さまざまな世界で活躍しているダンディなおじさまに、自分の人生を語ってもらう「オヤジンセイ~ちょっと真面目に語らせてもらうぜ~」。
<これまでの【オヤジンセイ】記事はこちら>
年を重ね、酸いも甘いもかみ分けたオトナだからこそ出せる味がある…そんな人生の機微に触れるひと時をお届けする。
今回は、舞台「エン*ゲキ #05 -4D-imetor」に出演する俳優・阿南健治が登場。その存在感で今や映画やドラマに欠かせない彼だが、後編では、20代半ば、脚本家・三谷幸喜と彼が主宰する劇団・東京サンシャインボーイズとの出会いから現在までを語ってもらった。
<阿南健治の【オヤジンセイ】前編はこちら>
役をもらえて舞台に立てる喜びを感じる日々「不安はなかった」
三谷さんには今でも笑い話にされますけど、私、出演のオファーを一度断っているんですよ(笑)。友人の友人という間柄にも関わらず「まずは脚本を読ませて欲しい」とか偉そうなこと言って。自分でもよく分からないけど、勘違いしていたのか…舞台へのまっすぐな気持ちでもあったんでしょうね。でも、ありがたいことにまた誘ってもらい、初めて立った舞台が「天国から北へ3キロ」(1989年)でした。
そこからサンシャインボーイズが充電期間に入るまでの5年ほどは、三谷さんが作り出す、常に質の高くて面白い世界の、ちゃんとした登場人物として、役をもらえて舞台に立てる喜びを感じる日々でした。年3本くらいやってたこともあるし、バイトして稽古して…充実した毎日だったので、何も不安に思うことはなかったですね。
劇団は1994年に休団しましたが、振り返ればそれまで環境や考え方など、だいたい2年周期で変化していた自分が、同じ劇団に所属して5年も続いただけでも奇跡的でしたので、三谷さんの下(くだ)した決断にまったく反対しませんでした。
充実の30代・40代でも「何かしないと次に行けないという気持ちが強かった」
30代は、おかげさまでテレビを中心にいろいろなところから声をかけていただき、たくさんの作品に出演することができました。三谷さんが人気絶頂のホントいい時期に解散してくれましたよね(笑)。「サンシャインボーイズの役者さん?三谷さんのところの?」という感じでキャスティングしてくれた良い時代でした。ありがたい限りですよ。
40代も同様に、常に台本がある喜びを感じながら過ごさせてもらいました。でも、改めて思うと「なんとか爪痕を残そう」と、現場では毎回余計なことをしていたかもしれないです。そのたびに怒られたりカットされたりもしましたけど、「何かしないと次に行けない」という気持ちが強かった。そこは周りに自分の存在を教えないといけなかった幼少期と被るかもしれないですね。
記憶に残る作品を挙げるとしたら、やっぱり『ごくせん』シリーズ(日本テレビ系)かなぁ。大ヒットしましたし、多くのみなさんに自分を知ってもらえたというのは大きいです。実感はあんまりないんですけど(笑)。
50代はどうだったのか、と聞かれてもすぐにピンとこない
ぶっちゃけて言いますけど、私、役者として役を演じるうえで「自分」がないんですよ。ありそうでしょ?アクが強そうでしょ?そんな「自分」は強くあるんですけどね(笑)。
よく舞台の打ち上げとかで乾杯しているとき、ふと「あれ?俺(この作品に)出てた?」って思うことあるんですよ。誰もこの感覚分からないと思うけど(笑)。
つまり、心のどこかで「舞台に出ている人は俺ではない」と思っているんですね。素の自分が「なんでここにいるの?」って思うと、途端になんか居心地が悪くなってくる。だからこそ「役」があることがありがたいんですよ。
役者によっていろいろなアプローチがありますが、私の中では「役は自分に近づけちゃいけない」と思っていて。自分がやる以上どうしたって自分なんだから、無理に近づけなくてもいいんですよ。だから離そうとしたほうがいいんだけど、そう思えば思うほど、余計「自分」がないと感じてしまうのかな。役者としてのポリシーとかそんな大げさなものではなく、単なる思いつきなんですけどね(笑)。
来年60歳。もうびっくりですよね。ただただ恐ろしいですよ。50代はどうだったのか、と聞かれてもすぐにピンとこないというか、ただそれまでの延長のようなものというか。もちろん、出演作のタイトルとか見れば思い出すことはいっぱいありますけど、もしかすると阿南健治は30年間ずっと一緒なのかもしれない(笑)。
さすがに近ごろは自分でも「オジさん」って言いだしましたが、私の中では20歳くらいの時からほとんど変わってないんですよ。通勤はもっぱら自転車ですけど、なんとかそれを運動だと自分に言い聞かせながら頑張ってます。でも、常に「何かやりたい」っていうエネルギーだけはあるから、そういう意味では楽しい人生と言えるでしょうね。
ある日突然、宇宙の真理を思いつくかも?
今度、出させていただく舞台「エン*ゲキ #05 -4D-imetor」は量子力学をテーマにした謎解きミステリーですが、ストーリーに出てくる次元論やタイムリープといった話は個人的にもすごく好きなんですよ。まだ誰も実現したことも対面したこともない世界について考えてみることって広がりがあると思うし、誰でも自由に発想できるじゃないですか。
今まで解明されてないってことは、俺でも解き明かす可能性はあるじゃない? アインシュタインが相対性理論を思いついたように、この思いつきだらけの人生の中で、ある日突然、俺が宇宙の真理を思いついちゃったらどうすんのって。だって可能性はゼロじゃないでしょ?まぁ結局、全然ひらめかないかもしれないけど(笑)。
阿南健治、騎手になる
「もし、俳優にならなかったら?違った自分になってみてください」。その質問に、阿南から返ってきた答えは「競馬の騎手」。その理由とは?
小さい頃から競馬が好きで、土曜の競馬中継とかを見て、親戚の叔父ちゃんに「この馬が一番になるよ」とか言って的中したこともありました。家の近くに仁川(阪神)競馬場があって、割と身近な存在だったんですよ。なによりサラブレッドって美しいですよね。綺麗だし、速いし、かっこいいし。中学・高校時代はあまり体が大きくなかったから、もしかしたら「騎手」という選択肢もあったかもしれないです。
馬券はG1レースだけ買います。騎手で選んだり、馬の誕生日と自分の誕生日が一緒で選んだり。昔は100円ずつ10点、1000円だけ賭けていました。でも最近、欲が出てきて2000円賭けるけど…当たらない(笑)。たまに万馬券を当てることもありますが、あまり欲張らないようにしています。
好きな騎手は天才・武豊さん(天才と呼ばれている人には、どの分野でもつい目がいきます)。昔「ごくせん」にゲスト出演したことがあったんですけど、武さんが出るシーンに私の出番がなくて会えなかったんですよ。サイン欲しかったなぁ(笑)。
撮影:河井彩美
取材・文:中村裕一
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