7月25日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション「老舗の寿司屋に婿が来た~4代目は元美容師~」』が放送され、語りを川栄李奈が担当する。

元美容師が老舗の寿司店へ婿入り!そこで待っていた大女将との衝突と意外な結末

成田山新勝寺へ続く参道沿いに、親子3代、80年以上の歴史を持つ寿司店がある。現社長である3代目の和也さん(59)の子供は、一人娘のすみれさん(24)。伝統ある店を継いでくれる跡取り息子はおらず、自分の代で店を閉じることも考えていた。

そんな時に現れたのが娘の交際相手である雅貴さん(31)。長年勤めた美容院を辞め、「婿入り」を志願。結婚して寿司職人として一から学びたいというのだ。

「一人前になるまで10年」と言われる職人の世界。これまで料理どころか、包丁すらまともに握ったことがなかった雅貴さんが、まず飛び込んだのは、基礎技術を2ヵ月で学べる養成学校。ともに学ぶ生徒の中で優秀な成績で卒業、伝統ある店に飛び込み、修行を始める。

次第に合理的とは思えないスタッフの動きや勤務管理の方法に疑問を感じ始めた雅貴さんが訴えたのは、店を60年近く切り盛りしてきた、すみれさんの祖母である大女将。

これまで大女将に意見をする新人など、誰一人いない。それでも雅貴さんは、自分の考えをぶつけてしまう。

伝統ある寿司店に飛び込んだ“お婿さん”と一家の10ヵ月をカメラが追った。語りを担当した川栄は、それをどう見たのか?収録後に聞いた。

<川栄李奈 インタビュー>

――ナレーション収録を終えての感想はいかがですか?

今まで“お婿さん”の視点からの物語というのをあまり聞いたことがなかったので、新鮮に感じました。美容師さんからまったく違う老舗のお寿司屋さんに転職を決めて、ちゃんと学校へ行って勉強もして、というのは、いろんな覚悟や決断が必要だっただろうなって。

そこを自分で決めて実行して、みんなを納得させていくというのはすごいことだなぁ、と思いました。婚姻届も、後回しにしちゃう人も多い中、先に提出していましたし。若いのに決断していけるところは素敵だな、と感じました。

――お婿さんの雅貴さん、それを受け入れるお店の大将や大女将と、立場も考え方も違う人たちの物語で、共感できるところはありましたか?

私は、雅貴さんに感情移入してしまいました。今までまったく知らなかった世界に入ってそこでやっていこうと決断をするのは本当に覚悟がいると思いますし、実際、大変なことが多くても、やり遂げようとする姿勢にグッときました。

そして、それを見守る奥さんのすみれさんやすみれさんのお母さんも、雅貴さんと大女将がうまくいくように、両方の顔を立てながら、二人の仲を取り持ちながらやっていくところには、さすがだな、と思いました。

――前回、川栄さんが語りを担当した「ボクらの丁稚物語」も、今回とタイプは違いますが、職人養成の物語でした。

それぞれの人生の歩み方によって、見える景色は全然違うものだなっていうのを感じますし、大きな決断をして職人の道へ足を踏み入れて、そのまま職人になっていく人もいれば、自分に合わないと思い、新しい道を探す人もいて…。改めて、『ザ・ノンフィクション』では、人生のさまざまな面を見させてもらっているんだな、と思います。

――今後、どんな物語を読んでみたいですか?

『ザ・ノンフィクション』は、普通のドラマでは考えられない展開をすることが多くて、「え、そうなっちゃうの?」と驚くことが多いんです。前回の「丁稚物語」も今回の物語も、さまざまな人の人生にリアリティを持って触れられますので、今後、どんな物語でも読んでみたいと思います。

――今回の物語で、ほかに印象的だったことはありますか?

コロナ禍で、飲食店への影響やダメージは本当に大きいんだ、ということも感じました。あれほどの老舗でも、変わっていかなければいけない部分もあるんだな、って。

――ご自身にも影響はあると思いますが、コロナ禍をどう受け止めていますか?

お芝居の稽古をするときに、マスクやフェイスシールドをしたままというのが、もう1年以上も続いているので、いろいろな影響はありつつも、自分の中では当たり前になっています。

でも、気軽にどこかへ行けないというのが、やはり一番大きいですね。自由を奪われている気になりますし、出かけたとしても感染の不安がずっとあるのは、つらいな、と思うこともあります。

――最後に視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

上下関係が薄くなっているかもしれない今の時代の中で、大女将を始めとした老舗の人たちと、そこへやってきた元美容師のお婿さんが、なんとか関係を築いていこうとする物語です。

お婿さんの決断とお嫁さんや周りの人たちとの関係もすごく素敵ですので、誰の視点になっても見応えがあると思いますので、見ていただけたらうれしいです。