窪田正孝が主演するドラマ『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』が、10月4日(月)21時よりスタートする(初回90分スペシャル)。
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』は、現在「グランドジャンプ」(集英社)で連載中の同名コミックが原作。放射線技師にスポットを当てた作品で、2019年に放送された前シリーズが人気を博した。
今作では、その前シリーズから2年後が描かれる。天才的な読影能力を持つ放射線技師・五十嵐唯織(窪田正孝)を中心とした、甘春総合病院の放射線科(=ラジエーションハウス)の面々の活躍に注目だ。
2020年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『エール』主演後、今作が初めて地上波の連続ドラマ主演となる窪田正孝にフジテレビュー!!がインタビュー。「他の作品とは違った独特の空気がある」と語る“ラジハ”の空気感とは?続編が決まったときの思いや、撮影の裏話などを聞いた。
<窪田正孝 インタビュー>
ラジハ続編の喜びを語る「またあの現場に戻れる」
──まずは、続編が決まった時の心境を聞かせてください。
シーズンⅡができるのは、シーズンⅠがあってこそ。プレッシャーもありますが、純粋にうれしかったです。
それに、“ラジハ”の現場は、他の作品ではあり得ないくらいキャストの仲が良くて。幅広い年齢のキャストが集まっていますが、本当に分け隔てなく会話ができて、独特の空気感があるんです。だから「またあの現場に戻れる」といううれしさもありましたね。
──窪田さん自身は、『ラジエーションハウス』のどんなところに魅力を感じていますか?
放射線技師の仕事は、病院に行ってもあまり見ないと思うのですが、ラジハと他の医療ドラマと違うのは、そんな技師に焦点を当てているところ。そういう縁の下の力持ちとなっている人々を中心に物語を見せていくことが新しくて、魅力的だと思います。
──唯織を中心とした登場人物の掛け合いもドラマの見どころの一つかと思います。その掛け合いのシーンで心がけていることはありますか?
特に心がけていることはありません。ただ、専門用語がすごく多いので、スタッフさんには「少なめにしてください」とお話しました(笑)。それは冗談ですが、テンポを早くしようとか遅くしようなどということを細かく話し合うというより、監督が作るものに乗って、みんなで空気を作っている感じです。
「本当は遊びたい」素直な思いの裏にある物語の“軸”としての意識
──今作はシーズン1から2年後が描かれていますが、何か唯織のキャラクターの変化は感じていますか?
唯織に関しては2年経ってもあまり変化を出さないように意識して演じています。留学はしていましたが、着ている服も変わらず…なので、衣装合わせはすぐ終わりました。オレンジのコート、中に着る白いシャツ、黒いパンツ、コンバースの靴だけが置かれていて。もう、衝撃でしたね(笑)。
唯織は変わってはいけないんです。物語の軸である唯織がブレてしまうと、全体がブレてしまうので。本当なら、僕も(役の変化などで)遊びたいです(笑)。ただ、監督とも話しましたが、今回初めてラジハを見る方も置き去りにしないという意味も含めて、主人公が変わらない勇気も大事だなと感じていて。そこを突き詰めて制作するスタッフさんの心意気を感じたので、僕は小さな楽しみを見つけながら撮影をしています。
──唯織に変化はないということですが、物語全体で変化した部分はありますか?
新しい仲間・田中(八嶋智人)が加わったことは、変化として一番大きいと思います。あとは前作以降、みんな役者としてそれぞれの現場を経て、それぞれが培ってきたものがあって、それが今作の役の濃さにつながっている気がしています。
前作のときに一緒にいろいろな大変なことを乗り越えたという感覚もあったので、再び集結したときには「またヒーローたちが集まった!」という感じというか、力強さを感じましたね。
「みんながいると、これだなと思う」“ラジハ”の空気感
──そんな皆さんと撮影をしていて、改めて「懐かしいな」「これがラジハだ」と思うことはありますか?
エンケンさん(遠藤憲一)のすごさは改めて感じました。エンケンさんの明るさは、この現場の一番のカギになっているのですが、その人柄や誰に対しても変わらない姿勢に、僕はすごく救われています。
ラジハの現場って独特で面白いのですが、誰か1人がいないだけで現場に流れる空気がすごく変わってくるんです。劇中でも1人の患者さんを全員で診ているので、みんな一緒にいることが当たり前になっているんですよね。だから、全員がそろった場所にいると「これだな」と思います。
──座長として心がけていることは何かありますか?
差し入れを絶やさない!このご時世なので、いろいろと制約があるのですが、ガイドラインにのっとったものを差し入れるようにしています。考えるのは大変ですけど、楽しいですよね。
──コロナ禍の撮影は大変かと思いますが、撮影期間で楽しみにしていることはありますか?
本当は、皆さんでご飯に行きたいなと思っていましたが難しいですよね。実は、シーズンⅠのときも結局1回しかご飯に行けなかったんです。それでも不思議なくらいみんな仲良くなれたからすごい!
ご飯に行ったところで、もう話すことはないくらい現場でしゃべり尽くしているんですけどね(笑)。でも、やっぱり現場での皆さんと、衣装を脱いだ皆さんでは違うと思うので。仕事から離れた皆さんの姿や感覚に触れることができたらいいなと思っています。今回は難しいと思いますが、もしまた続編をできることがあったら、そのときにでも。
撮影:河井彩美