた同志への思いを明かした。
「上手くなるのに限界がないこと」は何か?
現役引退した今、「今後成し遂げたいこと」と聞くと、意外な答えが返ってきた。
藤川:野球界と別の、自分の人格をちゃんと作り上げないと。自分が夢を追いかけたように、「もう一つ、夢や希望を持ってできるものって何だろう?」って。だけど、今タカさんと話していたら、やっぱり野球やらなきゃというように…。
石橋:それは、絶対にやらなきゃダメでしょう!
藤川:火がついてきましたよ。それまでは、妻と話していても、つぼを焼いたりとか…。
石橋:えぇ!?陶芸で?
藤川:そうです。上手くなるのに限界がないこと。野球って限界があったので。体力に限界が。だから、プレーヤーとして一生答えが出ないことをしようと。40歳までの自分以上に、どうやったら伸びるのか。「人生100年」と言われる中で、もっと自分で自分を研究したいし、いろんなものを吸収したい。まだまだ自分を磨いて、その深みで、タイミング良く、日本のプロ野球で、もしくは子どもたちの野球で「力を貸してほしい」というときに、「あの人みたいになりたい」と思ってもらえるようになりたいですね。まだまだ、磨いていかないと。そこが弱いんじゃないかなと思って。
石橋:また少し違うことで技術を磨いて?
藤川:そうですね。こうして会話させてもらうのももちろん、今までと違う業界の方たちとお話させてもらうことも、形に見えないけど、絶対に自分に得るものがある。それを自分のものにして、後輩たちに還元できる男になりたいなと。(ここまで)プレーだけできたので、それだけではもうダメだろうと。でも、タカさんに野球界の未来のことを言われると、その責任はすごく感じます。
石橋:少しゆっくりしていただいて、また、第二の人生に「火の玉ストレート」、投げてください。
藤川は、石橋の激励に「元気が出ました。グッとくるものがあります」と笑顔を見せた。
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