9月27日(日)14時からフジテレビでは『あの日 妹を殺されて 前編~ 罪を憎む男が選んだ道~ 』が放送される。※「後編」は、10月4日(日)放送。
15年前、最愛の妹をアメリカ人の夫に殺害され、犯罪被害者の家族となりながらも、「自分のような被害者を減らすためには、加害者を減らすしかない」と、行き場のない元受刑者たちを雇用し、その更生に尽力している男性がいる。
大阪で建設会社を営む草刈健太郎さん(47)だ。草刈さんは、社長業の傍らで全国の刑務所・少年院を訪ね、就職希望者を自分の会社で雇い、住む家を与え「家族」として迎え入れている。
今まで18人を受け入れ、立派に更生を果たす者もいれば、中には再犯に走ってしまう者も。そのたびに草刈さんは奔走し、彼らを叱咤する。裏切られてもあきらめず、元犯罪者の支援に取り組む草刈さんの、深い思いと慟哭(どうこく)の記憶を追う。
今回、番組の語りを中島美嘉が担当。初めてとなる『ザ・ノンフィクション』でのナレーション挑戦で、前編・後編の長編を読んだ中島。実に約8時間にわたる収録の中で、心を揺さぶられ、思わず涙ぐんでしまうこともあったが、本人はどんなことを感じたのだろうか。収録後に聞いた。
<中島美嘉 インタビュー>
――ナレーションを終えての感想は?
家に帰っても、抜けないでしょうね。今日はきっと…(笑)。
――本格的なナレーションは初挑戦とのことですが、オファーを受けたときにはどんなことを思いましたか?
以前、自分が出演した番組でナレーションをやったことがあって、そのときにすごい苦労はしたのですが、楽しかった思い出があったので、今回お話をいただいて、すごくうれしかったというのが最初の感想でした。
――今回、この物語を読むにあたり心掛けたことはありますか?
人の人生を深く掘り下げていく番組なので、そこをどう邪魔しないで、(自分の)色を添えられるか、みたいなことは考えました。草刈さんのこの物語をどう伝えることができるか、私の声にかかるところもありますので。
――普段やっていらっしゃるレコーディングともまた違った収録だったと思います。
モニターに表示される数字(タイムコード)を見ながら、次に読むところをダーッと頭の中で考えていくんですけど、そういうことができる能力が自分にはあったんだ、って(笑)。回転が遅くてボーっとしているタイプだと思っていたので、そこは新しい発見でした。
――前編の最後、エンディングでテーマ曲の「サンサーラ」が流れてきて、思わず聴き入ってしまったハプニングもありました。
そうなんです。すっごいいい曲だったので、聴き入ってしまって。読んではいたんですけど、そこはただ文字を追うだけの棒読みになっちゃいましたね(笑)。
――犯罪被害者の家族でありながら、「被害者を減らすために加害者を減らそう」と活動をされている草刈さんをどのようにご覧になりましたか?
ご自身の悔しい気持ちを、“人を助ける”という形で転化しているのが本当にすごいなと思いました。軽々しく物を言う方ではないのに、(行き場をなくし自分を頼ってきた元受刑者たちに)「俺が家族になったる」とはっきりおっしゃったときに、言われたほうが泣いていましたけど、本当にそうなるだろうな、と思いました。
――ご自身の心にはどんなふうに響きましたか?
私が読んだ中に「過去は変えられないけど、未来は変えられる」というフレーズがありましたけど、そこは本当にそうだと思いますし、自分の中に残っています。読んでいて、心が痛くなるシーンもありましたが、そこを出してしまってはダメなので、(自分を保つために)深呼吸をたくさんしていました。
――最後に改めて今回の番組の見どころをお願いできますか?
今読み終わったばかりで、物語が膨大すぎるので、どこっていうのは難しいんですけど、大きくは草刈さんの行動のすべてを、そして言葉ややりとりの一つひとつを大事に見てほしいです。
収録後、中島美嘉がナレーションの一部を披露してくれた。