老舗ベーカリー「メイカセブン」店長・関口明美が自身に課す“セブンルール”「嫁とは友達感覚で」
10月27日(火)放送『セブンルール』
視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
10月27日(火)放送回では、東京・江東区大島の老舗ベーカリー「メイカセブン」店長・関口明美に密着。「うすかわあんパン」や「77%ぶどうパン」など、ボリューム満点の手作りパンで地元住民から愛されるパン店を、夫と二人三脚で営む彼女のセブンルールとは。
ルール①:具はたっぷり詰める
平日にも関わらず、開店と同時に多くの人が訪れるメイカセブン。昔ながらのクリームパンやカレーパン、 調理パンなどおよそ40種類以上のパンが店内に並ぶ。 現在は新型コロナ感染対策のため、人数を制限しながらの入店を促しているが、焼きたてのパンを求め、店内は常に賑わっている。
関口明美は主に、玉子サンドなどの調理パン作りを担当している。
この店の名物は、あんこがぎっしり詰まった「うすかわあんパン」。一般的なあんパンよりも固めのあんこを使い、高さを出している。1日に400個ほど売れているこのパンを作るのは、夫の直喜(なおき)さん。「皮を破らないようにしながら、1度に(あんこを)すくわず、何回かに分けて、均一に入れる」のがコツだという。
そして、商店街が賑わう夕方に合わせ、じっくり丁寧に焼き上げる「77%ぶどうパン」は、1日に60斤売れている。直喜さんは、「77%」の理由を、「ぶどうが入る量の限界。90%でも良いんだけど、そんなに入れると生っぽくなっちゃうから」と、明かす。
さらにメイカセブンには、地元住民から愛される、昔ながらの人気商品がある。それは、好きな具を選び、その場で詰めてもらえるコッペパン。マーガリンやあんこ、ホイップクリームやいちごジャムなど、数種類の具材から1種類または2種類を選ぶことができる。
メイカセブンのパンには、一貫したあるルールがある。それは、具をたっぷり詰めること。
関口は、「店頭でコッペパンを販売する機会があったんですけど、『前の人の倍(の具を)つけて』って言う方がいらっしゃって。『土地柄、たくさんつけるのが喜ばれるのかな』と感じて、たっぷりつけるようになりました」と話す。
実際にパンを購入している客も、「下町だからね、気取ってなくてね。中がたっぷり入って、パンがモチモチして美味しいんです」「具がね、結構いっぱいつけてくれるの」と、うれしそうな表情を見せていた。
ルール②:焼きそばは強火で一気に炒める
仕込みの作業を始めるのは、午前5時半。まずは、焼きそばパンの具の仕込みに取り掛かる。メイカセブンの焼きそばパンは、味が馴染みやすく、店のパンにも合う細麺を使っている。
味付けに使うのは、粉末ソースと液体ソースをブレンドしたもの。味に深みが出てパンとの相性がより良くなるという。さらにポイントとなるのが、焼きそばを強火で一気に炒めること。
「強火で炒めることによって麺がくっつかないし、キャベツの水気も飛ぶのであまりビシャビシャしない」のだという。
鉄鍋を使い、強火で炒めて水分を飛ばすことで、時間が経っても美味しさを保つ焼きそばパン。「昔ながらの味で美味しい」と、長年、地元の人たちから愛されてきた。
ルール③:週2日 実家のパンを販売する
夫婦二人三脚でパンを作る関口は、東京都・江戸川区でパン店を営む両親の元で育ち、大学卒業後は製パン学校に進学。そこで夫・直喜さんと出会った。
関口の父は「パン屋が大変なのは分かってるのに、なんでパン屋に嫁にいくんだ」と言ったといい、それについて直喜さんは「しょうがないよね。パン学校で一緒になったんだから」と笑う。
結婚を機に、夫の実家のメイカセブンを手伝うことに。先代の喜永(よしなが)さんが創業した店を、夫婦2人で受け継いだのだが、今では名物のうすかわあんパンも、30年ほど前はそれほどの人気を得られていなかった。
オフィスで働く人をターゲットに、お昼時になると、パンをゲリラ的に出張販売。そのおかげで、少しずつ街の人に知られるようになり、今では地元には欠かせない店となった。
両親のパン店を継いだ、弟の秀一さんがこの日、厨房に現れた。週に2回、関口の実家の店のパンを仕入れ、販売しているのだという。
「甘食(ビスケットとスポンジケーキの中間のような菓子パン)とか、シベリア(カステラであんこを挟んだ菓子パン)とか、今あまり作ってるところないじゃないですか。年配の方が『素朴で美味しいわよね』と言ってくださるので」と、関口。
80歳になる実家の両親も、まだまだ現役。そんな両親への応援の意味も込めているのだとか。
ルール④:お嫁さんに厳しくしない
3人の息子を持つ彼女。現在は3人とも独立し、長男と三男はサラリーマン、次男は都内のホテルにあるベーカリーで、両親と同じパン職人をしている。商売をしながらの子育てには、苦悩することもあったという。
「世代的に、私がまだ嫁に来たときのお姑さんは結構厳しかった。子どもの小学校の運動会とか、そういうことで(仕事を)抜けるのも遠慮しながら、急いで帰ってくるみたいな感じで」と、当時を振り返る。
次男の妻・真美(まみ)さんは、結婚を機に従業員として働いている。「真美ちゃんの家、おはぎ作る?」「私は作らないけど、お母さんは作る」と、和やかに会話をしながら、厨房で一緒に作業をする2人。
子育ての合間で店を手伝う嫁と接するとき、彼女は、厳しくせずに友達感覚でいることを決めている。「子育てって限られた時間のことだから、仕事も大変だけど、子どもに向き合ってあげて欲しいなと思う」と語る彼女。同じ境遇を歩んできたからこそ、友達感覚を大切に、優しく接する。
真美さんも、「すごい優しいんですよ。よく言うじゃないですか、一緒に住んだら怖いって。でもそういうのもないです。本当にずっと優しい」と、笑顔を見せた。
ルール⑤:休日は家から離れる
週に1度の定休日、「『朝起きは三文の徳』じゃないけど。やっぱり朝から動くと午前11時くらいでも、『こんなに充実したんだ』とか思えるから」と、早朝から活動を開始する彼女。禅院を訪れ、1時間の座禅を終えると、続いて六本木のパン店へ。
家にいても、客からの問い合わせに答えたり、忙しい店を手伝ったりと、1日の区切りがないのだという彼女。唯一、定休日である月曜日だけが、自分の時間を持てる日なのだそう。
朝から出かけるのは、忙しい日々だけではなく、毎日一緒にいる夫と離れるためでもある。「例えば、夫がソファにいると、『掃除したいんだけどな』とか思っても出来ないじゃないですか。だったら汚れていても『いいや、私は外で気分転換しよう』って(思う)」と、話した。
ルール⑥:給料は手渡し
メイカセブンでは、パートやアルバイトを合わせて12人のスタッフが働いている。
「店先の『アルバイト募集』っていう張り紙ひとつで来てくれるということは、基本、何か縁があってここに来てくれる方なのかなと思って。アルバイトの子なりパートさんなりは大切にっていう気持ちです」という彼女の言葉通り、従業員も「アットホームな感じなので、すごく楽しく働けているなって思います」と、話す。
そんな中で決めているルールが、「パートさんとかアルバイトの子とかが一生懸命働いてくれてるからこそ、メイカセブンが一つチームとして成り立っていると思うので。感謝の意味も込めて」、給料を一人ひとりに手渡しすること。
彼女の元には、一度辞めてから戻ってくるスタッフも少なくない
「戻ってきて懐かしく思ってくれるっていうのは、すごいありがたいですよね」と話す彼女。「それだけ楽ってこと?ゆるいってこと?」と茶化してみせるが、スタッフは「いやいやいや、人柄ですよ」否定して笑った。
ルール⑦:うすかわあんパンを守り続ける
連日、開店前に行列が出来るメイカセブンで、特に名物・うすかわあんパンは、早ければ20分ほどで完売する。さらに、電話での問い合わせも多い。
しかし40年前、夫婦でうすかわあんパンを生みだした当時は、否定的な意見もあったという。「うちの主人はお客さんに喜んでもらえれば良いっていう感じだったけど、帳簿をやってるおじいちゃんからは『利益率が悪い』とか(言われていた)」と話す。
それでも、うすかわあんパンを守り続け、次第に、メイカセブンの看板商品として認知されるようになった。「夫婦でうすかわあんパンをここまで築き上げたっていうことを守り続けたい」と、強い意志を見せる。
客も、「原価率を無視して、あんこをしっかり入れてもらってるところがいいかなと思います」「このパン屋さんは本当に美味しくて、アットホーム」「すごくこちらの方(関口)が良い方だから、居心地が良くて」と、口々に言う。
夫婦2人で築き上げた唯一無二の味は次の世代へと受け継がれることに。次男・良寛さんは、今年いっぱいでホテルを退社し、メイカセブンに戻ってくるという。
「今まで作ってきたものがそのままちゃんと出来るかとか、もちろん潰しちゃダメだし、そういう、プレッシャーというか不安はありますね」と語る良寛さんだが、彼女は、「子どもが守ってくれたっていうことには感謝したい」と、喜びを口にする。
夫の直喜さんも「来年からはちょっと楽しみだよね。1+1は2じゃなくなるからね。もっと、4にも5にもなるから」と期待をあらわにした。
今日も誰かを笑顔にするうすかわあんパン。彼女の人生が詰まったこの味を、これからも守り続ける。
※記事内、敬称略。
次回、11月3日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、「お好み焼き オモニ本店」女将・高姫順(コウ・キジュン)に密着。「ミシュランガイド」に5年連続で掲載されたこの店に人生を捧げ、大阪を代表する人気店へと成長させた彼女の7つのルールとは。
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